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灯台

2018年08月17日
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 海に来た。
 氷という文字の書かれた清涼感ある横幕。
 焼きそばとおでんとかき氷の海の家。
 そして黒猫のいる路地裏。
 柴犬を散歩させている地元の女子中学生。
 そして浮き輪をしていながら何故か沖に流される女。

   *

 こわ、こわ、こわかったよおぉぉおぉぉ、
 と号泣一歩手前の彼女。
 僕は慰めるふりをしながら、洗脳する。
 「海というのは危険だから、離れてはいけない。」
 「うん、離れない。」
 「ちゃんと腕を掴まえるんだぞ。」
 「掴まえる。」
 
 僕はその海の間、
 結構大きな胸を二の腕に感じていた。
 マシュマロ、マシュマロ、マシュマロ・・!
 それはそのような時、
 水着のようなものが邪魔だと正直言って思った。
 実用的な聴診器のような、腕は。
 またもちろん、常に傍にいる女性というのは、
 時々邪魔だと思うことはあったが、
 それはそのような時、
 日常の距離感を具体例として、
 密着ということがいかに縁遠いものであるのかを想う。
 危ないからと肩に腕をまわしても大丈夫だった。
 でもキスをすることはできないし、
 胸を揉みしだくこともできない。
 残念? そういうプレイもある・・・。
 
 いいだろうか、これが、
 水着マジックである。
 
   *

 僕は彼女に二十世紀のはじめ、
 ガラガラヘビに噛まれ、
 てんかんの発作がおさまった人がいた、という話をした。
 医者はすぐにその毒を治療用に使用した。
 でも効果はなかった。
 二十年も経つと、誰も使わなくなった。
 
   * 
 
 彼女は僕の顔を見ていた。
 僕は散歩が終わったあとに、
 御飯まだかなと思う柴犬のように、
 澄ました顔をしていた。
 でもよく見れば鼻のあたりでそのことがわかる。
 地元の女子中学生は、柴犬好きだと僕は思った。
 ゴールデンレトリバーでも、チワワでも駄目なのだ。
 犬は好きだけど、彼女は柴犬が好きなのだ。
 そしてそれは柴犬好きという属性なのである。
 電線と入道雲、海と堤防。
 人本当に住んでいるかわからない廃屋風の人家。
 そして突如出現した大きな蟹の生息する舟。
 そんなとある海でメロンクリームソーダを愛する僕。
 メロンクリームソーダの僕と彼女。
 メロンクリームソーダの僕と彼女。
 
   *

 体温計の目盛が上がった。
 人がまばらになった夕方の海に僕と彼女はいた。
 そして彼女が西瓜のタネを吹き矢みたいに飛ばす顔ををしながら、
 「きれいね。」と言う。
 
 僕はクリーム色の乳 房のことを考えていた。
 なんだったら僕はチョコレート色の乳 房のことを考えていた。
 そしてニイニイゼミとかいう蝉のようなやつが、
 関東平野の北部で六月末から鳴きはじめることを思った。 
 僕は檻の中のチンパンジーのように、
 IQが高いのか低いのかわからない顔をしていた。

 「きょ、きょ、きょうは、たす、たす、たすけてくれて・・・」
 どもりはじめる女と、夜の近付く海、風流だ。
 プテラノドンの飛翔だって可能にする。
 ムラカミハルキとかいうポルノ作家がヴァギナというようなものだ。
 もちろんそこには一切の現実的属性はない、妄想である。
 「あ、あり、あり、あり・・・」
 僕は、柴犬のような澄ました顔をしながら、肩に腕をまわした。
 そしておもわせぶりに、唇に人差し指をあてる。
 そのとき、多くの男子中学生たちが、木乃伊の粉になる。
 
 いいだろうか、これが、
 水着マジックである。

   *

 波の打ち寄せ際に、
 四六日間で地球を一周するアホウドリが浮かんでいる。
 野菜のかぼちゃとニンジンのようなものが浮かんでいる。
 海の沖で、533mm魚雷発射管から射出されるVA-111 シクヴァル。
 ローマ―帝国のシーザーのふりした僕がその沖で溺れている。
 その昔、脳は知的活動の中心だと考えた人はいたが、
 アリストテレス氏が反対して、中断に入った。
 頭は血液を冷やす部分だという説が、主流になった。

 電車で帰りたいのだけれど、僕は財布をなくしてしまった。
 彼女は僕を置いていけないと嘘でもやさしく言ってくれた。
 数時間後、彼女の母親が連合艦隊を連れて、
 僕と彼女を迎えに来てくれた。
 
 いいだろうか、
 しつこいようであるが、これが、
 水着マジックである。






最終更新日  2018年08月17日 00時37分44秒
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