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取引先訪問

Sep 8, 2006
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カテゴリ:取引先訪問
浅草の雷門に程近いところ、浅草公会堂近くに老舗のカツラ製造

メーカーがあります。

ワケあって7年ほど前にお付き合いすることになり、

古くなったミシンを新しくするということで納品しました。

今回このブログに紹介したくて取材してきました。


カツラとミシンが結びつかない人が多いと思いますが、

私もカツラ製作の作業を初めて見たときは驚きました。

いったい誰がこんな製造方法を考えたものか?と‥

人毛や化繊のバラバラな毛の真ん中を二本針ミシンで縫うの

ですが、上糸と下糸で編んでいくような、ちょうどスダレに

する感じでしょうか?横に引っ張れば抜けてしまうのですが

熟練の職業婦人の絶妙な手さばきで均等な密度で薄くミシンに送り込んで

その毛のスダレができていきます。

ロックミシンみたいな2重環縫いというミシンだとカラカンといって

縫製物がないところでも糸だけが絡んでいくのですが、

使っているミシンは本縫いの2本針だということがすごいのです。

本縫いミシンは縫製物が無いと糸だけを絡めていくのは

非常に難しい事なのです。髪の毛なんて有るのか無いのかスカスカの

状態なのに、これが縫えるものという認識が私にはありませんでした。

ちょっと失敗すればミシンの釜に毛を引き込んでしまって

カラッマってしまったり、縫い糸が切れたりしてミシン屋から

見ればあまりに無謀な作業なのです。そこで一定したテンションで

先の方へ縫った糸を引っ張るためにミシンに連動した大きな

ゴムローラーがテーブルの先に付いています。

昔、初めて設備した時の苦労の跡がわかります。

さて、スダレにした毛をこんどは半分に折り、これまた

絶妙にオフセットした2連のミシンで連続巻き縫いをします。

すると出来上がったものは毛のノレンのようになっています。

4本の縫い糸で毛を絡めてあるのでかなりしっかりしていて

引っ張っても抜けません。

こうして出来た毛のノレンをポストミシンで頭の形のカツラの土台へ

ビッシリ縫い付けていくとカツラになるのです。

この頭の形のような立体縫製物に威力を発揮するのが現在靴用として

多く使われるポストミシンなのです。

ただ、生え際などは一本づつ手作業で刺して自然な感じを出さなければならず

ミシン以外のところに多くの手間が費やされているようです。

おそらく昔はすべて手作業でおこなっていたカツラ作りを

何とか機械化して、効率よく生産するために当時の作業者とミシン屋さんが

試行錯誤で現在の技法になったのではないかと思うのです。

何とかしようという先人の知恵と情熱にただただ感服するのでした。

















Last updated  Sep 9, 2006 01:47:04 AM
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Aug 1, 2006
カテゴリ:取引先訪問
京の北区東十条に昭和8年創業という老舗の帽子工場が

あります。私の会社との取引は極最近なんですが、

古くからのたたずまいが今では貴重な存在といえるので

是非このブログで紹介させて下さいと社長にお願いしました。

工場の敷地に入るとブドウ棚などあってなかなかの風情を

かもし出しています。窓越しにミシンがけの、いかにも

ベテランという感じの婦人がセイコーの17種ミシンで

黙々と帽子の縁取りをしています。

工場内に入ると堅牢な感じの木造で

井が高くなっています。こんな光景を私は子供のころ

住んでいた浅草の銭湯で見たような気がしてます。

帽子特有の整形をするのに蒸気を使うからなのでしょうか、

永い年月を経ても柱などは艶っぽく感じられます。

今は主に幼稚園帽を多く製造しているようですが、

おしゃれな婦人帽子やハンチングなど様々手がけています。

珍しいところではディズニーランド内で働く人たちの

夢のある帽子たちも多数ここで作られているとの事でした。

靴もそうですが、帽子製造というのも昔から夢のある

仕事ではないかと思うのです。素敵な帽子、あるいは

被っている人を見るとハッピーになるものです。

ミシン屋の目線でみても、古い工場にある機械は興味あるもの

が多いのですが、昔、必要に迫られて特注で作ってもらった

という機械が今でもたくさん現役であります。

これらの機械やミシンはこの工場でのみ、存在意義がある

ので、それこそこの工場のノウハウというものなのでしょう。

よそに行けば鉄くずになりかねないのですが‥。

機械達のためにもこの工場が末永く頑張って欲しいと念願

してやみません。幸いこの会社には思ったより多く

若い世代の人達が働いています。技術や機械が伝承され

また新しい創造へと繋がるように私たちも協力したいと

思います。

興味があれば工場見学させてくれるそうですから問い合わせ

てみて下さい。
















Last updated  Aug 2, 2006 01:07:25 AM
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Mar 13, 2006
カテゴリ:取引先訪問
珍しいお客さんのところに修理に行ってきました。

