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カテゴリ:式部的雅び語り
スピカ蝋燭能~鬼づくしの二夜~
平成16年8月27日狂言「清水」能「鉄輪」 28日狂言「伯母ヶ酒」能「紅葉狩鬼揃」 かつて、夜は闇だった・・・ 暗闇の中に蝋燭の灯をともして夕闇の中で人々がその幽玄を楽しんだ時代がありました。 忘れかけていた空間、時間、そして人間の秘めた感情― 都会の中の現代の蝋燭能がいま、札幌スピカによみがえります。 野村萬斎の狂言も鬼にちなみ、和楽器による競演(素囃子)も加わります。 どうぞ世界遺産に指定された伝統芸能をお気軽にお楽しみください。 観世喜正 スピカの能舞台の周りは蝋燭でいっぱい。 外も蝋燭が灯し幻想的な雰囲気を醸し出しておりました。 がしかし場内は蝋燭の熱気でムンムン空気も少々淀んでおりましたが(笑) 今年最後の伝統芸能を堪能する会である。 今回のスピカは能が中心。 なので野村萬斎はあまり表立って登場しません。 観世喜正氏が主演でございます。 彼の能はこれで2,3度拝見する形になるんだけど 毎回野村萬斎をスゴク意識した発言をする。 かなりライバル意識燃やしてるのか!? がしかしそれは致し方ない。 狂言よりまだマイナーだし(笑) でも聞いている方はあまりいい気分じゃないなぁ。 案外萬斎もまたか・・・、なんて思っていたりして。 初日の狂言「清水」より二日目の「伯母ヶ酒」の方が面白かった。 能は動きもセリフもまったりなので眠くなる確率高し。 狂言の方がセリフも分かるしテンポがいいから好きです。 二日目の能「紅葉狩」は能には珍しく人も多いし動きも早く 思ったより楽しめました。 囃子方のみなさんはこのスピカでの蝋燭能のために 雰囲気に相応しい曲を特別にしかも二夜それぞれ異なる曲を 聞かせて下さいました。 スピカの会場入り口では能面展が15出品されていました。 入場しますとロウソクとお香の試供品が配られていて 嬉しい心配りでした(*^_^*) 今回二夜通し券を購入したら二日間ともスタンドの後ろでしかも同じ席だった! 大ショック!! せめて初日スタンドなら二日目はアリーナにしてよぉぉぉ。 衣装とか役者さんの表情とか見て取れないじゃん。 「鉄輪」 自分を捨てた男への恋しい思いがついには恨みとなった女は「丑の刻参り」を始める。一方陰陽師、安倍晴明(この役、萬斎ではありません/笑)から女の呪いで命は今夜限りと告げられて驚いた男は晴明に祈祷を頼む。やがて女の生霊が鬼の姿となって襲い掛かる。頭に火を灯した鉄輪を頭にのせ現れるシテの恐ろしい姿はまさに夏の夜の蝋燭能にピッタリの舞台をかもし出す。 「清水」 清水(湧き水)へ行って”茶の湯”に使う水を汲んで来い、と命じられた太郎冠者は、めんどうなので途中で秘蔵の桶をすてて引き返し、元興寺(鬼)が出た!とウソをつく。主人はあやしみ確かめに行く。あわてた太郎冠者は先回りして鬼に化け主人を脅すが・・・。 「紅葉狩鬼揃」 美しく華やかな紅葉のさかりの山奥で、鹿狩りに来た平維茂将軍一行は美しい上臈と侍女たちの宴に誘われる。この世のものとは思われぬほど美しい上臈の酌に思わず杯を重ね、優美な舞を見ながら維茂は酔いふす。やがて夜となり神の使いが夢に現れ、女達は実は鬼であることを伝え神剣を与える。目を覚ました維茂に鬼女たちが炎を吐いて襲い掛かる。観世流にしかない「鬼揃え」は大勢の鬼女が舞う迫力満点の演出でその美しさと恐ろしさは蝋燭の灯りの中で一際目立つ。 「伯母ヶ酒」 酒店の伯母に一回も飲めといわれたことのない酒好きの甥。何とかして伯母がつくった酒を飲みたいと考え、面をかぶって鬼に化け、伯母をおどして酒をまんまと手に入れる。ところが、お酒を飲むのに面が邪魔になりずらしたりしてるうちに正体がバレて・・・。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
August 30, 2004 11:03:00 PM
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