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テーマ:海外生活(7779)
カテゴリ:戦う
大きな決断をし、もと来た道を、駆け出すワタクシ。 その頭には、「恋する惑星」のテーマソング。 気分は完全にフェイウォン! 本日完結する、お家探しの旅!
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駆け出した私。
ぜいぜいしながら、そのHDBの入り口にたどり着く。
カバンからエビアンのボトルを取り出し、水をぐいっと飲み干す。
カバンに、小切手が入っていることを確認。
息が落ち着いたところで
私は電話を取り出す。
「もしもし、オーナーさんですか?やっぱりお金、払えないので、 出て行きます。私には2900ドルは無理です」
現在住むコンドのオーナーに電話をする。
よし。これで、後には戻れない。
もう、あのコンドにはいられないんだから。
自分をがけっぷちに追い込む。
階段を上ろうとしたそのとき。
アジアの某国に派遣された三十路男子より、TEL。
彼は、私が住居でずっと悩んでいるのを、辛抱強く聞いてくれていた。
シンガポールに住んでいたわけだし、相場もよく分かっている。
ワタクシ「もしもし。うん。決めたよ。2000ドルでHDBに住むことにした。今、契約するところ」
三十路男子「はあああああ????お前、頭おかしくなったんじゃねぇ?HDBで2000ドルってなんだよ?」 ワタクシ「だって、もうどこもないんだよ!ここで決めるしかないんだよ!そうしなきゃ、あたし、路頭に迷っちゃうよ!」 三十路男子「おまえ、よく考えろよ!そんなのクレイジーだぞ!落ち着け。お前は不安から間違った選択をしようとしてる!」 ワタクシ「あんたは今シンガポールに住んでないから、分からないんだよ!」 三十路男子「この市場、絶対おかしいぞ。アメリカはリセッションに入ったんだ!絶対シンガポールも落ちるぞ!」 ワタクシ「もういいの!コンドのオーナーにも、もう出るっていっちゃったの!」 三十路男子「。。。」
彼が絶句しています。 半泣きの私。
三十路男子「・・・・そこは、きれいなのか?」 ワタクシ「エアコンない」 三十路男子「は??????????」 ワタクシ「でも、オーナーがつけてくれるっていってる!」 三十路男子「おめぇ馬鹿か?エアコンないような物件に、お前が住めるかよ!どうせ、きたねぇんだろ!」 ワタクシ「でも、『恋する惑星』みたいなんだもん!いいんだよ!汚くたって!」
そのとき、ふと私は足元の芝生に、何かが落ちているのを目にします。
干物?
それは、干物でした。
何の?
ねずみの。
ワタクシ「ぎゃ嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼ああああ★■○〒~~~~!」
三十路男子「ど、ど、どうしたんだ!!!!!!!」
ワタクシ「ね、ねずみの、、、、、ひ、ひもの~~~~~!!!!!いやああああああ!!!!!!!!!!」
三十路男子「お前!ミッキーマウス見るだけで怒るほどのねずみ嫌いなのに、そんなところに住むのか!!!!」
ワタクシ「もういい!!!!!」
がちゃん!
ワタクシ、やもさんとミッキーが、世界で一番嫌いなのです。
あまりに気が動転したために、電話を切ってしまいます。
そして、一気にその場から逃げ出すかのように、階段を駆け上がります。
その物件では、前歯がかけたおばはんと、エージェントが待っています。
エージェント「小切手は持ってきた?」
ワタクシ「ぜぇぜぇ。も、もって来た。」
エージェント「じゃあ、早速始めましょう」
すると電話がぶるぶるします。
また三十路男子です。
ワタクシ「ちょっと。もう今からサインしなきゃいけないんだよ。あとにして」
三十路男子「エージェントに替われ」
ワタクシ「は?」
三十路男子「いいからかわれ!」
あまりの剣幕に、しぶしぶエージェントに電話を差し出します。
ワタクシ「My friend needs to talk to you」
エージェント「OK」
その電話口から、彼の声が漏れてきます。
三十路男子「Nice to meet you,I am her husband」
ワタクシ「ん???」
は、ハズバンド~~~~????????
第二のプロポーズ???
三十路男子「おれぁ、彼女のはずバンドだ!今は海外勤務だけど、そのうち帰ってくる! その物件、高すぎる!2000ドルなんて、おれはださねぇからな!」
エージェントから、私は電話をひったくって ワタクシ「ちょっと!あんたなにいってんのよ!ハズバンドってなによ~~~!」
三十路男子「うるせぇ!今そんなこと言い争ってる場合じゃねぇだろ!エージェント出せ!」
ワタクシ「ちょっと、あんたなに言ってんのよ!一緒に住むってなによ!聞いてない!」
三十路男子「うるせぇ!エージェントに替われ!!!!!!」
三十路男子は、こんこんとエージェントに何か言っています。 エージェントは黙ってそれを聞いています。
電話を切った後、エージェントが前歯がかけたおばはんに何かを耳打ちします。
すると、前歯が欠けたおばはんが、別室に消えます。
しばらくして彼女が出てきてこういいました。
前歯のかけたおばはん「ミス。あなたのハズバンドのいうように、もう少し 値下げさせてもらうわ。1800ドルでどう?」
三十路男子よ、なにを言ったのだ?
そのころ、一通のSMSが携帯に届きます。
コンドのオーナーからです。
「Ms.あなたへの尊敬と同情をこめて、2600にいたしましょう。あなたは私の物件をこの2年間、とても大切に使ってくれたから。お返事ください」
HDBの歯が欠けたおばはんオーナーは、2000ドルを1800ドルに値下げ。
コンドのオーナーは2900ドルを2600ドルに値下げ。
こ、これが値引き交渉なのか?
こ、これが心理バトルなのか????
さまざまな人間の計算が飛び交います。
壮大なスペクタクル!!!
私は、テーブルの上の甘ったるいお茶を飲み干します。
ワタクシ「・・・ハズバンドがまだ同意してませんので、やはり今は返事できないです。 すみません。時間を無駄にしてしまって」
自らハズバンド、とか言って(w)
何度も謝りながら、私はその場を後にしたのでした。
私の心は、このとき、はっきりと、私がすべき行動が、分かっていました。
次回、 三十路女子@シンガポール 住居探し完結編(後編)
ですべてが明らかになります。
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Last updated
2008.01.24 21:07:11
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