カテゴリ:ギターリぺアー
◆LARRIVEE 09
ギターオーナー様は、Hat様です 入手される前からLARRIVEEらしからぬ音質と、ご承知で購入されたそうですが 音出しの第一印象は、サスティーンが足りない事とボリュームが足りない様な 印象でした。 完成度の高いギターには伸び代が少ないので、その中で隠れているポテンシャルを いかに引き出せるかに掛かってます ボリュームに関しましては、単に弾かれて無かっただけの事と思います ◆画像から確認して行きます ●カナダ時代に製作された個体です アメリカに移転後のモデルも良いかも知れませんが、カナダ製作がお勧めです ●手の込んだインレイです ●LARRIVEE=カナダ製に限ると思ってます ●ロッド調整は専用のレンチが必要です ●ストリングガイドが浅いと思われます サドルは純正であるタスクです ●クラックに様に見えたかも知れませんが、クリアに付いた極浅いキズで、コンパウンドで 簡単に消す事が出来ます ●ペグは無加工で交換出来るシャラーに変えます ●殆ど弾かれる事が無かったのでキズは有りません ●パーツが入荷しましたので、セッティング前に取付ます ●クリアのキズは完全に消えました ◆リペア開始して行きます ● ANTHEM を取付て行きます ジャック用の穴を開けます ●ジャックを取付けました ●コンデンサーマイクを取付ける場所を確認しますと、何かが残ってますのでサンディングして 取除いておきます ●コンデンサーマイクはメーカー推奨の位置に取付ました ●アンダーサドル・ピエゾは1E側から差し込んでます ●シャラーのペグが入荷しましたので交換しました ●張られている弦は012~のライトゲージで有る事を確認しました Hat様は011~を使いますのでセティングに入る前に交換する必要が有ります ●ナットとフレットボードの隙間は、フレットボードのサイドバインディングのセルが短い事が 原因でナットの隙間では有りませんでした ●ナットの取付に隙間は一切有りません 🌻セッティングはしてませんが音出しテストをして行きます 最初の数分間はお約束のリフを弾いてもサイド&バックに振動が伝わらず、LARRIVEE らしさが感じられませんでしたが、5分間×5クールくらいからサイド&バックに 振動が出て来ましたが、まだまだボリューム&サスティーン不足の印象です 音質を改善するために、ナット&サドル材を変えてセッティングをして行く事にします ●44mmのナット巾で有る事を確認します ●既存のタスク製のナットを外します ●無漂白の水牛骨のオイル漬けのナットを削り出します ●粗削り【弦高調整前】のナットをセットします ●サドルはオイル漬けの牛骨をセットします ●オーダーの弦高よりも余裕を持って調整してセットします 🌻ナット&サドルをオイル漬けに交換して音出しテストをしますと、 良い方向に向かっている事が確認できました ◆まだ確定では有りませんが、オイル漬けの組合せでセッティングします ●サドルを調整します ●1フレットクリアランスを調整します ●1フレットの調整が済みました ●今回は工房標準の高さに、+0.05mmのオーダーで、2.30mmにセットしました ●1E/12Fは、1.80mmにセットしました ●工房内の湿度は24時間管理してますので、お渡し後の湿度が高い環境ですと弦高は 必ず上がりますので、-0.15mmの高さになるサドルをお付け致します 最初に削り出したサドルが、計算違いで予定よりも下がり過ぎたのですが、逆に有効に 活用出来ると思います 🌻2種類のサドル&ナット材の組合せで、LARRIVEEらしさを引き出して行きますが この組み合わせの他に、LARRIVEEには使った事が無いエボニーのサドルも試して 見る価値が有ると思います。 🌻仮の音出しテスト 現状ではオイル漬けサドル&タスクナットの組合せが、私の耳には最も心地良く響いて来ます 🌻お渡しの試奏で、オイル漬けのナット&サドルですと、非常に繊細なフォルヒギターと 間違える様な音質になります。オイルサドル&タスクナットをセットしますと、LARRIVEE らしい音質に変わります。この事は新しい発見でも有りギターオーナー様の好みで2種類の 音質が出せる、マルチリンガル・ギターとして楽しめる事が出来ます。 今回はLARRIVEEらしいセッティングでお渡しさせて頂きました。 🌻K2ギターファクトリー 千葉県八街市 八街 に-67-3 代表 加藤 和久 ☏ O8O-5376-O998 ⁂お車6台分の駐車場をご用意しております お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023年09月19日 07時59分43秒
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