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青春のギターリペア  K2ギターファクトリー

青春のギターリペア  K2ギターファクトリー

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2023年03月24日
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カテゴリ:ギターリぺアー
🌻2022年11月24日に初回アップしたレポートです

◆Maruha 455 ピックギターレストアして行きます
 ミキサー兼・最近はもっぱらギタリストのU様から、【某ショップにピックギターが 
 格安で2台有るけど押さえとく?】の連絡を頂いて、即押さえて下さい!で
 早めに工房を閉めて引き取りに行きました。
 ピックギターフリーク兼どんな状態【限度は有りますが】でもレストア出来るので
 状態等は全く気にしてませんでした。

🌻ジャンク品では無いのですが、弦高が凄い事になってましで普通に弾ける状態では無いのですが
 出せる音だけ出したところ、至って普通のピックギターの音です

●予想よりも状態が良く、Fフォールから内部を覗いたら、埃が全く無かったので驚きました。
 fフォールから差し込んで埃を吸い出せる、治具を製作して有りますが今回は出番が無いようです
 クリアのウェザークラックからニトロセルロースのラッカーで有る事が確定しましたので
 これからの経年変化も楽しみです


●このタイプのロッドカバーは初めて見ました
 ヘッドのロゴも最初から入って無いようです


●フレット観察しますと、殆ど弾かれた形跡が有りません、同じ型番が2台同時に並ぶと言う事は
 同じオーナー様が手放したと思われますが、何故2台持ってたんだろう?と勝手に想像が膨らんで
 来ます


●ネック裏のクリアも殆ど残ってます


●バックは若干傷が有りますが、古いキズならもっと沢山付いていて欲しかったのです


●2台の型番は同じですが、ネックの太さが全く違ってます


●弦の錆具合とフレットの錆具合から、相当長い間ケース?等の中に仕舞われていた様です
 フレット&フレットボードを観察しますと、全くと言って良いほど弾かれた形跡が有りません


●ピックギターはこのウエザーチェックが有ってこそ価値が上がる、と思うのは私だけでは
 無いと思います。
  残っている弦でチューニングをしましたら、これでは弾くのが躊躇われる程ですが
 弾き易いセッティングにするのは、何時ものピックギターよりも簡単で、合間を見て
 気長に仕上げて行く予定です

🌻弦高が高い原因を特定しておきます

●判り難いかも知れませんが、ネックの付け根がボディに陥没してます。
 古いピックギターで見かける、最終フレットから3本位フレットが抜かれている事が有りますが、 
 原因は今回の様にボディへの陥没です
  対応策は何パターンか有りますが、現在のイメージでは、1フレットから陥没しているまでは
 ストレートなので、そこを中心にして最終フレット付近は擦り合わせて対応する方法になると
 考えてます


●この通り1フレットから陥没まではストレートです
 この程度でバックを外す選択肢は無くなりました


●ロッドもちゃんと機能してます


◆レストアして行きます

●パーツを外してバフ掛けしますと、製造年代から考えられ無いほど良い状態です


●ネジが固着して取れない時には、力任せにすると【ネジ山をなめる】【ネジ折れ】【外れる】の 
 3択と思います。ハンダ鏝で熱を加える方法も万能では有りませんが、一定の効果が有る事も
 確かです。今回は2分間ネジ頭のおっぺして無事に外せました
                

●フレットが細いと思ってたのですが、ウクレレと同じです
 左が通常のフレット用で、右がウクレレ用に工房で作った物です


●ペグも外してヘッドを磨きます


●バックも良い感じです


●バフ掛け前には気が付かなかった、クリア内部の白濁?と言うよりクリアを吹いた
 時の失敗の様な変質がりましたが、気にしない事にしました
 良く見るとアチョ~って感じです


