いまさら給食費未納問題について
教育再生会議で、「親学」提言のきっかけのひとつとされる給食費未納問題。ヤンキー義家先生は日本全国の講演会を給食費を払わないバカ親を罵倒し続けているそうですね。 教育再生会議でも言ってるし。では、ここでおさらい。 給食費未納問題はどれほど深刻なのでしょうか?文部科学省では全国の給食を実施している小中学校に調査した結果を公表しています。「学校給食費の徴収状況に関する調査の結果について」 この調査から分かることをまとめましょう。1. 未納額割合・未納人数割合・未納額は未納額割合 0.5% (約4,212億円中約22億円) 未納児童生徒割合は 1.0% (約1,003万人中約99万人) 2. 未納の主な原因についての学校に認識を聞いたところ「保護者としてのの責任感や規範意識」 59,407人(60.0%) 「保護者の経済的な問題」 32,745人(33.1%)「その他」 (上のいずれか明確に判断できない) 6,841人(6.9%) *学校が給食費未納の原因が「保護者の責任感や規範意識」と認識したのは 1%(未納人員割合) × 60% = 0.6%3. 「初」の調査で、未納が増えたかどうかは全く不明。4. 地域格差が大きい。 沖縄の未納が突出して大きく、続いて北海道。 全体の56.4%=半数以上の学校で未納がひとりもなかった。 この文科省の調査結果に関して検証しているブログがたくさんあるので、見てください。例えば「モラルが下がって給食費未納」って「神話」じゃないの?http://ameblo.jp/hiromiyasuhara/entry-10024532104.html「『学校給食費未納問題』問題」のおさらいhttp://wind.txt-nifty.com/memo/2007/05/post_f46f.html 給食費の未納額が0.5%。 未納人員割合が1% (1年間全て払わないのではなく、一部を払わない人もいた)。 モラルの問題で給食費を払わない保護者が0.6%いました。 この0.6%を多いと思うか、少ないと思うか、人それぞれだと思います。ひとつ言えるのはテレビや新聞で取り上げられた「外車に乗って携帯電話に何万円も使う親」は、文科省の調査ではなく、マスコミのウケ狙いの特異な例です。 文科省の調査では「保護者の責任感や規範意識」の定義は明かではありません。 まあ、未納額が0.5%ですから、食材の値上がりを考えるとほとんど影響があるはずがありません。 一部の学校や地域で未納額が多いなら、モラルの問題ではなくその地域に何らかの原因があるのでしょう。 失業率や収入の低い沖縄で、給食費の未納が突出して高いのですから。99%の保護者が給食費を払い、1%の保護者が(一部でも)給食費を払わなかった。 経済的な問題で給食費を払えない子どもが3万人以上もいる。 ただし学校が保護者のモラルの問題で給食費を払わないと考えているのが、全体の0.6%いる。 でも、ヤンキー義家先生は、この状態を許せないんですね。 貧乏で給食費を払ってもらえない子どものことは、まったくスルーですね。 正義感 ぶんぶんですね。 自分が義母や先生に暴力を振るったり、ヤンキーになって回りを苦しめたことは許せても、給食費を払わない親は許せないんですね。 彼らの言い訳すら聞かず。では建設的に考えましょう。 この0.6%をゼロにしたいんですね。 講演会で給食費を払わないバカ親たたきをしているそうですが、ご自身の講演会に来て、一生懸命に学ぼうとしている親のなかに、モラルの問題で給食費を払わない人(たった0.6%のひと)がいると思いますか?いるはずがないでしょう。 だからご自身の講演会で「給食費を払わないバカ親」たたきをしても意味がないですよね。 親学を強制して、0.6%の例外の人も改心して給食費を払いますか?6ヶ月検診で嫌がる人に強制で「子守唄」を歌わせたら、給食費未納がなくなる・・・ワケないでしょ。 道徳(徳育)の授業をしたら、給食費未納がなくなりますか?モラルの問題(学校が認識する限り)で給食費を払わない人は0.6%。 これを「教育」でゼロに出来ますか? もし出来るのなら給食費に限らず犯罪もゼロに出来ますよね。 日本に限らず他国でも警察があるのですから、教育のみで犯罪ゼロにした例なんてないんです。 昔の日本では貧しかったけれど犯罪はなかった、はやめてくださいね。 法務省の犯罪統計を見てください。 または1950年に法務府人権擁護局が子どもの人身売買に行った調査で9%もの成人が「親が前借して子どもの身売り」に「悪いことではない」と答えているのですから。 http://www8.cao.go.jp/youth/suisin/ikuseikon/kondan020705/04shiryou/04shiryou2-6.pdfヤンキー義家先生、あなたがやっていることは意味がないのです。 それどころか相互憎悪を生むだけの害悪でしかありません。 義家弘介という人間は、「教育再生会議」の委員で、国に対して貧困で給食費を払えない子どものために救済措置を提言できる立場にありながら、それをしない。モラルの問題で給食費を払わない人に対しても、彼らの話さえ聞かず非難の言葉を公の場でくり返す。 一方的に他者を非難し、権力を振り回す人には、教育は語れません。