NHK大河ドラマ鎌倉殿の13人で、坪倉由幸の工藤祐経や小栗旬の北条義時がコラコラと言うセリフが出てくるが、これは正しいのか?
NHK大河ドラマ鎌倉殿の13人は、三谷幸喜さんの脚本ゆえに、とてもとても面白くて、毎回楽しみにしているが、時代考証的に、おかしな表現がある。もちろん、三谷幸喜さんの脚本は、演出だけでなく、言葉にも面白さが詰まっていて、だからこそ、誰も脚本を弄らないのが当たり前の事とは思う。だから、京ことばとか、他の地方の言葉など、鎌倉武士の在来の言葉以外は、言葉の指導と考証が入る訳だけど、たぶん、鎌倉武士の一般的な言葉は、現代語の標準語が多用され、脚本だからそれが当たり前で良いのだが、それでも、気になる言葉がある。それは、「コラコラ」という表現である。21話位で、小栗旬が、北条義時として、子供のコンゴウあたりを軽めに注意する時に、「コラ」と言っていたし、その前に、富士巻き狩りとか、曽我兄弟の仇討ちに関するところで、前ふりというか、伏線の部分の話で、曽我兄弟が子供の頃に、親のかたきである、我が家の坪倉由幸?というか、工藤祐経さんに、石をぶつけると、工藤さんは、コラコラと言いながら、幼い曽我兄弟を追いかけるシーンがある。だが、コラや、コラコラは、元々は、叱る意味や問い詰める意味は無かった。そう、薩摩方言、薩摩弁で、「どうしたの?」くらいの、優しく話を聞く位の表現なのだ。しかも、鎌倉時代どころか、明治維新までは、関東の人間は、一切使わない言葉であり、そういう表現である。それが、三谷幸喜さんの脚本を活かすとはいえ、なんか違和感があったかなあ。何故なら、その、コラコラが薩摩弁であり、明治までは、関東で使われていない表現であると伝えてくれたのは、確か、チコちゃんに叱られるだったと思うんだ。同じNHKだったからね、少し時代考証して欲しかったかな。コラコラが何故、明治から関東でも使われるようになったかと言うと、明治新政府が、江戸の町奉行などの警察組織に代わり、新しい組織である、明治の警察組織を設立した際に、多くの薩摩の武士が雇用されたらしい。だから、薩摩の武士たる薩摩の警察官は、別に咎めるつもりもなく、コラコラとか、コラと言って質問していた訳だが、それに我々庶民が、過剰に反応してしまい、ただ、確認の為の薩摩のコラコラが、きっと、怒られるし、厳しく問い詰められるコラコラへと変容してしまったらしい。色々あるもんだが、結論としては、三谷幸喜さんの脚本は、楽しいし面白い。