乗馬靴を専門に製造しているところです。

私は仕事柄いろいろな靴を見ていますが、乗馬靴をしみじみと見せて

もらったのは今回が始めてでした。特徴はというと…

ひざ下までのロングブーツでもちろんファスナーや靴紐などありません。

馬に乗ったときの姿勢に合わせているので平地に立つと前傾していて

ひざの裏部分はきれいなカーブカットで縁を手縫いの太糸で仕上げています。

底の製造はグットイヤー製法でカカトには減りを防ぐための金具が打ち込まれ

ています。さらに拍車を留める拍車留めも手縫いで固定されていました。

簡単に履けない替わりに簡単に脱げない造りでありながら、履いているときは

靴の中で絶妙な遊びがある。オーダーの乗馬靴は20年から直しながら

履きつづけるそうです。非常に特殊で実用的でありながらとても芸術的な靴

だと感動しました。
jouba 
jouba3







Last updated  Mar 13, 2006 05:52:56 PM
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Oct 31, 2005
カテゴリ:取引先訪問
八方2

八方ミシン… その名のとおり品物の向きを変えず四方八方に縫えるミシンです。

普通のミシンは手前から奥に向かって縫製してゆくものがほとんどで、

自動缶止めや電子パターン縫いは別として特殊なものでも一方向に向かってしか

縫っていけないものなのです。

仕組みは針棒の中心に上糸が通ってきて針の周りを送り足が自由に回転できる

ようになっているので糸が絡まることなく縫製できるというもの。

送りは上側で引っかくように送りますので下糸の周りに送り機構がなく

靴先のような狭いところに差し込んで縫製できるよう針穴部分が細くなっています。

現在の主な用途は靴修理やスリッパの縫製、武道具、ハンティングハットなどに

使われています。

靴修理というのは底が付いて出来上がってしまった靴のつま先あたりの補強や

ユーザーが履いていたもののホツレや破けなどの補修をいいます。

手回しや足踏みなどで使われ下糸ボビンも小さく生産性は悪いのですが

狭いところを縫う事に関してこれ以上のミシンは存在しないのです。

八方1

この画期的なミシンのルーツはドイツと言われています。

ドイツ八方と言われ、現在日本を始め世界で流通しているタイプの

シンガー八方タイプとは若干構造が異なります。

ドイツ八方1

                  ドイツ八方2
                      写真提供 八方ミシン工業                

上の写真は100年くらいは昔のドイツ八方ミシンではないかと思われますが

幾何学的模様を全面に凝らした骨董的価値の品物です。

アメリカ製のシンガー八方が日本に来たのはやはり敗戦後で、それまでは

国内でもドイツ八方が主流だったようです。


そういえば今はもう亡くなりましたが私の知人の老靴職人は、銃弾飛び交う戦場を

八方ミシンを背負いながら軍靴の修理をして回った。などと

回想していたことを思い出します。


戦争中はドイツや欧州からの輸入もままならない状況であった為か、三菱や

ブラザーなどの国内メーカーでもドイツ八方を真似て製造していたようです。

日本のミシンメーカーのほとんどが戦中は軍需工場であったのですが、

戦後の平和産業の旗手としてミシンメーカーに転身し、数多く興隆していった

のであります。

ただ、あまりにも特殊で非効率的なミシンであった八方ミシンは時代とともに

各メーカーのラインナップから外れていき、本家シンガーすらもやめてしまいました。

その中で、戦後からシンガー八方タイプのミシンを修理、製造していた東京台東区の

八方ミシン工業が現在、国内、いや世界唯一の八方ミシンメーカーなのであります。

新品を注文すると3ヶ月待ちですから、ご注意を!






Last updated  Oct 31, 2005 09:04:15 PM
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