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カテゴリ:病院の生活
今日祖母のところに行くと、祖母はしおれた花のように、しょんぼりして眠っていました。
(どうしたんだろう・・・一昨日来た時には、元気だったのに・・・昨日私が来なかったせいかな?)としばらく祖母の寝顔を見ていました。 祖母の布団を整えていて、導尿のカテーテルが無くなっているのに気がつきました。褥瘡防止マットもありませんでした。側にポータブルトイレが置いてありました。 祖母 「来てくれたんか・・・・」と祖母が目を覚ましました。でも、元気がありません。 私 「来たよ~・・どうしたん?足が痛いの?」 祖母 「・・・わしゃ~もう死にたい。何でいつまでも生きとるんかいの~・・」 私 (・・・いったい何があったんだろう・・・)と思いました。 看護師さんが来られて、「チューブがはずれたので、オムツが沢山いります。用意して欲しい」と言われました。私は売店でオムツや尿パットなどを買いながらいろいろ考えました。 たぶん導尿カテーテルをはずしたので、失禁などで大変だったんだろう・・看護師さんたちに迷惑をかけてしまった。祖母はそれが情けなく思えたのかもしれない・・・・と思いました。 祖母は心臓の負担を除くための利尿作用の薬がでているせいか、もともとトイレの回数が多く、家でも何度もオムツを替えなければなりませんし、トイレも汚してしまうので、大変な時には一日に20回ぐらいトイレ掃除をしなければなりませんでした。 でも、体調も良くなって回数もだんだん減って、最近では失敗も少なくなっていました。 だけど入院して導尿カテーテルを入れたことで、膀胱が鈍感になっているのでしょう。 人の体ってちょっと怠けると機能が衰えます。導尿カテーテルを入れると意識しないでも尿が出ています。それで導尿をずっと続けている人は、膀胱が小さくなったり、尿意を感じなくなってくるのです。そのためにチューブをはずした後に失禁してしまうことがあります。 だから導尿カテーテルをはずす前には、膀胱訓練といって数時間ごとにカテーテルをクランプ(挟む)して膀胱に尿をためて尿意を感じるようにしなければなりません。 祖母の場合は、服用していた薬の効力がなくなるのを待たなければ手術ができなかったために、他の人よりも1週間長く導尿をしていました。 その上、認知症ですから、膀胱訓練も尿意の確認が難しかっただろうし、もともとトイレが近かったから、失禁の回数も多くなったのでしょう。 たぶんお世話いただく看護師さんは大変だったでしょう。 今日は施設で行事があるので、祖母に昼食を食べさせたらすぐに帰る予定でしたが、祖母のティションがあまりにも低く、気落ちしているのでできるだけ側に居よう・・と思いました。 祖母 「なんでわしは死なんのかの~・・・早よ~お父さん来てくれるとええのに・・」 私 「婆ちゃんは死ぬような病気じゃないけん。それに・・・婆ちゃんがおらんようなったら、私寂しいよ」 祖母 「ほ~か~?」 私 「そうよ~・・今でも家で料理作っても、つい婆ちゃんの分も作ってしまうんじゃ~・・早よ~帰って来んと勿体ないわ~」 祖母 「ほ~か~?」 私 「婆ちゃんの部屋も天井張り替えて綺麗になったよ。いつでも帰れるようにしてるんよ」 祖母 「ほ~か・・綺麗にしてくれたんか~」 私 「そうよ~・・だから死にたいなんて言わんと、いっぱい食べて、リハビリ頑張って歩けるようになって、早く帰ってこんにゃ~」 祖母 「そうじゃの~」だんだん表情が明るくなってきました。 私 「そうじゃ婆ちゃん。コーヒー飲もうか!買ってくるから待っててね!」 祖母はコーヒーが大好きです。入院中は飲むことはできなかっただろうし、手術も終わったし、リハビリも始まったぐらいだから少しぐらいなら良いだろう・・・と思い買って来ました。 コップに移して祖母に飲ませると「美味しい!美味しい~の~」と喜びました。 祖母の様子が落ち着いてきたので、私は帰ることにしました。 私 「それじゃ~帰るけ~ね」 祖母 「お~っ・・気をつけて帰れよ~」と笑顔で手を振っていました。 時間を見て (まだ間に合う・・!)と思い私はタクシーに飛び乗りました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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