形成外科医のアメリカ留学計画

2012/04/07(土)21:18

壊死性筋膜炎 necrotizing fasciitis

■救命救急関連(5)

壊死性筋膜炎 necrotizing fasciitis ■定義・病態 ・浅筋膜(皮下組織、深筋膜周囲組織)の壊死が本態 ・陰部に発症した場合はフルニエ壊疽 ■症状 ・局所の疼痛・紅斑・腫脹ではじまり、水疱(血疱)・紫斑・壊死へ移行する ・局所病変が急速に広がるのが特徴 ・重症例では敗血症,DIC,MOF,ショックへ移行 ■起因菌 ・A群溶血性連鎖球菌(溶連菌)および嫌気性・好気性菌の混合感染 ・A群β溶連菌は特に急速進行型であり"人食いバクテリア"と呼ばれる ■診断 ・CT・MRIが有効 ・血液培養、創部培養 ・溶連菌迅速診断検査 ■治療 ・切開排膿、デブリードマン ・抗菌剤投与(グラム染色でグラム陽性の連鎖球菌→ペニシリン系抗菌薬,確認できなかった場合→広域スペクトルの抗菌薬) ・重症例ではガンマグロブリンも ※抗生剤の具体例 1.溶血性連鎖球菌の場合 処方例(下記のいずれか) 1)ビクシリン 注 1日4-8g 3-4回に分けて点滴静注 2)ペントシリン 注 1日4-8g 3-4回に分けて点滴静注  あるいは,1)ないし2)の常用量(1日4g)に3)を併用する 3)ダラシンS 注 1日1,200mg 2回に分けて点滴静注 2.溶血性連鎖球菌以外の場合 処方例(下記のいずれか). 1)カルベニン 注 1日1-2g 3-4回に分けて点滴静注 2)メロペン 注 1日1-2g 3-4回に分けて点滴静注  あるいは,1)ないし2)の常用量(1g/日)に3),4)のいずれかを併用する. 3)ペントシリン 注 1日3-4g 3-4回に分けて点滴静注 4)ダラシンS 注 1日1,200mg 2回に分けて点滴静注 ■まとめ ・壊死性筋膜炎は浅筋膜壊死がその本態 ・局所の疼痛・紅斑・腫脹が水疱(血疱)・紫斑・壊死になり、急速に広がる ・治療は外科的デブリードマンが基本 ・抗生剤選択:G染色でG+連鎖球菌→PC系抗菌薬,そうでなければ広域スペクトルの抗菌薬

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