おいしいおかしいタイな日々

Bちゃんは、私の働くお店の同じ歳のタイ人の女の子。
1日12時間、1週間のほとんどを彼女と一緒に過ごしている。
Bちゃんは太っている。でも、顔はかわいくて小池栄子にそっくり！
性格は、本当に森三中の大島そのもの。
喜怒哀楽が激しく、良い言い方をすると「素直正直」なタイ人の女の子（！？）です。


とにかく良く「イーーーヒヒヒヒヒ、イーーーヒヒヒヒヒ」と、お腹を抱えて顔を真っ赤にして1日に何回も笑う。
その声のでかい事と言ったらすさまじい。店中に響き渡る。

嫌な事とか納得できない事がある時も、フツーに素直に外に出してしまう。
都内の駅で、ホームレスとか変な人を良く見かける。
そう言う人達に彼女は良く「うるさい！」と、言われるらしい（言われてもおかしくない）。
もちろんそんな人達とも本気で喧嘩します。
満員電車の中で足を踏まれたら、迷う事なく倍の力で踏み返します。
止めてくれ・・・・。
と、お願いしても彼女のその時の感情を誰も止める事が出来ない・・・・。

おしゃべりも止まらない。って言うか止められないし。
どんなにゲストが居ても私の後を付いて回って
気の済むまで話をする。。。。一応Bちゃんも責任ある立場なんだけど・・・。

食欲は、もっと抑えられない・・・・。
今日、賄いの時間に自分で作ったラーメンのスープを一口飲んだBちゃんは「ヵはぁ・・・」どうやらご満悦
ラーメンの麺を口に入れて、まさに口から麺が伸びている瞬間、
そのままの状態で目をむき出してジダンダを踏み出した！「んぃーーーーーーっ」と言って・・・・。
美味しくてジダンダを踏んでる訳ではない様子。
麺を噛み切る時間も惜しい感じで、その後キッチンの方へ走っていった。

私と、今月で辞めてしまう日本人の店長で呆れて「今度は何だよ・・」ご飯を食べていると
ちくわが5本、そのままお皿に並べられてニコニコと微笑むBちゃんによって運ばれてきた。
しかも、そのちくわ、ほかほかと湯気が立っている。
さっき自分で買ったちくわを思い出してたまらなくなり、キッチンに走って
5本丸々レンジでチンして持って来たのだ
それを、幸せそうな顔をして「ふぅーっふぅーっふぅーっっ」てパクっと食べた。

「私は幸せだよ・・・・Bちゃん。Bちゃんが幸せで私も嬉しい。」
と本気で思ったので、そう言った。
Bちゃんは、ニヤッっと笑ってまたかぶりつく。
この瞬間、「こんな穏やかな日っていつまで続くんだろう・・・」と思う私・・・。
Bちゃんのおかげで毎日幸せです。


私達は、良くお互いの事をけなし合い、褒め合う。
お互い、どれだけ素晴らしい仕事をしているか、どれだけ太っているか、どれだけかわいいか、どれだけ性格が悪いか、どれだけ優しいか、どれだけ間抜けか。
毎日、褒めてはけなし合う毎日。
それにプラス、食欲がどれだけ似ているかも二人で真剣に話し合ったりする・・・。

「お腹いっぱいだわぁぁ～～～～。でも、まだ何か食べたい・・・・」と、私がぼやいた時、
隣に居た店長がびっくりしてのけぞった。
でもBちゃんは、「私もだよ～～～」と言った。
「ほんとに！？この気持ち、Bちゃん分かってくれる？？」
「本当に良く分かるよ。」と言ったBちゃん。
さすがBちゃん！！私は嬉しい・・・・。

私達は、こうやって毎日毎日、過ごしている。
仕事の仕方の違いでお互い戸惑う事もあるけど、いつも話し合って意見を交換して、
お互いのやり方をうまく合わせて、否定しないで話し合える関係がある。
これは、幸せな環境だな・・・・・。