カテゴリ:ギターリぺアー
◆Gibson J-45 ネック捻じれ修復
ギターオーナー様は、I・M様です 先日仕上がったYAMAHA APX10 の仕上がりを気に入って頂きまして J-45は特に気に入っているギターなので、何とか弾き易くして欲しいとい事で 工房にお持ち頂きました ◆画像から確認して行きます ●お見積のため既にリペアに取り掛かっている様な状態です ●製作年代をお聞きしてませんでしたが、コーションラベルからビンテージと呼ばれる 年代のギターの様です。 1979年頃に製作されたギターの様でした ◆この位置から確認しますと1E側が下がっていて、ネックが捻じれている状態です ●ナットのラインと、その先に見えるサイドバインディングのラインが一致して無いです ●フレットボードスケールを6Eの上に当てますと普通の順ゾリです ●フレットボードのセンターに当てるとストレートに近いです ●1Eの上に当てますとローフレット位置で隙間が出ます ネックの捻じれが原因です ●限界手前まで締め込んで有ったロッドを緩めて、ロッドに矯正される事無くネック材自体が 曲がっている形状を確認しますと、捻じれが無くなってましたがこのままネックの変化を 確認しながら対策を打って行きます ◆1日ロッドフリーでネックの動きを確認しましたら、僅かに捻じれが復活して来ました 長い年月を掛けて曲がった木材は簡単には戻ってくれないです ●ネックアイロンを掛けて行きます 初回は1フレット、センター位置、最終フレットにスペーサーをセットします ●2回目はネックの捻じれに合わせた直角三角形状態のスペーサーを挟んでアイロンを掛けます 最初は捻じれ角度に合わせたスペサーを使いますが、効果が薄ければ角度を上げて行きます ●アイロン掛け後です。改善された事が確認出来ると思います この程度でしたら弾き易くセッティングする事に問題は有りません ●アイロンを掛ける前です ボディバインディングとの位置で捻じれている事が判ると思います ●かなり改善されている事が判ると思いますが、長年に渡って変形した木材は非常に頑固で 元の捻じれに戻る可能性が有りますので、動きを確認しながらリペアをして行きます このまま安定してくれる事を願ってます 数日空けてからネックの状態を確認して、3回目のアイロンを掛けますが三角形のスペーサーの 角度を変えて掛けます ◆弦を張り戻してネックの状態を確認して見ます ●1フレットのクリアランスは、0.48mmですからこれがロッドを締められる限界と言う事になります ●マーチン用に作ったネックスケールで、レギュラーチューニング後のネックの反りを確認します 6E弦下はストレートです ●センターもストレートです ●1E弦下もストレートに戻りました 目視では僅かに1E側の1~6フレットっ付近が下がってますが、この測定結果から 工房仕様に近いセッテイングが可能な事が確認出来ました ●弦高を測定しますと、6E/12Fで3.00mmですが、工房でリペアさせて頂くギターの中では 低い範囲です ●1E/12Fは、2.60mmです。6E側と1E側の差は0.5mm付けるのが基本ですが、このデータから 弾き易くセッテイング出来る事が決まった様な物です ●サドルは限界を超える寸前まで下げられてますので、事前にご了解頂いていた ブリッジトップを2ミリ削って行きます 削る前のブリッジセンターが9.0mm有りますが、削った事が判り難い様に、斜めに傾斜を 付けて確認しながら削って行きます ●サドル溝が結果的に2ミリ浅くなりますので、溝を同じく2ミリ掘り下げておきます ●サドルトップ&溝を同じだけ削りましたので、高さは2ミリ下がりましたがマークシートは 元の位置に戻りました。 弦へのテンションはストリングガイドを調整する事で下げない様に調整します ブリッジのトップを削っただけで、全周をサンディングしない様な事は有りませんので ご安心下さい I・M様のJ45を手に入れた時のエピソードをお聞きして、正真正銘の青春のギターで有りますので ご機嫌に弾ける状態に戻せる目途が付いたので本当に良かったです ●ブリッジの全周をサンディングしておきます。仕上げに蜜蝋ワックスを使います 時々表面だけ削って全周はそのままと言うギターをお見かけ致しますが、 一手間掛けるだけで見栄えが断然良くなるのに残念に思います ●フレット&フレットボードの仕上がりです ●新しいサドルを削り出すために、既存のサドルを使ってデータを取ります 1フレットは調整する必要が有りません ●既存のサドルをセットします ●6E/12Fは、2.50mmで世界標準です ●1フレットは、1.75mmで工房標準です ●チューニングをしてる時と、弾き心地を確認してますと1E~3G 弦の音詰まりが酷く サドルに付いたor付けた溝の影響の様です サドルのRとフレットボードのRが一致してませんので、3G~5A弦の高さがバラバラで 弾き難さに拍車を掛けていましたので、サドルは交換する必要が有ります。 エボニーにするかオイル漬けにするか判断をしないといけません👉サドルの厚さが3.0mm以下 なので、エボニーサドルでは強度不足と判断してオイル漬けを選択しました ●ナットを交換する前にフレットボードが275Rで有る事を確認します ●既存のナットで弾く時の違和感はこれが原因です ●3mmのサドル材を地味な作業でに削ってピッタリ合う様にしました ●予定の弦高に成るように整形して弦を張り戻します ◆セッティングを確認します ●1フレットのクリアランスが0.30mmで現在は何とか大丈夫ですが、いずれナットの交換が 必要になる事を承知して下さい ●6E/12Fは、2.25mmで予定通りです ●1E/12Fは、1.80mmです ●高いフレットが打って有るにも拘わらず、ピンポイントでフレットの擦り合わせが必要な ポジションは有りませんが、数日様子を見る様にします ●ブリッジ周りの仕上がりです セッティングに使った弦の3G&1Eが同時に切れましたので、ダダリオに張り変えました ●青春のギターの完全復活です 🌻試奏タイム 期待して頂くためコメント控える様にしますが、ダダリオとの相性が良いと思われますので Custom Light限定で、Phosphor BronzeのEJ26/ Bronze Wound EJー13 の弦を選んで 頂ければと思います 🌻K2ギターファクトリー 千葉県八街市 八街 に-67-3 代表 加藤 和久 ☏ O8O-5376-O998 ⁂お車6台分の駐車場をご用意しております 🌻I・M様とZO-3の話をしてましたら、ZO-3ベースを持っているとの事で 是非見せて欲しいとお願いして、工房にお持ち頂きました ●実物を見るのは初めてです ケースから出した時はデカいの印象でしたが、エレキと比べますと、 ネックは太いですがスケールは同じ、ボディサイズは2回りほど大きく、 厚みが有るくらいですが何故か大きく見えます スピーカーも大口径でした ●ペグはおしゃれなデザインのGOTOH製です ●9V電池2個仕様です 電池ボックスは大切に取り扱って下さい。ZO-3に良く見かける電池ボックスのフタを破損 しますと純正補修パーツが手に入りません ●後ろのカバーを外して中を確認しませんでしたが、点検口から除くと電装パーツが 沢山仕込んで有る様です お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023年03月12日 07時36分53秒
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