偏頭痛、それに伴う吐き気や嘔吐で仕事を1週間休まなければならない症状が１ヶ月から２ヶ月のサイクルで起き、病院で診察してからも症状が緩和するだけで完治に至りませんでした。
サイクル自体は変わらず次第に薬の量が増え始めました。
その間、勤行唱題行はしていました。いわゆる自行です。
それだけでは効果は無いことがわかりました。
勤行唱題時に祈念することも「偏頭痛が治りますように」ではダメです。
教団の指導は人によってマチマチで、主流は「具体的に祈りなさい」とか「いつまでに達成するか期限を決めなさい」というもので、それは恐らく選挙支援など教団の活動に関することで、個人的かつ重大な悩み例えば病気に関しては全く指導はありませんでした。

法華経の教主釈尊は生老病死という人生最大の悩みに苦しむ一切衆生のために立ち上がられたわけで、老いや病気という問題は釈尊在世の時代も現代も変わりません。
うちの教団はその生老病死の問題を置きざりにして、日蓮大聖人がそうしたように権力と対峙することばかりに力を入れています。
だから会合のテーマはいつも選挙戦になります。
勤行唱題行、御書を拝する学行のような自行だけではなく、化他行をしなければ何らかの形で行き詰まります。
化他行は、折伏つまり教団への勧誘がその一つですが、例の先天性の障害で表現力が欠落した私には難行苦行でした。
折伏はおろか会合すら嫌気が差し、ひたすら自行に励むことが常でした。
その救いとなったのが、現地区幹部の提案で教団が発行する新聞の配達をしてみてはどうか、ということでした。

これは私にとって良く調合された「色も香りも味も優れた、素晴らしくよく効く薬」（法華経寿量品）になりました。
幹部や同志と顔を合わせ不得手な会話をすることなくして、教団に尽くすことができます。
配達中にすれ違う地域の人へ挨拶するという課題も私の身の丈にあったものでした。
アドラー心理学でいう「貢献感」も感じました。
自行化他における化他は利害を乗り越えて他者のために尽くすことに深い意義があり、その気持ちこそが病気を治す最も有効な薬となるのでしょう。
ただ病気を治すために化他行をすると、自分の病気を治そうという利己的な目的が先に立ちます。自分の病気の事はひとまず忘れて、まず他者のために動く、それが化他行の意味することかと…


世界の平和と一切衆生の幸福のために

南無妙法蓮華経