サイダーハウス・ルール★★★★★ 大好きなジョン・アーヴィングの小説を映画化したものだが、 原作は読んでないので、ちゃんと比較は出来ないけれど、 他の彼の小説に比べると、かなりまともな話、という感じがした。 是非とも観て欲しい映画なので、あらすじを詳しく書くのはやめようと思うが 胸にじ~んと来る映画である。 いろんな形の愛があるんだな、と言う事を教えてくれる。 監督は「ギルバート・グレイプ」や「ショコラ」のラッセ・ハルストレム監督で、 これまたワタシの好きな世界、気に入らないはずがない。 この映画でも彼独特の淡々とした温かさや映像の美しさを十分に 味わわせて貰った。 孤児である主人公、ホーマー(「スパイダーマン」のトビー・マグワイア)は 産婦人科医のDr,ラーチに育てられ、成長しても彼の助手として働いていた。 が、ある日、病院に中絶手術をしに来たカップル、ウォリーとキャンディ(シャーリーズ・セロン)に、 外の世界へ連れ出してくれるよう頼む。 (ギルバート・グレイプと反対で、外の世界に出てしまうのがホーマーである。^^) 運良くウォリーの実家のりんご園で働く事になったホーマーだったが そこで働きながら、いろんな経験を積んで更に成長していく・・・。 サイダーハウスとは、ここではサイダー(アップルサイダー)を 作るりんご園の事。 ここで働く従業者の部屋に「ルール」を書いた紙が貼ってある。 けれども、頭のいいホーマー以外の従業者は、字が読めないのだ。 で、ホーマーが皆に声を出して読んであげるのだが いくつかあるルールのうち、ひとつの事を解っていれば、 後のルールは必要ない、と言うようなものだった。 人生においてのルールなんて、そんなものだ。 本当に大切なものは何か、それさえ理解して生きていれば、 こと細かくルールを設ける必要なんてない。 大きく道を踏み外す事はないのだ。 そこらへんのところが、この映画のテーマなのかな?と ワタシは思ったが、実際は定かではない。(^^;) この映画で、Dr.ラーチ役のマイケル・ケインが助演男優賞を取ったらしい。 もちろん、彼の存在感、演技も良かったが、主人公のドビー・マグワイアも かなりはまり役で良かったとワタシは思う。 「スパイダーマン」でも、正義の味方でありながら、実はシャイな 普通の好青年と言う役だったが、 この映画でもとっても好青年だった。しかし、ただの好青年と言う訳ではなく 何と言うか、もっと懐の深さ、愛情の深さ、男らしさを感じたのは ジョン・アーヴィングファンのワタシが、彼の描く男性像を 理想化しすぎているからなのだろうか? 「ガープの世界」や「ホテル・ニューハンプシャー」でもそうだが どこかへんてこりんな世界に生きる青年が、ショッキングな出来事を 経験しながらも、淡々と生きていく様が、非常にワタシ好みで 大好きだったのだけれど、この「サイダーハウス・ルール」でも 主人公のホーマーが、いろんな経験の中で、自分の運命を受け入れつつ、 それでもマイペースで生きていく、そんな姿に感動した。 孤児院の子供達も皆、とても可愛かった。 里親が子供を選ぶために孤児院にやってくると、皆、自分が選ばれるように ニコニコしていい子ぶるところなんか、胸キュンモノであったが 不幸な境遇にありながらも、子供達が皆、生き生きと幸せそうに 描かれているのも、暖かい気持ちにさせられた。 りんご園で働くMr.ローズ、彼はとんでもない奴だったのだけれど あの様なひどい事をしているにも関わらず、どこか憎めない 愛に満ちた優しい男性である、と思わずにいられなかった。 彼の死に様も、あれで良かったんじゃないか、と納得。 シャーリーズ・セロン、彼女の顔があまり好きじゃないので 騒がれてるほど奇麗だと思った事はなかったが この映画ではさすがに奇麗だなあ~、と惚れ惚れした。 細くてスタイル抜群!喋り方もセクシーである。 ジャンル別一覧
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