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『キメラの勾玉』NARUTO-ナルト短期連載小説
※サスケ奪回任務後。 予告編はこちらから 初めから読みたい方はこちらから ※通常更新履歴は日記にて記載しているのですが、連載中はFreepage List(フリーページ)「更新履歴(仮)」に記載します。 第7話「闘いの幕開け」 数秒後、二人は現れた。近くの木の枝に、二人は止まる。サスケは、一見里にいた頃の見慣れた格好だった。青いシャツに白いパンツ。だが、額当てのマークは間違いなく音の印が刻まれていた。もう一人はザキラという男だろう。全長二メートル以上はありそうな巨体である。黒い布切れをばさばさとつなぎ合わせたような服装だ。顔は青黒く、目には生気がない。暗黒色の目だ。殺伐とした表情。顔の肉はいくつものつぎはぎがあり、その裂け目からはどす黒い血が粘っこくついている。そして――うちはサスケ。サスケもまた、同じく殺伐としたオーラを発し、その目は冷酷だった。 「……サスケ。ナニモノダ……」 ザキラが言葉を発した。どこか機械的で、感情が欠けているようだ。 「……雑魚だ。無視して中に入るぞ」 「イヤ……コロシタイ」 ザキラはおぞましい顔の血を吹き飛ばすと、猛烈な勢いでネジたちに襲いかかっていった。シノがいち早く大量の蟲を襲いかからせるが、何故か蟲たちはザキラの体からボロボロ落ちていく。 「何だ……!?」 シノが驚いている間に、キバが赤丸の異変に気付く。赤丸は、今迄に見たことのないほどブルブルと震えている。 「アイツ……相当やべぇみてぇだな。シノ……どうする?」 キバは赤丸を抱えながら聞いた。 「アイツの周りには何かある。ヒナタ、白眼で見てくれ」 「はい! 白眼!!」 ヒナタは白眼をつかってザキラを見た。ヒナタははっとして、かすかに震える。 「どうした……ヒナタ」 「シノくん……。あの人の体……死んでる!!」 その言葉に、皆が一斉にヒナタを見る。 「そして……常に体中から毒の気が出てる。蟲が落ちていったのも、毒気に当たったからだわ」 そしてヒナタは助けを求めるように、ネジを見る。 「ネジ兄さん」 「……白眼!!」 ネジは察すると、白眼をつかった。そして、驚愕する。 「……ヤツの体は、人間の体ではない。作り物だ。恐らく、痛みも感じないのだろう。生命エネルギーの代わりに……心臓の位置に埋め込まれている何かから力が発せられている……」 「何てヤツなのー!!」 影で見ていたいのが、冷や汗を流した。 「蟲をあててヤツの毒気を和らげる。しかしそれは一瞬しか効果がない。キバ、ヒナタ……その隙にヤツを両脇から押さえろ。あとは、日向ネジ……お前たちに任せる」 「ああ。だが気をつけろ。アイツは何か計り知れない底知れぬ力を感じる」 シノはうなずくと、再び蟲をザキラに襲いかからせた。一瞬後にキバとヒナタが飛び上がり、ザキラの両脇を抱える。蟲はすぐにボロボロ落ちていき、キバとヒナタは毒気で体がしびれていく。だがネジたちも、すでに飛び上がっている。リーが木ノ葉旋風を食らわせた。続いてテンテンがクナイを投げ、ネジが突きを食らわせる。しかしザキラは倒れることもなく、まるで大木のように悠々と立っている。 「ヒナタ様! キバ! 退け!」 ネジは叫んだ。ヒナタとキバは、かなりの毒気を吸い込み、ふらりと落ちていく。シノが二人を抱きとめる。ネジとリーもまた毒気のせいで、一瞬しか敵に近距離攻撃を与えることが出来ない。ネジ班はひとまず退散し、ザキラの近くの枝へ移った。 「ネジ! アイツ、感触が変です。なんだか、ゴムみたいです!」 「ああ……オレも感じた」 ネジは、汗を流してザキラを観察した。 「きゃあ!!」 テンテンが叫んだ。ザキラが、胸にささったクナイを平然と抜いたからだ。胸から、緑色の粘液が流れている。ザキラはクナイを投げ返した。気付いたときには、それはテンテンの胸にグサリとささり、テンテンは木から落ちていく。リーは急いで追いかけ、テンテンを抱きとめた。 「だいじょうぶですか!? テンテン!!」 「う……うう……!」 急所はまぬがれたようだが、テンテンは胸からドクドクと血を流している。ザキラの粘液がついたクナイを受け、テンテンもまた毒気に当たったようだ。 「速い……」 ネジはザキラの底知れぬ力の一端をかいまみて、かすかに震える。 「ヤツに外面的損傷を与えても無駄だ。とはいえ、経絡系がなければ柔拳も使えない……。何かヤツの内面へ届くような強大な攻撃を与えれば……。しかし……」 リーの木ノ葉旋風にびくともしない様子を見ると、ザキラを倒す可能性のある技は、もはやネジには思いつかなかった。 ☆次回予告☆ 歯が立たぬ敵に作戦変更! チョウジといのに課せられた役目とは? テンテン『今日は私の誕生日です☆ でも物語の中では……痛い(涙)』 人気blogランキング お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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