三節目気付くとそこは雪山の拠点だった。戻り玉?話には聞いたことがあったが、まさか本当に実在するとは。 呆気にとられて口が開いたままの俺を、エドガーが凝視しているのが分かった。 慌てて口を閉じた俺の肩に、ぽん、とサイガが手を置く。 「猟団には入ってないの?」 最近は個人でも猟団が設立できる、と聞いたことがある。 首を横に振った直後に、 「マジで!?」と大声をあげる。 「おい、聞いた!?ウチに…」 「さっそく勧誘かよ。」 水筒のホットドリンクをすすりながら、ぼそっと呟く。 小さく舌打ちをして、話を続ける。 「一応、俺とあいつで猟団を組んでんだけど…。ま、いいや、後で話そう!話すことはいっぱいあるし!」 意外におしゃべりだな~とか思いながら、歩き出すサイガについていく。 「どこに住んでんの?」 「レクセーラっす」 サイガがポーチから地図を取り出し確認すると、納得したような顔で続ける。 「行ったこと無いなぁ。」 「で猟団の話だけどぉ…」 「…」 「はいんない?ウチの…」 強い人達と狩りをするのは上達の近道だ。 本能的に、反射的に、 「是非!」 と答えていた。 |