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灯台

灯台

2024年04月26日
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鏡にキスをする女


懐疑的通り越して、人間不信気味だった頃の僕は、
美味しい食事も、綺麗な服も、化粧も不要だと思っていた。
舞台設定や、装飾的な理解としてでしか、
僕はそういううすっぺらい女を理解できなかった。
衣食住は贅沢品で、余剰品で、人間より人間らしい付属物だ。
豚の皿と思っていたこともある。
僕は外面的なことに対して邪悪さのようなものを、
稚拙なことに、感じていた。
ファッション雑誌のフォントや、作りは好きでも、
モデルのプロ精神は好きでも、
それとこれとは別のように感じていた。
僕は美人がそもそも好きではなかった。
けれども郷の何とやらで、
自分の肌を綺麗にしたり、髪形を整えたり、
服装にこだわってみたりした。わかるよ、ややこしいね、
難しい性格してるだろ、
でもそうやってそこに眼で見えないものや、
耳で聞こえないもの、鼻で嗅げないもの、
感覚では理解できないものが存在する可能性を感じた、
気分、つまりフィーリングだ、別にそんなのなくたっていい、
それは嘘を始めるしかない、業を深くするかも知れない、
だけど、その小さな一歩が、様々な叡智や、真理や、箴言の、
一つになりうるかも知れない。
美しいということにもきっと理由がある、
ただ美しいなんていうのは誰にとっても失礼だ。
有象無象のワンオブゼム、空っぽを満たしたまえ。





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最終更新日  2024年04月26日 23時37分09秒


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