276165 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

考古ログ

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
2006.07.08
XML
カテゴリ:日記
 最近、数年ぶりに釣りにはまっている。仕事が終わってから釣りに行くということもしばしばである。おかげで写植の一部を直せば提出できる論文を3ヶ月も放ったままである。
 私がやっているのは、もっぱらブラックバスのルアーフィッシングである。中学生の頃は学校をサボって釣りに行くこともしばしばで、担任に「おまえは水産高校に行け!」とまで言われたくらいである。
 ルアーフィッシングは、カジュアルでスポーティな印象を持たれているようで、芸能人にも愛好家は多いようである。最近では、女性も楽しめるように女性もののウェアーもあるし、ルアーも可愛さ重視のものもある。釣り雑誌にも女性が釣りをしている写真がここかしこに散りばめられている。また、大きな釣り場ではトイレなんかも整備されていて、女性も楽しめるようになっている。
 
 ただ現実はそんなにカジュアルでスポーティなものではない。私は初めての人にルアーフィッシングに誘うことは滅多にない。先日も同じことをテレビで言っていた芸能人がいたが、同感である。釣りというと、糸をたらして一日のんびり過ごす、といったイメージをもっている人が多いが、ルアーフィッシングはまったくそんなことはない。たえず竿とリールを動かしていなくてはならないし、ボートを使わなければずっと歩き回らなくてはならない。とにかく体力勝負の釣りなのである。しかも実際には魚がかかっている時間よりも魚がかかっていない時間の方がはるかに長い。テレビでは釣れているところしか映さないから、多くの人はずっと魚が釣れているものだと勘違いするらしい。だいたいの人が一回行ってもうコリゴリというぐあいになる。だから、やってみない?、などと言って誘うことは無い。雑誌やテレビから伝えられるイメージとは大きく異なって、実際の釣りはかなり泥(魚)くさい。
 なんだか考古学と似ている。一般の多くの人が、発掘すると必ず何か大発見があって、考古学者は戦わないまでも何か大発見をしてご飯を食べていると思っている。ちなみにうちの両親は、私が発掘したものを売って生活していると思っている(最近ではあまり笑えない話だが)。そこまでではなくても初めて発掘に参加した人は、廃土運びや土のう作りなど意外に地味な作業に驚くようである。考古学も一般的に持たれているイメージとは大きく異なるようである。

 にもかかわらずルアーフィッシング愛好者は非常に多い。趣味として確固たる地位を築いている。女性のファンを増やそうという工夫も積極的になされ、最近では実際に釣り場で女性をみることもある。ファン層は非常に広くなった。市場規模も大きい。
 また愛好者の意識も高い(人もいる)。外来魚のブラックバスにもたれるマイナスイメージは、それを釣る釣り人にも抱かれることが多い(釣り人が放流したことによって各地に広まったと一般的には認識されているが、実際にはそればかりではない。そうしておいた方が都合のいい所があるからなのだが、それは置いておく)。そのようなマイナスイメージもあって釣り場の清掃活動なんかをやっている所があるが、そういうことにボランティアで参加する釣り人は少なくない。趣味ではあっても非常に意識が高い(人がいる)。
 一方の考古学はどうであろうか。確かに考古学に興味を持って趣味として活動している人は少なくない。ただそのような人に向けたコンテンツを用意したり、裾野を広げるような活動は十分だろうか。
 また釣具屋には集まって歓談できるようなスペースを設けている所もある。そういった所で情報交換をしたり、仲間を増やしたりする。考古学にはそういったスペースは確保されているだろうか。さらにパスフィッシングにはプロもいてバスプロと呼ばれている。結構有名な人もいて、単にトーナメントでいい成績をとるだけでなく、テレビ出演や執筆活動なんかを通じてバスフィッシング界の全体的な底上げに貢献している。バスプロに対して敬意と憧れを抱いている愛好家は多い。ただしそれは非常に狭き門で、考古学プロパーになることよりもはるかに難しい。バスプロならぬ考古学プロはどうだろうか。数ばかり多いと言われやしないだろうか、自分自身ヒヤヒヤする。

 趣味「釣り」と書く人は多いが、趣味「考古学」と書く人はどれだけいるだろうか。その違いは、それぞれの根本的な性質差ではなく、それを取り巻く環境の違いによるものなのではないだろうか。まだまだやっていないことは多く残っている。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2006.07.09 00:55:27
[日記] カテゴリの最新記事


PR

カレンダー

プロフィール

あつし0401

あつし0401

カテゴリ

コメント新着

 Ishimaru@ ありがとうございます 報告会は仕事で行けませんでした。失礼致…

キーワードサーチ

▼キーワード検索


© Rakuten Group, Inc.