ハタチの僕に会った夜
僕は現在34歳です。ということは単純計算で今年で35歳になります。(笑)自他共に認める『オッサンの領域』にいつの間にやら足を突っ込んでいたようです。(笑)そんな僕ですが、14年前は二十歳(ハタチ)でした。(笑)1995年8月25日。その日、二十歳の僕は一大決心をして雲南省へ留学をするため成田空港に向かってました・・・・。友人大勢でお見送りなんてされたら大変なことになるので、僕は地元の友人一人に車で空港まで送ってもらうことに・・・・。僕は、日本でのダラけきった生活スタイルを改めて新しい生活スタイルを築こうと考えてました。そこで考えたのが『日記』を書くということ。留学期間中は毎日、一行でも構わないから日記を書こうと決めていました。当時、日本から雲南省まで直行便がまだありませんでしたので、ひとまず成田から上海へ行くことになってました。その経由地である上海で一泊ホテルで宿泊してから次の日に上海から雲南へ行くというプランでした。僕は、最初の地である上海では知り合いの商社マンの方のご好意で花園飯店(上海ガーデンホテル)に泊まることが決まってました。初めて降り立った上海という地で、言葉も分からず、次の日にはすぐにまた未開の地である雲南まで行かなければいけないという不安と、ある種の恐怖のような感情でガーデンホテルの一室に一人で呆然としておりました・・・・。そして、僕は日本を離れたその日から『日記』を書くことを決めていました。留学期間中の僕の最初の日記はガーデンホテルの一室で書かれたものでした。僕はその最初の日記だけは、後から使うことになった大学ノートには書いておらず、たまたま当時使用していた『革の手帳』のメモ欄に記載しており、自分自身で後で大学ノートに書き写す予定でいたのでした・・・・。あれから月日が経ち・・・・。僕は自分自身で決めた留学期間中は毎日日記を必ず書くという目標は達成しておりました。本当に一言とか、一行だけという日もあったけども、とにかく毎日書き続けたという事実は確かにありました。(笑)現在実家の僕の部屋のダンボール箱の中に、恐らくその大切な日記(大学ノートで6~7冊くらい)は保管されているはずです。(笑)が、しかし!先ほど出てきた当時僕が使用していた『革の手帳』というのは今現在も僕の部屋にあり、当時いろいろと書いてあった友人のアドレスなどをたまに見ることがあったりしたので、当時のまま捨てずに、更には実家に放置しておくこともなく、あれからずっと僕と一緒に中国生活を共にしてきたのでした・・・・。ようは、僕と一緒に歩んだわけですから12年間、無くなることもなく、幾度と有った引越しの際にも常に僕と共に着いてきていたわけです。(笑)ただ、僕自身もさすがにその『革の手帳』の中のメモ欄に日記の最初の1ページが書かれていたことなど全く忘れておりまして、はい・・・・。(笑)(長い前フリでしたが)(笑)その『革の手帳』の中を昨晩たまたま開けて見る機会がありまして、ペラペラと中身を見ながら懐かしんでおりましたら、なんとその日記の最初の1ページを発見してしまいましてね・・・・。え~っと、確か夜中の2時くらいだったと思うんですけどね・・・・。(笑)本当に10年ぶりくらいでその日記の最初の1ページを読んだんです。そしたらね・・・・、もう自然と涙が出てきてしまって・・・・。(笑)年を重ねたせいか最近は涙もろくなりまして・・・・。(笑)いや~、本当にその日記の1ページは今と変わらぬ汚い字で書かれていましてね・・・・。(笑)当時の僕のアノ時の心境とか、不安と恐怖で怯えてる自分が居たんですよ・・・・。夜中でしたけど、涙が止まりませんでした・・・・。あの8月25日に成田空港に向かう車の中での心境とか、空港に着いてもうすぐ出発という時に当時付き合っていて僕が雲南に行く1ヶ月前くらいに別れた彼女がいきなり見送りに来ていて驚いたとか、上海のガーデンホテルの部屋からコレクトコールで両親に電話して繋がって安心したとか、夜中でお腹が減ったんだけど、言葉も出来なくて空腹をガマンするしかなかったとか、ホテルの広い部屋で一人で寝るのが寂しいとか、(笑)なんか、そんなことがいろいろ書いてあったんです。もうね、本当にそうだったんですよ。(笑)あの時、僕は半泣きでしたよ。(笑)あの時の心境が本当に昨日のことのように思い出されてね、日記を読みながら涙を流して、『大丈夫だよ!』って34歳の今のオレが二十歳のオレに心の中で叫んでたんです。自分で言うのも何ですけど、アノ時、よくオレは雲南なんかに留学しようと決心したなと。(笑)ただ単に気候が温かくて、日本人が少ないという理由だけで決めた留学先でしたが、当時なんて本当に何も無かったですからね。(笑)『無知』って凄いな~っと。(笑)それでも、あれから14年の月日が経って、僕はどれだけ成長して、どれだけ大人になったんだろうか?ちゃんと14年分のキャリアを積んで、年齢相応の外見と中身が備わっているのであろうか?(笑)けど、これだけは言えます。ハタチの僕に対して胸を張って言えるのは、『よくぞ、アノ時に行動した!』と・・・・。『よくぞ、アノ時の不安と恐怖に打ち勝った』と・・・・。昨晩まで何気なく引き出しに仕舞われていたこの『革の手帳』ですが、今では凄く愛おしく、尚且つ味のある風合いも有り、僕の宝物の一つとなりましたね。(笑)今の僕には財産などありませんが、この『革の手帳』に関してはそれに匹敵する代物なのかもしれません。もちろん他人から見たらノーブランドの汚い革の手帳なんですけどね。(笑)けど僕にとったらこの『革の手帳』はお金に代えられない大事なもので、これからも大切にしていきたいと思います。●先月の電気代 = 632元●今日買おうか迷った炊飯器 = 1,088元●今イケアで欲しい丸いローテーブル = 999元●14年前の革の手帳 = Price less 思い出はプライスレス・・・・。(笑)