カテゴリ:ギターリぺアー
◆Kansas NKW-220 セッティング のご依頼を頂きました
ギターオーナー様は、前回セグス・ギターミーティングの人気投票で優勝のギルドを 持ち込んだKIKI様です。 ディフェンディング・チャンピオンとして恥じない様なギターを探して来たそうです。 工房でもKansasは発見次第連行するようにと、指名手配されているブランドです。 K2自身はリサイクルショップで見た事は一度も有りません。 ◆画像から確認して行きます ●外側はバック3Pなのに内部はセンター合わせの2P、でも3Pを補強する板は有ります ・・・ん?です ●同型のモデルで皮のピックガードの画像が有りましたので、純正仕様で間違い無い 様です。 ●皮の保存状態も良好です ●サドルは新しい物に交換されてます、サドルの出代が充分に有りますので 弦高を下げる苦労は無い様です ●フレットの状態から、エレキ弾きが弾いていたギターです ●画像の撮り方で(ハカランダ)に見えない事は無いですが、普通のローズウッドの様です バックの3Pは外側の突板のみで、内部まで3Pになってないらしい情報をキャッチしました ●GOTOHのペグがマウントされてます ●サドルの残も充分に有ります ●トップ側のボディサイドバインディングが剥離してます、L側は切り取って追加補修します R側は接着のみでOKです ●半音下げのチューニングですが弦高は高めです ◆リペア開始して行きます ●バインディングの接着から始めます ●欠損した箇所は垂直に切り取って新しいバインディングを接着します ●バインディングが非常に脆くなっていて、セルロイドで有る事を辞めた状態です。 単長期的に見て、バインディングがポロポロ脱落して来たら、バンディングの全交換も 考える必要が有るかも知れません ●レギュラーチューニングで弦高が高めですから下げて行きます ●ネックはほぼストレートでも弦高が高いのは、ネックが元起きしてる事が原因ですが ネック角度を端正するまでも無い様です ●交換されてるサドルの底面は綺麗にRが掛かってます。 ビンテージギターでこの形状のサドルって有ったかな?でオクターブを確かめましたが ピッタリ合ってました ●前回のカンサスがエボニーサドルと相性が良かったのでエボニーで削り出しましたが 全く合いませんでしたので、リペア前のサドルを調整して戻します エボニーと全く合わなかったのは、爆鳴りのマーチンD45-V以来です。 ⁂中音域の音が抜けてしまいます ●エボニーのサドルでの弦高ですが、もう少し下げても問題が無いので、既存のサドルは エボニーからマイナス0.5mmの高さで調整します ●継ぎ足したバインディングの位置が最も目立つ箇所なので、着色しなけらばならない様です ●サドルをボーンに戻しました ●KIKI様がご希望の、6E/12Fを1.75mmにセットしました。 ●1E/12Fは、1.6mmが限界でした ●仕上がりました ◆試奏タイムです エボニーサドルに交換しますと、高音域は特に変化は感じなかったのですが、 中音域が抜けてしまい、カンサスの良さが消えてしまいました。 ボーンに戻しますと、バランスの良い音で鳴ってくれます。 サドルの材質は音に多大な影響を及ぼしますが、乗せて見ないと結果が判らないのも セッティングの醍醐味です。 弾き易いギターはギターの絶対条件と思ってます、例え音が良くても弾き難かったら 楽しく弾けないのでは無いかと思います。 全てのギターが今回の弦高にセット出来る訳では有りませんが、極力プレヤーのご希望に 合わせる様にセットする様にしております 🌸すこしやりすぎかもしれません🌸 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年12月24日 06時08分05秒
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