カテゴリ:経営日記
日経ビジネスの最新号は,知財特集だ.僕の友人が銀行を辞めて特許事務所を開業しているので,少しはこの問題に関心を持っている.
要するに特許を事業を守る手段とするだけでなく,積極的に外に売り出して特許収入を得ようとする話だ.特許はいったん取得してしまえば後は殆ど費用はかからないから,そこから得られるロイヤルティー収入は不労所得つまり純利益となる.少ない人数で売れそうな特許を個人発明家などから集めて,大企業に狙いを定めて特許使用料を得ることを専門にする業者まで存在するらしい. 特許業界のことはあまり知らないけど,外から見てると面白い例えを思いつく.ひたすら顧客の要求に基づいて特許を申請する弁理士事務所は,いわば一次産業の農業だ.何もない大地に,種と太陽の光,それに雨を頼りに作物を生産する.いわば殆ど無から形のあるものを生み出す労働集約的な大変な部分を担当する. 顧客である企業は二次産業で,特許という一次産品=「農作物」を組み合わせて付加価値の高い「工業製品」を生産する. そしてそして一次産品である特許や,二次産品である「工業品」を「使用」して手数料を稼ぐのが,第三次産業である知財ロイヤルティー業だ.一次産品や二次産品を活用して,最も付加価値の高いところだけで不労所得を得ようとするのだから,利益率は高い. こういう構造って,実はどの産業でも同じかなと思う.当社が基礎的な研究を行わなかったり(一次産業),あえて一からの製品開発に投資しなかったり(二次産業)するのは,やはり中小企業として最も付加価値が高くてかつ得意そうな分野に集中すべき(三次産業)という直感があるからだ.努力は大切だが,一番大変な部分をやったからといって,事業として成功するとは限らない. ゼロから使って出来たモノ(一次産品)を使って出来たモノ(二次産品)を使って儲かる構造を考える.ややこしいけど,やっていかないといけないのだろうなあ. お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Oct 25, 2007 03:31:07 PM
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