かんこ様より「こころのしずく」60000HITお祝いとして頂いた剣心&弥彦絵をFreepage List(フリーページ)るろうに剣心頂き物イラストにアップしました。アップした絵は↑こちらです。
水彩画風のとても優しい絵です。剣心の優しい感じと、弥彦の若いパワーが伝わってきます。かんこ様、ありがとうございました!
さて、絵にちなんで、剣心と弥彦の小話です。
母上が死んでから、ずっと独りぼっちだった。
だけど、あの日橋の上で、剣心と薫と出会って。
そうして俺の夢は始まった。
『あの日から……』(剣心と弥彦・シリアス)※弥彦語り
朝起きたら、剣心がご飯作ってくれて。
それは誰かの残り物なんかじゃなくて。
昼になったら、薫が稽古をつけてくれて。
もうスリをして手を汚さなくてもよくて。
夜になったら、左之助がふらりとやってきて。
上納金を取り立てにくるわけでもなくて。
そんな毎日が、当たり前のように過ぎていく。
ふいに、その幸せが夢なのではないかと思って。
また地獄のような日々に戻るのが怖くて。
白昼、一瞬足を止めてしまった俺は、少し前を歩く剣心の袖を思わずつかんだ。
「どうしたでござるか? 弥彦」
「……」
胸がつまって、何も言えない。
「ひどく、不安そうでござるよ」
「……」
剣心は、俺の顔をのぞきこむ。
そうして剣心は、俺の頭にポンと手をおいて。
言ったんだ。
「だいじょうぶ。拙者も、みんなも、弥彦のそばにいるでござるよ」
あの日。冬の終わりの寒い日。
差し伸べられた手は大きくてあたたかく。
その日から、剣心がいて、薫がいて、左之助がいて。
「弥彦……」
剣心が、俺を抱きしめる。
なんで涙が出るんだろう。
あったかい胸の中で、俺は実感する。
そう。あの日から。
俺の夢は始まった。
剣心がいて、薫がいて、左之助がいて……。
☆あとがき☆
きゃあぁあ恥ずかしいです><
以下、軽いネタバレご注意です。
ええと『るろうに剣心 巻之二十四 ユメノオワリ』から、いろいろ想像して書きました。原作で弥彦は、 剣心たちと初めて会った日を回想し「あの日から剣心がいて薫がいて、俺の夢も始まった」というようなことを言っています。ここで言う「俺の夢」とは、もちろん剣心の跡を継いで人々を守りたい、という意味もあるのでしょう。けれど管理人は、それプラス「みんなと生きていくこと」という意味もあるのだと思います。そんな弥彦の、みんなと生きる幸せを伝えたくて、書きました。作中では表現できていませんが、弥彦は周りの人が「極道連中」から「あたたかい人たち」に変わり楽になったから幸せなのではなく、剣心たちという家族が出来たから幸せなのだと思っています。
あ、「あの日」に左之助はまだいなかった;;
弥彦『おい管理人。勝手な想像してんじゃねェ!! ったく……』
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