1979609 ランダム
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灯台

灯台

最後の夜明け 1

URL(http://www.yunphoto.net )


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川を渡ってきたのか

(野の道をどこまで行けるのか、)

自分の露わな生の上にじかに据えられる

像を台座に据えるように、君は冷徹な眼で、

呼んでみる――夜の空に等しいものを・・


   揺れるアングルの中を、

     さあ、  もう、その記憶が

      さあ、     複層のなかの、記憶(に、)

     に続く――脈、黴と混じり、錆と混じり・・

                       花のイマアァジュ・・・


     祝福された 街が あるって

    信じていた ことも あるんだ

  疑わずに いることは 優しいよって ・・


「自分だけが恋い慕って過ぎた、

月日はもう取り戻せないのだなあ・・

(仰いで大空に見入る時、時はあまりに頼りない、

何も覚えていないような気がして、いま、

生まれ落ちたのと一切変わらない気がして、)

いつも吹く夕暮れの風だが、
とま
苫には思い思いの嘆きが絡まっている――」


            うず高く石の積まれゆく中で

           うすっぺらいせなかをまるめて
   
             心をそのまま空っぽにして

              来たるべきものの間近に

              泥のような智慧の深淵・・


 (雷光が一閃 鋭く走りぬけてゆく

    ――プールから上がったばかりの 濡れた黒髪――

   ――雨をみなぎらせる、永遠の幸福への怒りを感ずる――

バターや塩とも思えたが

落葉樹が新緑の枝葉を交差し

土塊から土偶がうまれたように

愚かでやかましい言葉が消えていく

見る間に 砂 

吹上げられきて

精霊も生まれ続けた・・

  際限ない狂乱を緻密で弾力的な薄荷の香が泳ぐ

  されど おぼつかない このほの暗い闇の胎内で

  魔法は! 湿潤する浄い飾らぬ姿のなかに生まれ

  かの空想上の生物たちも
               しづえ
  水に溶ける尖った木々の下枝

  非常に高いところで儒艮の鰭となるほどに

    ・・・雑草生い茂り、昆虫類が戯れる。

夜は鎖かたびら荒野に号泣する

ああ 闇の中で置き去りになった

とめがねの間から血がにじみ出・・

めざとい星々を! みな墜落させるほどに

 心はゆたかな彫像となった

 胸におそろしい傷跡を残しながら


おさない時の友人が、(言う)――《云う》

「岸に寄せる波の景色は昔どおりで変わることはない、

・・・なのに、いまは、茨や蔓に埋もれて・・・火が点く、火が・・・」
おのうえ
尾上の鐘が鳴り響き、永遠につづくかに思われた韻は、

とことはに・・・とことはに・・・―――


   空のおもては、

     発熱、  ただ、人の染色体のように

       未知、    ――時・・

      狂気、     人の裸の、記憶(に、)

        手、の            手、絵(の、)

     に続く――赤ん坊、女、殻・・

                       閉じてゆく莟・・・


     ――広い通りでさ

    ただ青空 あってさ

  軋みの音が日ごとする国には


    (もう言葉が続かない――言葉が続かない・・

       ――波型のことばは、なぎさになり、また、さなぎになった――

刹那 しずかにその中を

時空に沿った影・・

歳月の火照りの中でいつしか眠り

森は腐らず 錆びていった
 
  ・・・鳥獣の糞――牛馬の糞・・

 この不合理がヴァイオリンの韻律に思えるほどに、生態系(は、)

 天女の器官にでもなった悟りと結実する

はてその苦しみに窶れはてる僕は
              かぶと
ひたすらに遠ざかってゆく兜蟲の気配を感じた

 彼が僕であったのか それとも彼が何者かであったのかは

 もはや僕に知ることはできない

 ただ ことごとく赤い不思議な春の桜が

 いつまでも ちらちらと 燃えていた

   何が――《捕れ》・・(る)――のか・・

   何が――《撮れ》・・(る)――のか・・


「あられもない――土嚢が橋の傍に置かれ、

ふるい家屋の電信柱にはペットボトルの水が置かれ、

自分だけが変わらない・・・変わらないような気がして辛かった」

    無力さ――非力さ――叶えられない感情に・・

  とうめいな悲しみに浸りながら・・

  酢の物の酢、でんがくの味噌・・・

「――いまでも、詩の向こう側へ行くと、

ぼんやりと考えることがある。

一体何を探して、

僕はこんなことをしてるんだろうかって。」


   あわびやさざえ、

     発熱、  ただ(の、)PinkBlue

          ・・・・・・・・・蛇口・・・・・・を・・・捻り・・・・・・・・・

          ・・・なまず・・・・・・うなぎ・・・・・・どじょう・・・・・・・・

       枕と、    ――幼児・・

      企業と、     家庭、記憶(に、)

          ・・・・・・鳥が・・・羽ばたいて・・・・・・・・・・・・・・・

          ・・・鳥は・・・・・・もういなくて・・・・・・・・・

        利益、の            利害、絵(の、)

