2023/12/22(金)23:04
カリン・クサマ「ストレイ・ドッグ」Cinema・Kobe no2
カリン・クサマ「ストレイ・ドッグ」Cinema・Kobe
昨年の夏の封切り時に見損ねた映画でした。もっとも、カリン・クサマという監督さんも主演のニコール。キッドマンという女優さんも知りませんでしたから、チラシにある「ネオ・ノワール」という宣伝文句と、銃を構える女性の暗い顔に興味を感じたにすぎません。
で、今日はCINEMA・KOBEという映画館に初めてやって来ました。実はこの映画館は40年前は新劇シネマという名で何度もやって来たはずの映画館ですが、徘徊老人になってからのこの3年間、何となく前を通り過ぎるだけでした。
今日は「ストレイ・ドッグ」と「レオン」の「ノワールもの」二本立てということで、初入場でした。
館内には懐かしいポスターや懐かしい雑誌「ライフ」や「スクリーン」の表紙が飾ってあって、ちょっとレトロでいい感じです。その上、「喫煙コーナー」まであります。グッドですねえ。
で、始まりました「ストレイ・ドッグ」です。ニコール・キッドマンという女優さんの「一人芝居」のような映画でした。
十数年前の事件と、現在進行形の事件が重ねられて主人公の「真実」が語られる仕組みになっていますが、「時間」の描き方に特徴がありました。ネタバレになりますが、最初と最後が円環上につなげられていて、意表を突く主人公の「真実」が暴かれ、破滅的な結末にたどり着くのですが、最初の動機が弱いという印象を持ちました。
ニコール・キッドマンが演じるエリン・ベルという女性刑事の「生い立ち」の悲劇が、スクリーンで、今、現在、進行している有様によって語り切れていないというところが残念でしたね。
もう一つ疑問として残ったのは、彼女の職場に届いた、十数年前の事件を暗示する塗料に染色された紙幣が、いったい誰から送られてきたのか、銀行強盗の主犯であるサイラスが、警察官であるエリン・ベルに送ってくる必然性がぼくには理解できませんでした。
なんてことを考えながら帰宅して、ニコール・キッドマンという女優さんを調べてびっくりしました。 映画com
この方が!
映画com
この方と同一人物なのですよ。映画の中でも、若いときはこの下の顔です。
映画com
いやはや、すごいものですね。メイクというのは何でもできるんでしょうか。三人を同一人物と同定できますか?
でも、この女優さんの女優魂のようなものを感じますね。アカデミー賞の女優賞を取った事のある人がここまでやりますかね。そういう意味でも、この映画はニコール・キッドマンという人の「一人芝居」だったかもしれませんね。ちょっと、この方、いろいろ観てみたいと、がぜん、興味が湧いてきましたね。
監督 カリン・クサマ
製作 フレッド・バーガー フィル・ヘイ マット・マンフレディ
製作総指揮
ミッチ・グリーン ダニエル・ステインマン ダン・フリードキン ネイサン・ケリー ブライアン・カバナー=ジョーンズ トーステン・シューマッハー ニック・バウアー
脚本 フィル・ヘイ マット・マンフレディ
撮影 ジュリー・カークウッド
美術 ケイ・リー
衣装 オードリー・フィッシャー
編集 プラミー・タッカー
音楽 セオドア・シャピロ
音楽監修 ランドール・ポスター
キャスト
ニコール・キッドマン(エリン・ベル)
トビー・ケベル(サイラス)
タチアナ・マズラニー(ペトラ)
スクート・マクネイリー(イーサン)
ブラッドリー・ウィットフォード(ディフランコ)
セバスチャン・スタン(クリス)
2018年・121分・PG12・アメリカ
原題「Destroyer」
配給:キノフィルムズ
2021・01・15・Cinema・Kobe no2