伴子一人旅【38】ささやかな冒険の旅は終わった
1989年6月21日いよいよ息子と別れる、出発の日がやって来た。日本までひと飛びすれば、主人と会うことが出来る。半分さびしく、半分うれしい、複雑な気持である。わずか一週間だが、長くて楽しい、夢のような日々だった。アメリカには、何ヶ月もいたように感じる。主人がいる日本が、はるかかなたに感じられる。昨晩は遅く寝たが、7時には目が覚めた。出発は、12時の全日空成田便である。車は、ワシントンに到着したときと逆の道を走り、空港に来る。息子はワシントンの絵葉書を土産に、襟巻きになった空気枕をプレゼントに、買ってくれた。30分ほどお茶を飲み、8月に再会を約束して別れる。8月にはニューオリーンズで出会い、一緒に夏のアメリカ大陸を横断することになっている。9日ぶりの日本。成田で5時間の待ち時間。19時半成田発で、伊丹空港へ。やれやれ帰ってきたな、という表情の夫。本当に有難うございました。土産をひろげながら、しゃべりまくる私に、呆れ顔だ。無事帰還を祝い、ビールで乾杯。床に就いたのは、翌日の1時を過ぎていた。私のささやかな冒険の旅は、終わった。