食育普及へ店頭作戦10月12日(木) 読売新聞より抜粋健康のため、何をどれだけ食べたらいいかを大まかに示した「食事バランスガイド」を普及させようと、コンビニやスーパー、ファストフード店などがアイデアを競っている。店内で管理栄養士が相談に乗ったり、偏りのない献立例を実演したり。“大人の食育”になるか、と期待されている。 コンビニチェーンのナチュラルローソンは11月中旬から12月上旬まで、東京都内の4店舗「食事バランスガイド」を用いた食生活の「改善作戦」に乗り出す。主なターゲットは、20~30歳代の一人暮らしの社会人だ。 取り組み期間中、栄養学を学ぶ学生の協力を得て、バランスの良いメニューを提案、レジの前に弁当やおにぎり、総菜を並べる。「新川1丁目店」では、管理栄養士による「食生活・栄養相談コーナー」も設ける予定だ。 広報担当部長の半田滋さんは「どこにでもあり、入店しやすいコンビニが、皆さんの健康づくりを支援するのは当然のこと。取り組み期間後も、管理栄養士の資格を持つ社員を研修して、相談コーナーを他店に広げたい」と話す。 スーパーのマルエツは9月から、首都圏5店舗の調理実演コーナーで、食事バランスガイドを用いた啓発活動を行っている。 例えば、サバの南蛮漬けの調理を実演する場合、ご飯、ホウレンソウのゴマあえ、キノコのみそ汁もお盆に乗せ、「主食」「副菜」「主菜」がバランス良く取れる献立を紹介している。イオンや東急ストアも今月中旬から一部店舗で同様の活動を始める。 総菜店「アール・エフ・ワン」などを展開するロック・フィールドは9月から都内5店舗で、食生活で不足しがちな野菜やヒジキ、煮物などを食べるよう勧めている。値札には「副菜」であることを表示し、研修を受けた店員が副菜の必要性を呼びかける。 「モスフードサービス」は、今月オープンした子ども向け職業体験テーマパーク「キッザニア」内にあるハンバーガー店で、ガイドのイラストを印刷した紙製の帽子をプレゼント、親子へのPRを図る。 食事バランスガイドは、国が昨年6月に発表したが一般にはあまり浸透していないとの指摘がある。そのため農林水産省の外郭団体「食品産業センター」がコンビニやスーパーに対し、ガイドを知ってもらうためのモデル事業を提案した。 女子栄養大学教授の武見ゆかりさん(食生能学)は「コンビニやファストフード店」で食べ物を購入する若者や単身者が増えているように見える。栄養バランスに関心の薄い人たちにも、食の正しい情報を届けようとする試みは意義がある」と話す。 |