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カテゴリ:旅
6時半の空は、登ったばかりの太陽が日中とは違う光で照らしてくれていた。 今日がはじまるって感じ。 今日は太忠岳に登る。 真ん中の指を立てているようなあの岩まで行く。 今日のメンバーは女性一人旅が3人と、ガイドさん。 まずはヤクスギランドに入る。 そこに行くまでの間の道に猿がのどかに毛づくろいをしていた。 朝の太陽の光を浴びている杉の森が美しかった。 江戸時代に屋久杉が年貢のかわりになったことから、大量の伐採が行われた。 それにより、樹齢1000年以上の屋久杉の7割は切られてしまった。 切り取られた切り株 献上する木として必要ないとされたものは、持っていかれず そこらじゅうに放置されていた。 江戸時代と同じ景色を見て、江戸時代の人が残していった木がそのままそこにおいてある。 下手な城壁の跡とか、復元された城などを見るよりも、よっぽどリアリティがあった。 その時代より昔から生えている樹齢1000年以上のものを全て屋久杉と呼び、 その後のものを小杉と呼んでいる。 切り取られたあとの切り株の上に、次の杉が生える。 切られた屋久杉の周囲は太陽が当たりやすくなり、新しい木が生える。 それが小杉となる。 そんな風に植物は競争して、共存して、一生懸命生きている。 強い。 屋久島の自然、屋久杉の強さを目の当たりにした。 太陽の方に向かって伸びる枝 仏陀杉 仏陀の時代からあるといわれているため。樹齢1900年。 もちろんまだ生きている。美しかった。 山の至るところで沸いている水は、そのままペットボトルに入れて飲むことができる。 ここから世界遺産 世界遺産になったことで一長一短があるらしい。 いいことばかりではない。 屋久島の住民で反対した人も多いという。 生きるために、光を浴びるために、枝を伸ばす。 頂上到着 最初は霧がかかっていて真っ白だったけど、徐々に美しい森を見せてくれた。 ああ、気持ちいい。いい匂いだ。 屋久島は1週間のうちに10日間雨が降ると言われている程、雨が良くふる。 そのおかげで、あの自然が成り立っているのである。 その通りに帰りは土砂降りになった。 雨の森を歩くのも、なんだか森と一緒になっている気分で、心地よかった。 ガイドさんに 江戸時代の屋久杉の伐採についてどう思っているのかと質問した。 「伐採があったから、小杉が生えてきた。そのすぎの周りに新しい生命が芽生えた。 あの時あの木を切っていなかったら、その杉の中は空洞になり、 結局は使えない木になってしまったはずである。だから良かったと思っています」 と。意外な返答だった。 世界遺産になって、そのエリアに手をつけてはいけないことになった。 「人間が守るべき自然って本当にあるんでしょうか。僕には分かりません」 と言っていたガイドさんの言葉が印象的だった。 こんなに森の中を歩いたのって、天然の森の中を歩いたのって、初めてな気がした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.09.30 01:23:21
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