ぷち てんてん

2005/10/08(土)17:57

サマリア・・・・韓国映画

~2006年 映画・ドラマ(389)

☆サマリア☆(2004) キム・ギドク監督 クァク・チミン・・・・・・・・・ヨジン ソ・ミンジョン・・・・・・・・・チェヨン イ・オル・・・・・・・・・・・・ヨジンの父、ヨンギ ストーリー 父親と二人暮らしをしている女子高生ヨジン。彼女の親友は同級生のチェヨンだったが、チェヨンはいつからか、援助交際に走るようになっていた。ヨジンは親友の行動を嫌悪しながらも、チェヨンが心配で見張り役として行動をともにする。そんなある日、ヨジンが見張りを怠った隙に、ホテルに取締りの警官がやってくる。警察から逃れようとチェヨンは窓から飛び降り、いつもどおりの笑顔を浮かべたまま命を落としてしまう。そんな親友の最期に胸を痛めたヨジンは、ひとつの重大な決心をするのだが…。 ~~~~~~~~~~ ネタバレです。 この映画は三つに分かれている。 「パストミラ」(と言ったと思う、ちょっとうろ覚え) 「パストミラ」はチェヨンとヨジンが援助交際をしている最初の部分。 チェヨンはインドの娼婦「パストミラ」になりたいと言っていた。 パストミラは、相手をした男を仏教に導いたそうだ(確か、そんな話をしていた) ヨジンは、そんな事をいわれても、よくわからない。 それがチェヨンとどう関係しているのかと。 女子高生の二人は、いつもくっついて行動する。 あの頃の女の子の微妙な友情、一種レズっぽいともいえる友情なのだ。 援助交際するきっかけは、ヨーロッパに二人で行く飛行機代を稼ごうということだった。 援助交際するチェヨンは、相手の男たちにちょっとほれちゃったりする。 それがまた、ヨジンの心配のもとだ。 援助交際といいながら、彼女には恋愛ごっこだったような気がする。 いや、「ごっこ」ではなく擬似恋愛だったのだろう。 また、父を求めている風でもある。 ファザコンなんだろうな。 そして、チェヨンは亡くなるのだ。 確かに、彼女の死に顔は微笑んでいる。 ~~~~~~~~ そして次の章が「サマリア」である。 チェヨンが亡くなって、ヨジンが彼女の溜めた金を援助交際した相手に返そうとするのだ。 ただ返すだけではなく、チェヨンと同じように相手とホテルに入ってベッドを共にしてから。 チェヨンが何を思って援助交際をしていたのか、彼女はそれをたどっていくのだ。 彼女のノートは、援助交際した相手がずらっと書かれている。 それをお金を返すたびに、黒く塗りつぶしながら・・・ 相手の男達は皆「幸せ」を口にする。 ・・・こんな若い子が相手をしてくれて若返るようだ。 ・・・恋人のような気持ちになるありがとう。 チェヨンはそんな言葉を聞いていたのかと、ヨジンは知るのだ。 しかし、そんなときに刑事であるヨジンの父親が、娘をホテルで見つけるのだ。 しかも、ベッドに入っている姿を。 衝撃を受ける父親だが、娘にはそれを問いただす事をしない。 そして、彼女を尾行するようになる。 父親が精神的に追い詰められていく様を見せている。 相手の男に対する怒りはどんどんエスカレートしていく。 ~~~~~~~~~ ラストが「ソナタ」 父と娘が、母親の墓のある田舎へ旅行する。 娘もチェヨンの話も、援助交際の話もしないし、父親も彼女に話を聞くことはない。 河原で娘に車の運転を教える父親。 一人で運転できるようになれと。 「パパはついていかないよ」 ~~~~~~~~~ 「ソナタ」になると、この父親は娘を殺すのか?とか無理心中するのではないか?とか浮かんできたなあ~。 チェヨンはなにを求めて援助交際をしたのだろうか。 もちろん、手軽にお金が手に入るという事なんだろうけど、それだけならほかにも仕事はあるだろう。 また、ヨーロッパに行く事が彼女にとってどんな意味があったのか。 彼女が逃げたい現実ってなんだったのだろうか。 慈悲深い娼婦を理想とする彼女だが、しかし救ってほしいのは彼女の方だったのではないかな。 病院でチェヨンが援助交際でちょっとほれた男に来てほしいという。 ヨジンが彼をつれてこようとするのだが、相手の男は「仕事があって忙しい」と渋るのだ。 そうだよね・・相手にとってはお金を払って一時付き合った女子高生だものね。 何も感情があるわけではない、顔さえ忘れているかもしれない。 この部分は、チェヨンが何を求めていたのかと、悲しくなる。 ヨジンは、そんな友人に引きずられるように援助交際を見守る。 彼女が亡くなってから、彼女の跡をたどるようにチェヨンが関係した男をたどる。 そこから、チェヨンの何を知る事が出来たのか? ヨジンはお金を返す事で、彼女を供養していたのだろうか。 チェヨンの死を受け入れる事が出来るようになったのだろうか。 この二人だけの話ならば、これだけでもいいのだが、そこにヨジンの父親が出てくる。 娘を思うあまり、だんだんエスカレートしていく父親。 相手の男に対して怒り狂う。 しかし、娘には何も言わない。 娘ととてもうまくいっていると思っていた父親だろうから、そのショックは大きい物だったろう。 娘を理解したいと思っただろうか、そっと触れずにおこうとしている父親。 娘のしていることには触れずに相手に怒りをぶつけるというのは、理不尽だがそれもまた愛なのだろうか。 娘の何を知っていたのか、そして何を知ろうとしたのか? ~~~~~~ キム・ギドク監督のものでは「悪い男」しかみてない。 今回のこの映画、やっぱり宗教的な感じがするなあ。 慈愛とかね・・・・ よくわからないながら見てしまう映画だった。 ********* キム・ギドク監督  悪い男  悪い女  魚と寝る女  コースト・ガード  受取人不明  春夏秋冬そして春  空き家

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