シャッツキステ部通信 第19通信 ともしびの物語、ともしびの詩 たとえばユナさん
【サンキュータツオのシャッツ部通信】※是非、「うちには電波が入らないが、どうやらこういうアニメがやってるらしい」という気分で読んでください。第19通信「ともしびの物語、ともしびの詩 たとえばユナさん」 目下、秋葉原に突如現れた、メイドさんのいる地上の竜宮城、「シャッツキステ」にハマっております。ここはメイド喫茶ではありません。見事な三次元同人作品でございます。こんなに作画の細かい部屋をみたことがありません。もはや三次元アニメです。これは産業革命以降、最大のオタク革命でございます。ここでは私は、街の一介の靴の修理屋です。鍵を作ったりもしておりますが。「今日、高いとこ飛びにいこうぜ!」が、友達を誘う合言葉です。*********************さ、先週の22日には、シャッツキステのオリジナルストーリー本『ともしびの物語 4』、並びにオリジナルキャラクターソング『ともしびの詩』が発売されました。今回の『ともしびの物語』は、レイラさん編。そして『ともしびの詩』はサラさん、エリスさんと、おまけアニメ動画でユナさんの唄とレイラさんの絵による「絵描き歌」と盛りだくさんの内容。まだご購入でない部員の方もいらっしゃると思うので、ネタバレは控えますが、今回の『ともしびの物語』は一部ストーリーが袋とじ仕様になっているという、なんとも凝ったつくりになっております!なーにこんなに凝っちゃってんですか! NAGAHAMAにもほどがあります!でもですね、「こういういかがわしくない袋とじなら、私でも開けられる!」とさっそく切ろうと意気込んだものの、今度は、世界共通語たる「モッタイナイ」の精神が盛り上がりをみせ、購入したてのフィギュアを箱から出せないオタクのように、かくいう私もまだ「袋とじ」に手をかけられておりません。わ、私には切れません!というわけで、私は全部読んでおりません。だれか、麦三ヵ月分あげるから、袋とじ開けた人、貸してくださいまし。気になって気になって仕方ありません。『ともしびの詩』は、携帯用私的音楽再生機にて、毎日聴いております。サラさん、ネ申過ぎ!なんなんでしょう?サラさんは基本、お人形さんなので、喉を手でチョップしながらしゃべる宇宙人みたいな歌声か、もしくはファミコンみたいなピコピコ音の歌かと思っていたのですが、まさかあれほどネ申とは!ヒーリングパワー大。この歌を聴いていれば、きっと夏コミの行列も苦ではないでしょう。そして、サラさんの曲のあとには、原田知世さんの歌が入っているかと思ったら、メイド長エリスさんの歌でした!っくー! ず、ずるい!これほどまでに萌え要素を搭載してくるとは!この歌を聴いていれば、冬コミの寒さも吹き飛びます。非常に個性を出したお二人の歌声です。さて、この『ともしびの物語』、『ともしびの詩』は、シャッツキステの第一次作品でございます。原作とキャラソンといえば、もちろんリンクしているものですよね。私もいまだに『あずまんが大王』の原作を読んで、アニメを見て、そしてキャラソンを聴くと、なるほどこの歌詞はあの場面のことね、と味わいも深くなるわけですが、やはりそこはシャッツキステです。ちゃんとリンクさせてくださっております。たとえば、昨年12月末に発売された『ともしびの詩』の第一弾では、メイドのレイラさんとユナさんの唄が収録されており、そして年が明けた本年3月には『ともしびの物語 3』でユナさんにまつわるお話が展開されております。そこでユナさんに注目してみましょう。メイドのユナさんは屋根裏部屋唯一のメガネッ娘であり、また知性派ツッコミメイドとしてもメイドさんの地平を広げておられる方でございます。この人のメガネはエマさんよりも似合っていると思います。「ユナにはメガネがよく似合う」は、「富士には月見草がよく似合う」と言った太宰治の知られざる名言だと思います。実際は言ってませんけど。私、ユナさんの大ファンでございます。毎日歌を聴いております。で、です。『詩』の三ヵ月後に発売された『物語』では、ユナさんが通いのメイドさんであること、また屋敷の外では酒場の歌い手として活躍している様などが描かれており、ちょうど酒場で歌ったところを若旦那さまに見つかって……というお話が展開されております。そこで若旦那さまがたまたま聴いたユナさんの歌というのが、実は若旦那さまが書いた詩にインスピレーションを得て作った曲だということが発覚します。で、ユナさんの『詩』収録の曲「落下する蝶の夢」をちゃんと聴くと、たしかに若旦那さまが描いたような詩の内容なのですよ!一人称は「僕」だし、「ここは僕の宝箱で」みたいな歌詞もあるのです!なので、12月にユナさんの曲を聴いた人は、三ヵ月後に『物語』を読んで、「なるほどそうだったのか!」とヒザを打つことになるのです。この「ヒザを打つ」時こそ、単なる空間としての「屋根裏部屋」が、「シャッツキステ」という作品になる瞬間です。もうあとはズブズブです。「なるほどそうだったのか戦法」に、オタクが弱いことはみなさんご存知ですよね?エヴァ以来身をもってご存知かと思います。シャッツキステ恐るべし!原作とキャラソンでそこまでの世界観を作り出すとは!あとアニメだけじゃん!と、作品を堪能すればだれでもわかることですけども、『物語』と『詩』はこうやって楽しむべし、ということを部員のみなさまには申し送りしておきます。追伸:ちなみに、ユナさん版『物語』で、見逃してはならない点は、ユナさんが、若旦那さまの詩を歌にしたってことですよ。これ立派な同人活動じゃないですか!つまり、ユナさんはオタクなのです、れっきとした。