アメリカは、だから可笑しい。
Marlboroでお馴染みのフィリップ・モリス社がロサンゼルス市近郊に住む64歳の女性から「同社の製品を吸ったため肺がんを患った」として訴えられていた「たばこ訴訟」でカリフォルニア州の上級裁の陪審は4日、フィリップ・モリス社に280億ドル(約3兆4600億円)の懲罰的賠償金の支払いを命じる評決を出した。懲罰的賠償とは被告側に重大な過失がある場合に通常の損害賠償とは別に科されるモノ。もちろん、フィリップ・モリス社はこれを不服として、評決を新たにやり直すよう裁判所に求め、控訴する方針。しかし、もし今回の訴訟で女性が勝訴した場合、次から次へと「個人たばこ訴訟」が始まりエライことになる。この女性の訴えは、17歳からたばこを吸い始めたが、長年の喫煙が原因で、肺がんが肝臓に転移した。喫煙を続けたのは「喫煙をがんの原因とする証拠はないというたばこ会社の説明を信じたから」で、たばこ会社側に過失、詐欺の責任があるというもの。一方、フィリップ社側は「原告はたばこによる健康へのリスクを知っており、喫煙は自らのの意思によるもの」と反論している。私個人の意見は、まあ、会社側の意見は当然といえば当然。喫煙は本人の意志の問題だと、私も思う。大体17歳から喫煙している原告は法を犯している。しかし、アメリカは陪審員制。これまでにも、陪審団は原告の訴えを全面的に認めて、経済的、精神的苦痛損害への賠償として先に85万ドルの支払いを命じていた。これらの結果について、アメリカのメディアは「損害額の大きさは、たばこ会社に対する陪審員の怒りの表れ」と分析している。たばこ訴訟で、個人が単独企業から得た賠償額としては今回が史上最高額。