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テーマ:小説かいてみませんか(122)
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とびきりすっぱい柑橘を思うだけで、顎がきしむ。 わたしにはもうひとつ顎がきしむモノがある。 彼を思うと顎がきしむ。 あごの奥からきゅうと唾液がでてきて、首のリンパ腺が腫れてしまいそう。 運動でついたがっしりとした首の筋肉から流れるように肩、腕、手首、指先。 いちいち、わたしの条件反射を催させる。 でも、わたしは彼には触れない。 触れることができない。 きっと触れたら、顎がぎしぎしいって、眉をしかめて、唇をすぼめて、嫌がっているような表情になってしまうだろう。 愛しい。 その感情が、酸味とにていることを知ったのは、つい最近。 男が甘酸っぱいお年頃だったのは、ずいぶん前。 私の男は、柑橘にも似た酸味を思い出させる風情なのだ。 私は、困っている。 いつもこの男にかじりつきたい。 顎をきゅうきゅうさせながら、かじりつきたい。 でも、いつものように私は男には触れずに、甘酸っぱい女の子を装って微笑む。 ・・・・・・・・・・・ また、すこし短編を書いてみようと思います。 今度は、身体の働きに焦点をあてて、切なくしてみたいです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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