●ネックも良い感じです


●ペグを固定するネジ穴の位置がズレてましたので、穴を埋めて修正します


●ネックヒールのクラックが気に成りますが、塗装だけの様で現時点ではスルーします


●ビス穴がズレている場所に丸棒で埋めておきます


●ブリッジ以外のパーツを組み付けておきます


●ラッカーのウェザークラックはヤッパリ良い景色ですね


●セッティングがどんな感じに収まるか、専用スケールで確認しておきます


●特に裏技を使う必要も無く、普通のピックギター仕上げる事が出来る様で安心しました

◆弦高を下げるためにブリッジに手を入れて行きます

●大体のブリッジをセットする位置を割り出しておきます


●おおよその弦高が判る治具をセットします
 ボトルネック奏法向けならOKですが、普通に弾くには難儀する高さです


●上下調整用のパーツを外して、ブリッジを予定の弦高まで下げられる高さまで削りました


●問題無く弾ける高さになりました


●ボディの変形の影響も有ると思いますが、ブリッジの土台がトップと密着してませんので
 ピッタリ合う様にサンディングが必要です

◆此処までで予定通りの仕上がりになるか確認します

●オクターブが合う位置を割り出してブリッジのマウント位置を出します


●設備工事用の紐を、1弦&6弦にセットしてブリッジの左右の位置を出します
 ブリッジサドルの6弦の位置が外に寄っているので、ブリッジサドルの弦溝の修正が必要です



●弦のテンションがギター全体に掛かって無いのですが、ここまで低ければアジャスタブルブリッジ
 なので、弦高を上げるのは簡単です


●19~16フレット、16~1フレット この間はストレートですが、16フレットを頂点として
 逆ゾリが気に成りますので、この際ですから少しでも逆ゾリを修正します


●逆ゾリを修正するために掛けるクランプで最も重要な、サウンドホールからのクランプ掛けが
 出来ませんので、ネックアイロンで加熱して昨日2号機に掛けたと同じ方法で逆ゾリを修正します


●ネックアイロンを掛けた効果で、ここまで戻ればフレットの擦り合わせも殆ど必要の無い
 レベルと推定出来ます


●ナットサイズが合ってませんでしたので、セットする部分に合わせてサンディングしておきます
 

●ブリッジもアジャスタブル出来る様にしました


●ピックギターに対応出来る、アリアプロⅡの011~050のEXライトゲージを張ります



●1フレットの弦溝が深過ぎて1フレットにベタで付いてしまいますので、
 ナットの交換が必要です。
 この状態で1フレットにスペーサーをセットして、セッティングして行きます


●工房標準の2.25mmにセットして見ます


●1Eは1.75mmにセットします


●ブリッジの弦間隔は芯々で10mmにセットします


●削り出したナットをセットして隙間が無いか確認します


●高さ調整はしてませんが、オイル漬けのナットはビンテージギターの景色に溶け込んで
 人気の高さが理解できます


●1フレットの弦高を調整して全体のシェイプを整えてナットの完成です


●演奏性を考えてポジション・ドットを入れました


●1Eが飛び飛びでバズるポジションが有りましたので、全体を擦り合わせます


●1E全体を擦り合わせてから、全く面取りされていない【割りばし】状のフレットの面取りをして
 ポジション移動の時に、指先にゴツゴツ引っ掛らない様に修正して有ります


●6E/12Fは、2.25mmまで下げられます


●1E/12Fは、1.75mmまで下げられます


●画像はオリジナルのブリッジで、2号機は工房でストックしていたタイプに差し替えました
 弦接点位置がオリジナルとは全く違うにも拘らず、オクターブが取れましたのでオリジナルの
 弦接点ではオクターブが合わない場合は、工房でストックして有るブリッジに差し替えます


●これからオクターブチューニングをするオリジナルのブリッジの形状です


●既にオクターブチューニングが取れている2号機のブリッジの形状です
 これだけ弦接点の位置が違っていて、同じモデルのギターで2種類の形状で両方とも
 オクターブが取れるとは思えません。


●上が1号機にセットしたブリッジです。シビアにオクターブチェックしましたら
 予想通り全体が僅かに数ヘルツ合いませんが、特に3G弦がクオーター程度ズレて
 いて、弾くと脳波に異常が出るのでは無いかと思うレベルでズレます。
 解放弦で合わせれば12フレットまでは普通に弾けますが、13フレットより上を弾くと
 気持ちが悪くなります。工房でストックして有るブリッジと交換します


