小説No.6057:「ヒモ無しバンジーやるくらいの覚悟でいろよ!」Title:最強のライバル。 珠紀は、悩んでいた。 朝、目覚めると、布団の中に…見知らぬ男の子が居たのだから。 声をあげるべきかどうか、物凄く考える。 その男の子は、すぅと気持ち良さそうに丸まって寝息をたてている。 …丸まって? 珠紀は、冷静になって男の子を観察する。 額には、蒼い文様が浮かんでいる。 耳は、毛で覆われた薄い三角の白いケモノ耳。 真っ白い髪の毛に、蒼い瞳。 見慣れない、小袖のような服。 そして、何より気になるのが…ふさふさとした2本のしっぽ。 …珠紀には、一つ思い当たる事があった。 「もしかして、貴方…おーちゃん?」 そう、彼は、珠紀が飼っているオサキ狐の使い魔、おーちゃんだった。 やがて、おーちゃんが目を覚ました。 「う…ん、珠紀…様?」 目をこすりこすり、おーちゃんはぼーっと珠紀を見る。 珠紀は、まさかおーちゃんが普段こういう声で、自分をこういう風に呼んでいるのかと驚いた。その姿は、少年そのもの。 そして、いつものようにおーちゃんに挨拶。 「おはよう、おーちゃん。」 笑顔を向けられて、おーちゃんは嬉しそうに微笑む。 「おはようございます、珠紀様♪」 普段なら、「ニー」とか「ニ!」で済むものが、これだけの返事が返ってくるとどぎまぎする。 とりあえず、状況を把握してもらおうと思い、おーちゃんに自分の姿を見てもらった。 「ほら、おーちゃん、鏡だよ。自分の姿、見てみ?」 その後、驚きの声があがったのは、言うまでもない。 「珠紀様といっしょのかっこ…狐じゃない…」 きょろきょろと辺りを見回す。 ジャンル別一覧
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