     に続く――願いなのに、(の、)・・《に》――

                       擦り切れてゆく真実・・・


     しかし それに従う 僕には

    信じられないことかな

  安っぽかった かな ・・


    (枕木はいらない――鉄のレールはいらない・・

       ――でも、割れるまで風船は膨らんでいき――

縁なき恥ずべき装いで僕を満たした

日幾度か

おのずから誘い込まれる

落葉 枯枝 藁屑

あまりに光に近いがゆえに裸となった

(その時 冬の氷る音を聞いたのは気のせいか・・)

どこからか祈りの声がきこえ、

いくつもの不思議な切なさで僕を満たした――

段々畑に 千仭の谷も凍りつくほどに

(崩壊のわずかなさき・・)

かすかに軽やかな鎖の音が聞こえたのは

気のせいか

宙吊りのままの生の過剰のせいか

       ・・・・・・何も要らなくなっていた

      ・・・・・・何も欲しくなっていた

「まどかなるままに、澄みわたる月。

そは――カルデラ湖! アムウゥルの川!

朝がくれば、松や柏で茂ったここにも、

あたらしい陽が射す・・・それを忘れてしまった自分だけが、

そうだ――きっと、自分だけが・・

昔より恋しく思える、わかってはもらえない悲しい嘆きの

鹿の声・・・黄泉よりこそ参りたれ・・・

参りたれ・・・―――」

  木にも石にも濃密な・・朽ちながらにして生まれる色・・・

  不調和な醜悪に、都会のスフイィンクスに反発する!

    嵐のあとのように――身体から昇華してゆく・・

  スクリイィンはでたらめに勿忘草を映した

  みずみずしい精気をみなぎらせ、吹きすぎてゆく時の、

  あの素朴な眼が子供じみた放埓さと、純粋さと、あわい面差し・・

  ――まるで、失なわれた仏の心と思えるほどに

    ・・・雲は流れ、帯のように細くなり、眼となり、いつしか煙のように消え

「それにしても、文明というものを、

この頃、本当によく考える。

文明とは、明るいもので、明るいのが都市で、

でもその分、極端に暗い感情が生まれる。

そのために、透明なかなしみが必要なんだ。

ありえないくらい、人を励ます前向きなものが必要なんだ。

技術においても、感性においても、

もっと人の心に強く訴えかけるものが必要なんだ。」

  僕は・・変わらなければ――いけなかった・・・

  でも何故?・・彼等は何もしないのに・・・・・・


   フイィドバッグする、

     模様、  いのち(の、)――《この、》いとなみ・・

            ビルが建つ前の、    剥き出しになった土くれの、

          ・・・・・・・・・なまあたたかな・・・・・・た・・・まご・・・・・・・・・

          ・・・こおろぎ・・・・・・きりぎりす・・・・・・すずむし・・・・・・・・

       風は、    ――犬の舌に捲れ・・

      糸は、     滑り込むようにあらわれ(れ、)

            小さな風の、      読まれえない住居跡の、

          ・・・・・・冷気が・・・粗い飛沫をあげる・・・・・・・・・・・・・・・

          ・・・答えは・・・・・・もう見つからない・・・・・・・・・

        根、の            器官、絵(の、)

     に続く――熱はよじれてゆく、(ゆ、)・・《く》――

                       めくるめく剥落・・・


     でも 声が したんだ

    真夜中の 部屋にね ・・

  ――そして あの時も


    (ぐるぐるとまわる、輪廻――内側へ幾度もまわり込み・・

       ――ねじれながら、絡み合う、絶対矛盾的自己同一(の、)――

、、、、、、、
日輪がのぼれば たちどころに

  人の背中を見る――たとえそれが電信柱でも・・

寝たままの魅惑的なありさまとなる

(街角で会う飾らない犬の顔付き でも――)

 予言者よ しかし傲慢な言葉は退屈だ

 縁もゆかりもない存在に隠れる術を身につけよ

ああ 蝿や蛾のように 固有名の野外劇

脆いのをお望みなんですね?・・と おどければ

  無限の科目――無限の寡黙・・

「たぶん・・」と言えば

誰一人として連帯する羊

狭小、野卑の悪感!・・

(山羊の多肢――山羊の多死・・)

 黙せる者は眠れる夢の痕跡のように

 また老いさらばえた狡獪な! 

