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キックボクシングのトレーナーのことを通称「ミット持ち」といいます。ミットを持つ人のことだからですが、これがなかなか重労働なのであります。 蹴る方だってキツイが持つ方だってキツイ。選手はこのキツイ練習をすることによって強くなり、トレーナーは選手の「強くなりたい」「勝ちたい」という気持ちを身体で受け止め、互いに信頼関係を築いていくのです。 ところが、男と女に相性というものがあるように、選手とミット持ちにも馬が合う合わないがあります。選手に色々なスタイルがあるように、ミット持ちにも色々なタイプがあるのです。 「スパルタ型」・・・ひたすら選手をしごくことに生き甲斐を感じる。私は苦手なタイプ。 「サービス型」・・・選手のやりやすいように合わせてあげる。一般会員のひん曲がったパンチにもミットの角度を変えていい音をさせる。選手は気持ち良いが、時に甘えが生じる場合がある。 「攻撃型」・・・やたらと反撃してきて、しまいにはどっちが蹴っているのかわからなくなってしまう。選手は楽だがストレスがたまる。 「熱血指導型」・・・とにかく教え好きで、途中で熱が入りすぎて、ミットを放り出して手取り足取りの指導になってしまう。選手は「ハイ。ハイ」と神妙に聞いているが、内心「今日のミットは楽チンだな。ヘッヘッヘッ」と思っているはずだ。 「やっつけ型」・・・「いいよ。いいよ」と言いながら、「きょう松井はホームラン打ったかな」「この後ソムタムでも食いにいくかな」などと、いつも上の空である。 「子連れ狼型」・・・外人の奥さんに「子育て分担制」を強要され、当番の日は赤ん坊を背中におんぶしてミットを持つ離れ技を演じる。インターバル中にミルクをやることも忘れない。 もっとも「ミット持ち」は十人いたら十人が、「オレの方が強いな」と内心思っていますから、ボクサーというのはつくづく負けず嫌いな男が揃っているなと思うのであります。 *ちなみに私は「サービス型」と「やっつけ型」を足して二で割ったタイプであります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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