カテゴリ:経営日記
今日は株式市場も一瞬7000円台を割って,いよいよ日本の経済状況も予断を許さないものになっている.まあ端的に言って,(認めたくはないのだが)これから不況期に突入すると思って間違いないと思う. では経済停滞期には何をすべきかというと,まず一番危険なのは,何もしなくて単に「価格競争やむなし」の雰囲気になることだと思う. 価格で競争するには,例えば「他社より10%安いですよ」ということが最低ラインだと思うが,売値から10%割引と言えば,粗利20%の商売なら粗利額半減,30%なら3分の1,粗利50%の商売でも粗利額が2割も減ってしまうインパクトである.経常利益10%以上出している優良企業だけが赤字転落を免れ,通常の数%の経常利益の会社なら,10%割引イコール赤字転落ということである.普段100円のものを90円で売るだけでこういうことだから,数割引きの破格セールなんてやってたら全然経営が持たないのは当たり前である.更に蛇足ながら言うならば,顧客にすれば不況期に価格提案をしてくるのはどこでもで,「そんなの当然」ってことで大した差別化にならない. ではすべきことは何かと言うと,不況期にこそ「全員提案,全員営業」の体制をとることだと思う.不況期には需要が減るから,社内的に色々な人が余ってくる.事務方も手があくし,研究スタッフだって経費削減となれば出来ることも限られてくる.会社としてそれらの人員を外向けの企画や営業に振り向ける良いチャンスだと思う.不況期には実は顧客は新しい提案を求めていて,不況期に本当に顧客の立場に立って提案し,営業活動を通じて情報提供をしてくれる会社に顧客は流れるものなのだ. もちろん不況期は,好況期に格好悪くて出来なかったコストカットの良い機会だけれど,これは不況対策と言うより,来るべき好況期により高い水準の利益を上げるための事前の策といった性格のものだと思う.だから,「不況期に全員で営業をし,同時に好況により強い体質になるために余分な贅肉も落としていく」というのが正しい経営戦略ミックスか. 提案,営業活動は経費がかかるとは限らない.「知恵の勝負」だから,どの会社にもチャンスはある.単純に値引き競争に流れることなく,当社も改めて「顧客が当社に求めるものは何か」を考えながら日々の業務に当たりたいと思います.
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Last updated
Oct 29, 2008 05:45:56 AM
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