 くだらぬ誹謗の棘と思われ

  ――大きな痣という粒子の銀河・・
 
  ――太古の闇の密としたフィルム・・

    言葉ではなく――感情の虚無に触れ・・
、、、、、、、、、、、、、、
間抜け面をする無に等しい大衆

たゆとう波のトウゥキング・ヴィデオ

ざわめいている風のしらべが揺籃を探る、

灌木の茂み――耳の未現像・・

  美と不可知の力-鏡の如き一切の内部的な顕れ・・

 忘我の境に 流砂のふきだまりがある

 この乾燥する音楽は理性のひと言ひと言をつくる

  まだ大丈夫?・・・それとも、ここで終わり?・・

    ここで終わ――る・・それとも、まだ続ける?・・・

「心の中で思っていても言い出せずに、

岩石の如く、年を経て、

ダイアモンドのように磨かれていることを信じた・・・」

  あの日の、あの時の、あの感情・・

(そのとき聴こえてくるのは、機械主義、強権主義、

過去からの人間の声・・・・・・)

「しかしよく見れば摧かれたメタル状の破片ばかりが、
       くら
闇の冥さ、この鬱さを、くぐって、

はてしなく沈んでゆく・・・・・・」
      
(自分の眸さえも、きらめく焔の中で、

ちりぢりになる・・自分のふかい愁しみだけが、

おお、愁しい・・・―――)

  語らずにはいられない――

  でも、呻かずにもいられない・・・・・・


   ひとりきれいにすませて、

     溺れる、  詩(の、)――《死の、》浸り・・

          時を超えて、とどいてくる

            ほんのりと甘い芯が、    未解決の露出、

          ・・・・・・・・・ばらばらの・・・・・・か・・・らだ・・・・・・・・・

          ・・・こころ・・・・・・たましひは・・・・・・もゑ・・・・・・・・

       情報は、    ――コンパスの脚・・

      鉱物は、     到るところに隠され――(れ、)・・

            隔てられた、      神仏のはからい、

          ・・・・・・お前は・・・途切れることのない言葉・・・・・・・・・・・・・・・

          ・・・お前は・・・・・・眠る俺にさゝやく・・・・・・・・・

            生きものとしての、  (の、)盛り・・

            細い根の先からの   (の、)腐り・・・

        異次元、の            多層、絵(の、)

     に続く――迅く血の滴、(ず、)・・《く》――

                       残された音符・・・


     でも 声が したんだ

    彼女の 声が ・・

  確かに 思い込み ・・・


    (残響的、焦慮――蟻の、アルファ・・

       ――組み合わせる、『動』と・・「静」(と、)――


でも陽の脚がのびれば消えるだろう

自然のもつ毒――この 撓ひを見れば・・

ひややかに周りを見渡したまえ

(再生にばらまかれる青い種子、)

青いリボンのように

水平線のかなたで痛覚を失った茶番だ、風刺だ、

枝分かれしてゆく、遠近法という名の視点、

ルウゥビック・キュウゥブ

 歌の反響だけがこの地上にとどまっている・・

 年月は過ぎ去った!・・恋は? 愛は!

去ってゆかねばならなかった半身よ

いま僕という犬がその心性を嗅ぐ

  心証・・・心象・・・・・・

「網を引く音がきこえるが――

どうせ、泡をつかむ音、

空ゆく雲のように、いつまでも若々しく、

長寿の樹のようでいたいが・・

いずれは生き長らえているといわれ、

あの詩人も年老いた、耄碌したと

ちやほやしてくれる声のかげで・・・

自分を――我を、笑うに違いない・・・・・・」
                  きざはし
 魑魅魍魎の巣くう このあやうい断崖で
 、、、、、、、
 クリムトの接吻――

 あなたを愛しておりました! 心の底から

 わびしくもうら悲しい 心病む時でさえ

  ・・・人にはわからない、わからない悲しみを癒す、

「昔からの友よ、わたしの愛する友よ・・・

何故、君は死ぬ・・・―――

わたしがこれほどまでに、

おまえの亡骸を抱き緊めているのに、

わたしが、おまえの頬に接吻をしているのに、

何故、目を開けない

蒼ざめ歯を剥け、同性愛者かと軽口をきけ・・・―――」


   くるぶしが冷たく光って

     吊られ、  酒(は、)――《裂け、》「た」(その後で、)・・

       (あ)・・・・・      《お》・・・

          ・・・なのだと、気付いた、

            陣痛がある、分娩台、

          ・・・・・・・・・孕みながら・・・・・・追・・・われ・・・・・・・・・

          ・・・嘯きながら・・・・・・こ・・・・・・われ・・・・・・・・

       回転スル、    ――廻転する・・

       (く)・・・・・      《ろ》・・・

      宇宙は、     あたかも――(あたかも、一部分のように、)・・

            息してない、      あ、幻影

          ・・・・・・Shadow・・・読まれ、解きほぐされ・・・・・・・・・・・・・・・

          ・・・Shine・・・・・・固定される、私の魅惑・・・・・・・・・

            それが始まりの、  (の、)終わり・・

            それが始まりの   (の、)終わり・・・

        入り組みながら、の            自由、絵(の、)

     に続く――濃度に狂う、(る、)・・《う》――

                       そして僕は誰?・・・


     あるよね

    悔しいけれど 誰でも

  よかったりするよ ね


     ――わからないんだよ   ・・・わからない


           通り過ぎてゆく 数千年・・

      平常心なんか ないさ ・・

    何かを 信じてる 安らかな眠り ・・


     ――傍にいればいい   ・・・そこにいつもあればいい




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