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萬華鏡-まんげきょう-

内沙汰(大蔵流=右近左近)

内沙汰うちざた


※大蔵流=右近左近おこさこ

【登場人物】
シテ 右近 アド 妻

【和泉流「内沙汰」あらすじ】

お百姓の右近は、お伊勢参りに妻を誘います。
妻は「他の連れは誰なのか」と尋ねると、左近という隣人も行くということを知り、妻は行くのを嫌がります。
この右近の家はあまり裕福ではなく、左近の家はお金持ち。
このまま自分たちが徒歩で行くとまるで使用人のように見えてしまうから、嫌だというのです。
そこで右近は、自分の田の作物を食べた左近の牛は、自分の牛だ、その牛に乗って伊勢参りへ行けば良い、と無茶苦茶なことを言い出します。

妻は弁も立たず、地頭との人脈もない夫が訴訟などで左近に勝てるわけがない、と反対します。
それでも訴訟に行く、と息巻く夫に、「それでは訴訟の稽古をしていきましょう」ということになります。
訴訟のお稽古・・・リハーサル?といったところでしょうか(笑)
妻は地頭のように身ごしらえをし、刀を持ち、床机に腰をかけて左近を演じる夫を待ちます。
夫は左近になりきり、流暢に喋り出します。
これは巧くいった!では次は右近(本人)の番だ、ということになると・・・

もう緊張しまくり、カチンコチンになりながら肝心の訴えを話し始めますが、全く巧く言えません。
地頭になりきった妻が、まくし立てると右近は目を回して気絶・・・。

慌てて妻は夫の右近を起こしますが、気が動転して何が何だかわかりません。
やっと、正気に戻った右近は、妻に「そんなことでは訴訟は上手くいきません。止めておいたほうがいい」と諭されますが、まさに逆切れ。

それではと、問題の左近の牛は、「もろ足」(両足)入って食べたのか、「片足」入って「なで喰い」(ちょっと摘まんだ)のかを問うと、「片足のなで喰いだった」と言います。
それならなおのこと、勝ち目はありませんよ、とトドメを指されると今度は左近と妻との密会を目撃した、などと言って浮気を疑う始末です。

腹を立てた妻は何を言うのかと頭を振って怒りますが、さらに妻を指差し挑発をする右近。

妻「もう一度、私を指差したらその指折っちゃうわよ」←怖っ
右近「折れるもんなら、折ってみろー。身共の指には骨があるわぃ、ほれ!」と再び指を差すと、妻に捕まり投げ飛ばされてしまいます。(強いっ)

呆れた妻は夫を残し立ち去ります。
一人残された右近は、痛々しそうに立ち上がり、妻の消えた方を向いて
「左近とおのれは夫婦じゃいやーい」と言って退場します。



【大蔵流「右近左近」あらすじ】

農民の右近おこ、腹を立てながら妻に訴える。
「今年は豊作だったものの、隣の左近さこが飼っている牛が自分の田を荒らしたから講義に行ったんだ。そうしたら、悪びれもせず畜生のしたことだから堪忍しろと言って平然としてるんだよ!もー、頭きた!地頭に言いつけてやるぞ!」
※地頭=室町時代、大名に知行地を与えられた家臣のこと

村一番の口利きで地頭とも親しい左近と、口下手で地頭とも馴染みのない右近では到底勝ち目はない。
それでも地頭に訴訟を持ちかけてやるんだーヽ(`Д´)ノと息巻く夫に、それならば家で稽古(リハーサル)をしてから出かけよう、ということになり、妻は地頭に見えるよう大名烏帽子を被り床机に腰掛け待つこととした。

妻「これは稽古。左近側に立って練習せねばなるまい」←ノリノリ?

威丈高に詰問する妻。もともとが臆病な右近は緊張して言葉が出てこない。
まだリハーサルなんだけれどねぇ・・・(笑)
事の顛末を説明しようとすれば・・・

右近「えーっと・・・えーーーっと・・・右近が左近で、左近が右近で・・・えええーーっと」

右近「ああああああああ・・・右近が左近を食い荒らしまして・・・いやいや・・・左近が、牛が右近を喰いましてございます・・・・・・あああああああ・・・・え~、え~・・・」←ウル覚えで違うと思いますがイメージで(苦笑)

地頭に扮した妻「(〃*`Д´)/何言うてんのかわからんわっ」←しつこいようですが台詞はイメージで・・・

右近「ひぃぃぃ~」ついに右近は目を回して気絶してしまう。
驚いた妻は烏帽子を取り介抱するとやっと息を吹き返す右近。
妻は身を案じ、訴訟を思いとどまるように言うが、右近は妻に「左近びいきじゃないか!」となじり、なおかつ左近との密通を疑う。
棒を持って妻を攻め立てようとするが、結局は妻のほうが強く、棒を奪われ逆転してしまう。
妻「勝手にするがいいわっ(-.-")」と出て行った妻に残った右近。

右近「笑うなら笑うがいいわーはーっはっはっは・・・」
静かに背を向けその場を立ち去っていく。



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