●レストアが済みましたらペグを交換する予定ですので、ペグのポストの長さを記録しておきます
 このギターはヘッドが非常に厚く、一般的なペグでは弦を巻くスペースが確保できないのです
 規格外は困ったものです


●ストロークした時に弦が移動しますので、ブリッジにも弦溝を入れて有ります


●ナットの仕上がりです
 1フレットは微調整するだけの、僅かな余裕を持たせて有ります


●2号機をお買い求め頂いたGenさんも、ピックガードを黒に交換すると事で
 私も艶消しの黒のピックガードに交換して見ましたが、確かに黒の方が締まって見えます

🌻ライブで使うために仕上げの改造をしているGenさんと、見た目重視の私と改造バトル 
 が始まりそうですが、お互いに情報交換をしながら楽しん居ります


●ペグのカムを止めているネジがマイナスネジなので、全てのネジをマイナスに交換する
 予定です。ペグ用マイナスネジが手元に有りましたので交換しておきました
 製造年代から見ても、全てマイナスネジでは無い事が不思議なくらいです

◆仕上がり一歩手前のセッティングです

●弦溝は最後のラストですからスペーサーをセットしておきます


●6E/12Fの下限弦高は、2.10mmです
 

●1E/12Fは、1.75mmです

🌻ライブで使う事を前提に手を加えて行きます

●既存のペグは普通にチューニング出来ますが、製造後の経過年数を考えて新しいペグに交換します
 取付穴を10mmに拡張します


●Shadowのサウンドホール用のマグネットピックアップを改造して取付ました


●ミニピンジャック仕様なのでミニピンを外して配線と直結にします


●ハーネスを延長するならと、ボリュームポットを付ける事にしました
 ミニタイプのポットでしたらピックガード内に取付可能です


●弦アース用のハーネスを通しておきます


●サーキットを組んでおきます


●既存のペグ穴は全て埋めてから、ローズカラーのステインで着色します
 塗り重ねると目立ち難くなります


●チューニング精度に不安が有りましたので、土壇場でオープンバックタイプのペグに交換しましたが
 軽量ペグなので出音を良くするため、ヘッドに150gのバランサーを取付けましたところ
 正に効果絶大で取付け前後では別のギターと間違う程です。
 今回の効果を踏まえてバランサーの研究をして行きます

◆途中を飛ばして仕上がりの画像です

●ヘッドストックの仕上がりです
 オイル漬けのナットはビンテージギターの、景色に完全に溶け込むので必需品です


●バランサーが見事な仕事をしてくれてます
 バランサーをセットする前の出音止まりでしたら、バックを外してブレーシングを追加する
 内部構造に手を入れる覚悟でした


●フレットボードの仕上がりです


●サンバースト塗装のネック裏です


●ベタ塗装のバックです
 同じ455でも1号機と2号機は、バックの塗装が上2枚の画像と逆になります


●サウンドホール取付のShadowを改造したピックアップです


●ピックアップからのシールドがジャックまで届かないので、延長するならと追加した
 ボリュームポットです


●ブリッジをネジ止めにして、弦交換の度にオクターブ調整する手間を省いて有ります


●ピックガードはつや消しのソリッドタイプです
 

●リペアの完了です 
 マルハ455はマルハのピックギターの中ではレアモデル?の様で、ネットで画像を探しても
 殆ど見つかりませんでした

🌻2台のマルハ455のその後です

           👇金さん              👇銀さん

●GENさんにお譲りした2号機のパーツはゴールドが使われてますので、2号機改め【金さん】
 工房の1号機のパーツはシルバーを使ってますので、1号機改め【銀さん】と命名しました
 ライブでお見かけしたら、宜しくお願いしたします




🌻K2ギターファクトリー
  千葉県八街市 八街 に-67-3 
   代表 加藤 和久
   ☏ O8O-5376-O998       
   ⁂お車6台分の駐車場をご用意しております









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最終更新日  2023年05月18日 23時03分52秒
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