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カテゴリ:■形成外科・手外科
屈筋腱縫合後の後療法 "固定法"と"早期運動療法"
■屈筋腱縫合後の後療法は大別すると (1) 3週固定法 (2) 早期運動療法 の2つに分けられる。 【1】固定法 ■固定法の適応(最近で下記の症例でも早期を選択する傾向にある) ・骨折合併例→強固な骨接合ができれば早期も可 ・皮膚軟部組織損傷を伴う高度挫滅例 ・陳旧例 ・乳幼児・高齢者 ■固定法の肢位 ・手関節掌屈 ・MP屈曲位 ・IP伸展位 ■固定法の期間 ・3~4週 【2】早期運動療法 ■Kleinert法 ・rubber band traction (RBT)を利用して患指を他動屈曲し 背側シーネ装着によって伸展制限下に自動伸展させる ・術後3週間 ・IP関節の屈曲拘縮を来しやすいという問題点がある ■Duran法 ・上記の欠点を補う方法として開発された ・RBT装着下にてMP60°屈曲位で他動的にIP(DIP,PIP)関節を 完全伸展する (注)Duran法は現在ではあくまでもIP関節の関節拘縮を予防・解除することが目的。 もともとはFDP、FDSの両者または周囲との癒着をとり滑動を得るのが目的と言われていた。 ■併用法 ・現在では上記2法(Kleinert、Duran)を併用したリハビリが一般的 ・Duranは術後1週程度のIP関節の拘縮程度をみて判断する (個人差が大きく全く必要のない人もいれば、術後3日あたりから必要な人もいる) ■passive flexion-active hold techniqueの利用 ・他動的に最大屈曲したうえで、セラピストが手を外し、患者にその状態をkeepしてもらう ・縫合部にかかる緊張をとったうえで、他動屈曲のみでは滑走困難な"+α分"の滑走が得られる ・結果としてFDPのあと一押しの屈曲lagを予防できる ※術中に手指を他動的に最大屈曲したときと、FDP縫合部近位を牽引したときでは 腱縫合部の中枢への引き込まれ方が違う お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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