未来への野望☆
それは息子との何気ない会話から発覚した。彼は小学校のバスケット部に所属しており、レギュラー・メンバーの一人として活躍している。「今日ね、三試合やって二勝一敗だったよ!」他チームとの試合後の興奮が冷めないまま報告をしてくれる。「監督とコーチに褒められたんだ!」今日の試合で活躍できた充実感が息子の話から伝わってくる。何にせよ、夢中になって身体を使うことは心の健康にもいい。バスケというスポーツが発育にどんな影響があるのか分からないが、息子の身長はぐんぐん伸びている。「なんかまた背が伸びたなぁ」「足も大きくなったよ」彼は床に座り込んで両足を前に投げ出した。「何センチ?」「いまね、25,5cm」「わぁ、そりゃ、背が高くなるぞー」それからクラスで何番目に背が高い、とかいう話になり、「男の子は背が高いとモテるぞ」と我が事のように嬉しくなってきて、「そういえばこの前の発表会のときに同じ班だった女の子、○太のこと好きなんじゃないかとお父さん思ったよ」と調子に乗って続けた。(11月22日のブログに書いた女子のことである)すると、息子は少し驚いた顔を見せ、「なんでわかった?」という。「なんとなく、わかるんだよ」というと、「じつは、そいつにコクられた(告白された)んだ」と白状したのだ。「えーっ!ホントー!? いつ?」「ずーっと前」「それでなんてこたえたの?」(かなり興味本位)「いちおうことわった」断られても尚、息子の髪をちょっと触ったりする女子の強さに敬服する。驚きはそこで終わらなかった。「じつはさー、六年になってから今まで9人にコクられたんだー」困ったように息子が云う。「えーっっ!!? ホント!?」(なんでそんな大事なこと今まで云わなかった?)でも彼にとってはさほど重要ではないようである。「たぶん人生でいまがピークだとおもう・・・」(オイ、オイ・・・今ピークでどうする? この先何十年もあるんだぞ)「それって全部同じクラスの子?」(こっちの興味本位がピークになっている)「他のクラスの女子もいる」「へぇーっ!!」なぜみんな断ったかというと、いまはあまり恋などに興味がないからとのこと。彼にとって一番大事なのは「バスケ」と「ギター」らしい。「中学二年くらいまでは彼女はつくらない」そういって彼は口を結んだ。そう決めている、と。(カッコイイ☆)我が息子ながら。驚きにはさらに続きがある。娘が口をはさんだ。「兄ちゃん、それだけじゃないんだよ」娘の話では、下校途中に息子を待ち伏せている女子中学生がいるというのだ!「はぁっ!?・・・」(あいた口がふさがらない)「いつも帰り道でぜったい会う人なんだ」と息子はまた喜び半分といった口調だ。嬉しいけれど、困る・・・というわけだ。いまのところ何のアクションも起こされていないようだが、ジッと見られていては気になって仕方ないだろう。こういう話をしているうちに、我が脳ミソは劇的に妄想を始める。「○太、将来さ、ジャニーズに入ったら?」「なにそれ」「ほら、テレビに出てるスマップとか・・・」(そのあとが出てこない)「それってオジサンじゃない?」「ま、まぁ、そうだけど。とにかくそういうグループのアイドルになればいいじゃん!」「嵐とか?」「そう、そういうの! そんでお父さんがマネージャーになってさ!」急速に未来へ向かって野望が広がっていくのを止められなかったのである。我が息子が女子にモテる、という事実は、羨ましいという感情ではなく、むしろ自分のことのように嬉しい、ということに初めて気づいた。この先も彼は、色んなことでぼくを幸せな気分にしてくれそうである。父親としての新たな喜びを発見した思いである。 以上、メルマガより転載