仁義なきケリマスのススメ
「軽くマスお願いします」「ハイ。お願いします」といって始まったケリマスが、だんだんヒートしてきて、最後は二人とも真っ赤になってバチバチやり合っている・・・。これはキックボクシングのジムでよく見られるほのぼのとした光景なのであります。 ケリマスとは、ケリのマスボクシング━要するにケリだけの軽いスパーリングなのですが、この「軽く」というのが実にムズカシイ。「軽くお願いします」といっておきながらいきなりケリをフルスイングしてくる奴もいれば、ちょっと蹴られるとすぐカーッとなって本気になる奴もいる。そうなると「イテッ!コノヤロ」となって冒頭のような光景になるのです。 これが終わってみるとヒジョーに後味が悪い。場合によっては遺恨が残り、抗争に発展することもあります(それはそれでオモシロイですが)。それにこういう場合、お互いカッカッしちゃうので、力みすぎてあまりいい動きができないようにも思います。 そこで私は、「ケリマスは100%の力で蹴り合うべし」と提案したいと思います。お互い思いっきりやり合って、それで練習が終われば恨みっこなしでいいのではないでしょうか。それでケガしたりどこか痛くなったっていいじゃありませんか。キックボクシングとは本来そういうスポーツなのですから。 ところが、練習不足の私は、今や別名「蹴られるしか役に立たない男」と呼ばれているので、私とやる時は少し手加減してほしいのであります。