カテゴリ:死
彼女が死んでも私は大してダメージを受けなかったと思った.
けれど,もし彼女が死ななかったら私は 今の私になっていただろうかと考えると だいぶ違うものになっていたんじゃないかと思える. あんなに大事に思っていた人が,夢のように思っていた人が死んで それでも私は予定通りに人生の岐路で賭けをした. (どれほど後悔を負っても足は前に進むのだと知った.) あるいは人生を賭けた大事に似合わぬ呆気無さ,現実感の希薄さこそが 私の受けていたダメージなのかもしれない. 彼女は天蓋のようなもので,常に太陽と共に在った. 瑞々しく荒々しい大気であって,光であり夢だった. 彼女の死から二年半が経ち,気がつけば私は彼女の夢を追っている. あの天蓋が消えて, 私に夢が降ってきたようだ.眩しく辛く,綺麗なだけじゃないものが. 彼女は,私の夢は幸せだったろうか.私には どちらが良いかなど分からない. お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010.06.12 14:23:15
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