先生へ
実は病気を持っていて、長年診ていただいている先生がいます。今回、突然人事異動で先生が替わることになってしまいました。とてもショックです。いつも笑顔で優しい先生。尊敬していたし、大好きでした。私が尊敬する2人の方のうちの1人でした。何度か手術もしていただきました。体の中に直接ふれられるのですから、嫌いな先生では困ります。好きな先生に執刀していただいたからこそ、傷跡にあたたかみが残っているのです。入院中、お部屋の方たちと担当医について話しました。どの方も、みんな自分の担当医に一番の信頼をおいていました。もちろん私も、先生が担当医であることが誇らしくてなりませんでした。もしもの話ですが、この病気で命を落とすとしても、最期まで診てもらえるのが先生ならいいなと思っていました。今度、また手術をします。でももう、先生には執刀していただけません。それどころか、もう話をすることさえ出来ないでしょう。病気になっても、先生が大好きで尊敬できたから、のりこえられました。とても辛いです。優しくしていただいたことや、一生懸命診察してくださったことを思い出します。治療中、私が痛がると、いつも先生が謝っていました。痛がりの私が悪いのに…。苦しいときは、にこっとして励ましてくれました。楽になりました。いろいろ思い出すと、涙でそうです。一生の病気だから、いつか先生とお別れすることは覚悟していました。でも、もっと診ていただきたかったです。大好きで、尊敬していて、信頼していた先生。離れてしまうのは、心が痛いです。たとえば、恋人など恋愛感情を持つ人と別れるときが「身を切られるような激しい痛み」だとしたら、先生とお別れするのは…。一言では言えません。さみしい、悲しい、不安…、そんなネガティブな気持ちが、鈍くうずを巻いています。心が、重いです。とても、苦しいです。先生に、伝えたいです。先生を(先生として)好きだったことや、どんなに尊敬・信頼していたかを…。伝えてもいいのでしょうか。「こころのしずく」というホームページのタイトルなのに、初めての「こころ」カテゴリです。しかも重い内容でごめんなさい。とにかく今日は、とても悲しいんです。次回は、うれしい「こころ」が書けたらいいな、と思います。