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さて、近年の当職には珍しく、最近のこちらのブログは「資格試験」に関する内容に言及してきた(明日以降はがらりとテーマを変えてみるつもりだが)。実は昨日、一昨日ともに、極めて重要な論点に触れていなかった。それは、「資格試験にどうやって合格するか?」、ではなく、「合格した後に何をするか?」である。 実は、大手予備校のパンフレット等を見ていても、このあたりの言及は曖昧である。当職もお世話になった某大手予備校のサイトを見ても、「勉強できる環境が整備されている」だとか、「合格実績が確かだ」とか、そういう「合格するための条件」については様々な内容に言及があるものの、肝心の「合格してからどのようなキャリアを歩むか」については殆ど言及がない。 (ちなみに、この某大手予備校、公認会計士試験の合格実績を公表するに当たり、「2010年度の全国●●グループ公認会計士コースで合格に必要な科目(科目合格者(注)の場合は残り科目)の講義等をすべて受講して最終合格された方をいいます」と明記しており、大手予備校の中では比較的良心的と言えるだろう。当職がこの講座を利用したのはもう10年以上前だが、そのときに学んだ知識は、実は今でも役立っている。) ところで、資格予備校が「資格に受かった後」についてあまり言及しないのには理由がある。それは、キャリアそのものを拓いていくのは自分自身だからだ。ただ、このことをきちんと認識しておかないと大変なことが発生する。 当職は予備校時代、年齢も学年も当職よりも上の人と知り合った(仮にAさんとする)。Aさんは当職が資格試験の勉強を始めた時点で、既に3年間、勉強を続けていたそうだ。それから1年後、当職の方がAさんよりも先に受かってしまっい、結局Aさんが合格したのはそれから2年後だった。ということは、Aさんは公認会計士二次試験の勉強に6年間(3年+1年+2年)費やしたことになる。それでもAさんが合格した年度は、まだ会計士補に対する需要が非常に強く、当時社会人経験がなく30歳直前だったAさんでも、当時の某大手監査法人に就職できたのだ。 ただ、このAさん、試験に受かった時点で既に燃え尽きてしまっており、実務でも殆ど使い物にならなかったのだそうな。就職直後のAさんからは、監査上の判断に関する相談を頻繁に電話で受けたが、実務の世界では資格試験の世界と異なり、明確な答えがないケースが多い。安直な答えを求めるAさんに対し当職は「個別具体的な事例により回答は異なる」と述べるに留まっていたが、Aさんとしてはそれが不満らしく、業務上の相談はあまり来なくなった(というか、来ても答えられないよ!!)。 その後、Aさんから度々「転職しました」という葉書を頂いたが、順調にキャリア・ダウンを繰り返しているようだ。数年前には、「今度の転職先は今流行のJ-SOXのコンサルティング会社です」と書かれていたが、そのうち「今度の転職先は今流行のIFRS支援コンサルティング会社です」とかいう手紙が来そうで、怖い。 ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ 梅森浩一さんの著書に「転職したいヤツに欲しい人材はいない」(残念ながらアマゾンの評価は星三つだが)という本がある。この本の内容はともかくとして、実務上の感覚から言えば、この書籍のタイトルには非常に共感できる。というのも、転職したがっている人には一定の傾向があるからだ。それは、 真 摯 さ の 欠 如 である。現在与えられている環境に対し不満を言うことは誰にでも出来る。しかし、自分が与えられた環境の中でベストを尽くそうという人は、意外と少ない。いかに能力があろうが、いかに才能があろうが、真摯さが欠如した人に、組織は多くを期待しようとしない。 「今の会社がつまらないから資格でも取ってキャリアアップを図りたい」とか考えている人は、もう一度、本当に自分が真摯に会社に尽くしているか、考え直すことをお奨めしたい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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