Platonic Love

音楽グループ「ｇｌｏｂｅ」のラップ担当、マーク・パンサー（３７）の妻、酒井薫子容疑者（２９）が東京・六本木の路上で麻薬のケタミンを所持、使用したとして、警視庁麻布署に麻薬取締法違反の疑いで逮捕されていたことが５日、分かった。酒井容疑者はベビー洋服のブランドを経営しており、テレビや雑誌に登場する有名な“セレブ妻”だった。

　夫は芸能人で、１児の母にして会社経営者。誰もがうらやむ“カリスマママ”が、麻薬に手を染めていた。
　酒井容疑者は６月１８日午前５時４０分ごろ、六本木の路上で自家用車を停車中、同署員の職務質問を受けたところ、所持していたバッグの中から白い粉の付着したビニール袋が発見された。車内には友人女性も同乗していた。
　分析の結果、粉末は麻薬に指定されているケタミンと判明。任意で行われた尿検査ではケタミンとコカインの陽性反応が出たことから、今月３日になって東京・羽田空港にいるところを逮捕された。
　酒井容疑者はケタミンについて「胃が痛いときに飲んでいた」と使用を認めたが、コカインについては「知らない」と否認しているという。
　公私ともに幸せの絶頂にいたはずだった。建設関係会社の社長令嬢として育った酒井容疑者は、パーティーで知り合ったマークと急接近し、平成１４年５月にできちゃった結婚。小室哲哉（４８）に率いられ、「Ｃａｎ’ｔ　Ｓｔｏｐ　Ｆａｌｌｉｎ’　ｉｎ　Ｌｏｖｅ」などのミリオンヒットで音楽界の頂点に立った「ｇｌｏｂｅ」の一員で日仏ハーフのイケメン夫と結ばれ、同年７月には女児を授かった。
　ほどなく、パニック障害を発症したマークのために石垣島に別荘を建設。翌１５年にはベビー洋服販売会社「アイリ・ファミリー」を設立し、東京と石垣島を往復しながら、ファッション界でも名をとどろかせた。
　１８年８月にはＴＢＳ系「世界バリバリ☆バリュー」のセレブ特集「バリバリ☆警察２４時～全国のセレブを一斉検挙！」に夫婦で出演し、東京・三番町のマンションでの優雅な生活を披露。今年に入っても女性ファッション誌のインタビューに登場するなど世の女性たちのあこがれの的だった。
　そんな華麗な生活を、棒に振るような麻薬使用になぜ走ったのか。同署は入手経路などの解明を急いでいる。

■捜索中に帰宅、マーク無言…
　警視庁はこの日午後、マークと酒井容疑者の東京・三番町の自宅マンションを家宅捜索した。マークは捜索が行われている最中に帰宅したが、報道陣の呼びかけには無言のままだった。
　一方、酒井容疑者が経営する東京・代官山のベビー洋服店「Ｃｒｏｗｎ　Ｈｅａｒｔ／代官山肌着工房」は終日門を閉ざしたまま休業。定休日は月曜日だが、逮捕の影響で臨時休業したとみられる。

【元警視庁刑事の社会病理学者、北芝健氏】
「ケタミンは、北朝鮮製の覚醒（かくせい）剤が品薄になったことで昨年ぐらいから錦糸町、歌舞伎町、六本木などで出回っている。若者の間では覚醒剤よりおしゃれで手軽なイメージがあり、クラブで安易にやりとりする。生活が不規則になりがちなファッション業界、芸能界などでは、気持ちをシャッキリさせるために手を出すケースがあるようだ」