E.B.ホワイト著
『シャーロットのおくりもの』(CHARLOTTE'S WEB by E.B.White)を読んだ。
映画館で予告編を見て、読んでみようと思ったもの(映画には惹かれなかった)。ファンタジーを読むのは久しぶり。
ブタの
ウィルバーと、クモ(蜘蛛)の
シャーロットの友情の物語。
クモが主役で、しかも悪役ではないなんて、ちょっと珍しい設定。
読む前は、優しいクモなんて想像しにくくて感情移入できそうにないかな、と思っていたけれど、
ウィルバーが
シャーロットに信頼を寄せ親友になっていくのに合わせて、そんな気持ちはどこかへ消えていった。
とても賢い
シャーロットのおかげで
ウィルバーは命拾いをするのだけれど、
シャーロットの寿命は短く、やがて別れがやってくる・・・こんなシーンは、子ども向けの童話と侮るなかれ、じわじわーっと涙が
友情の美しさ。
一見まったく相容れないようなモノ同士でも、対話や共通の経験を通じて信頼関係が築けること。
こういう良い面はもちろん、それ(悪く言えばキレイゴト)だけでなく、生まれたばかりの
ウィルバーを世話していた少女
ファーンが成長するにつれ
ウィルバーへの興味を失っていく様や、賞を獲れば
ウィルバーを大事にする農場主
ザッカーマンなど、かなり現実的なところにも、完全な“悪役”を作り出すことなく触れられているのが、上手い童話だな、と思った。
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