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カテゴリ:永遠の桃花~三生三世~全58話
三生三世十里桃花 Eternal Love 第15話「天族の政略結婚」 九重天では素錦(ソキン)が嫁ぐ日を迎えた。 侍女・辛奴(シンド)は主人に忠誠を近い、せめて自分だけには本心を打ち明けて欲しいと訴える。 すると素錦は辛奴の手を握りしめ、これも全て夜華(ヤカ)に嫁ぐためだと教えた。 ↓2人合わせてドキンちゃん…ナンテ…震え声 そこへ突然、天君がやって来る。 天君は素錦とは名目だけの夫婦に過ぎないことから、今まで通りこの寝宮で暮らすことを認めた。 素錦は心から感謝し、明日にでも先祖の祭祀に帰りたいと頼む。 天君はこれを機に首領たちとのわだかまりをなくすため、連宗(レンソウ)と桑籍(ソウセキ)を同行させると決めた。 しかし素錦は継承者である皇太子に来てもらうのが天族からの最善の誠意になると助言する。 天君も確かに鮫人一族との戦で兵を率いるのが皇太子なら、先に分支の頭領たちと引き合わせた方が良いと納得した。 一方、大紫明宮では玄女(ゲンジョ)が離鏡(リケイ)の令牌を臙脂(エンジ)に渡していた。 どこか後ろめたい臙脂はこれも家族のためであり、兄弟2人が反目する姿を見たくないだけと言い訳がましい。 しかし玄女はただ黙って微笑み、臙脂を見送った。 離鏡の寝台には今でもあの時に置き忘れて行った司音(シイン)の衣服がある。 「離鏡、あなたの最愛の妹があなたを裏切ったわ、大紫明宮の中であなたの味方はこの私だけになった 今度こそあなたの心を手に入れてみせる…」 その頃、司音の手がかりを失った離鏡は蓮の池で酒をあおっていた。 そこに司音の衣服を着た玄女が現れる。 酔っていた離鏡は司音だと思い込み、思わず引き寄せ口づけしてしまい…。 天宮の白鳳九(ハクホウキュウ)はようやく東華帝君(トウカテイクン)に謁見できたが、帝君は黙って出て行った。 後を追いかけた鳳九は回廊に立つ帝君の後姿を見つけると、気まずそうに伏し目がちのまま近づいて行く。 「帝君…鳳九からお話があります 今日、3殿下から聞きました、天界では恩返しを口実にあなたに近づく娘が多いと でも鳳九は違います、小さい頃から両親に教わって来ました ″一滴の水の恩を涌き出る泉をもって報いよ″と… 命を救ってもらった恩ならなおさらのこと、鳳九は若いけれど道理を心得ています 姑姑(ココ)も言っていました、"神仙たるもの、自分の心に率直であれ”と 今日、3殿下に聞かれました、鳳九が帝君に対して"そういう"感情はないのかと それで少し考えてみたんですが…鳳九も多少、帝君にそういう気持ちがあります 帝君、ご理解いただけましたか?」 すると帝君がゆっくりと振り返った。 鳳九はそこでようやく顔を上げたが、帝君の肩越しに天君と織越(ショクエツ)の姿が…。 「話は終わったか?」 「はっ…話は終わりました(汗」 鳳九は顔から火が出るほど恥ずかしくなり、慌てて引き返して行った。 天君はその美しい仙娥が青丘の小帝姫・白鳳九だと知って驚いた。 鳳九を見下していた織越もまさか青丘の姫だと知って面白くない。 すると天君はわがままな織越に白鳳九がいずれ五荒の1つを継承する女帝だと教え、青丘の者の機嫌を損ねてはならないと釘を刺した。 「それにしても帝君は世俗から離れて久しい、あの姫の想いは無駄になるのぉ(ふっ」 「(ピキッ)そう言えば、天君は素錦族の遺児を天妃に娶ったとか?」 「いかにも」 「天宮では久しく慶次がなかったはずだがな~」 「(負けず嫌いかっ)」 一方、人間界では結婚した素素(ソソ)と夜華が幸せな生活を送っていた。 そんなある朝、1人で料理をしていた素素が鶏を焼こうとして火事を出してしまう。 2人は中庭に避難して無事だったが、素素は婚礼衣装だけはあきらめられなかった。 しかし夜華は火の勢いがすごいので危険だと止める。 「だって新婚の衣裳なのよ?一生に一度の衣装なのに…」 「なら毎日、新婚のままでいよう」 「(ぉぉ~)夜華って情話も上手なのね…」 「(ぅ…)」 結局、草屋は全焼した。 しかし素素はここに住みたいと落胆する。 夜華は素素の願いを叶えるため、素素の目を手で覆い隠し、その隙に仙術を使った。 素素が目を開けてみると、草屋はなぜか元通りに…。 「あなた何者?まさか”私は妖怪でしたー"なんてオチじゃ? どうりで初めて会った時から変だと思った~大怪我したのにすぐ治っちゃったし 夜華、あなたもしかして…あの金猊獣(キンゲイジュウ)なの?」 (´゚艸゚)∴ブッ<では私が怖いか? 「夜華、あなたがどんな妖怪でもいい、だって私たち天地に拝礼して夫婦になったのよ」 素素は夜華を金猊獣だと思い込み、ならばあの黒龍が探しに戻って来ると気づいた。 今すぐここから逃げなくては殺されてしまう。 夜華は妖怪だと分かっても自分について行くと決めた素素の深い愛情に感激した。 「夫婦になったんだもの、あなたが人でも妖怪でも構わない あなたがいる場所が私のいる場所よ? あなたが罪を犯したなら私も一緒に命で償う、夫婦なら最悪の場合はそうするでしょう?」 「もう一度、言ってくれないか?」 「この世界でいつどこで何が起ころうとも、あなたが私を裏切らない限り 私は永遠にあなたから離れない」 夜華は愛おしいさのあまり素素を抱きしめた。 しかし素素は早く逃げようと夜華を急かす。 「ぷっ、逃げることないんだ、僕は妖怪なんかじゃない 素素…私はただの人間だ ただ修道で登仙を目指してたんだ、ちょっとかじった程度だけど法術を学んだ …どうかした?がっかりしたのか?」 「(ぷっ)違うわ、私ったらもう少なくとも100種類くらい考えてたの、逃亡の方法(ふふっ」 天君と東華帝君が急に夜華の洗梧宮(センゴキュウ)にやって来た。 仙娥の話では皇太子が体調を崩し、人払いして休んでいるという。 天君はともかく皇太子に知らせるよう命じたが、そこに慌てて連宋(レンソウ)が慌駆けつけた。 連宋は夜華がちょうど傷を癒している最中だと説明、仙娥が声をかけて万が一にも魔道に落ちたら大変だという。 しかし天君は金猊獣からの傷など些細なことだと取り合わず、仙娥を急かした。 その頃、夜華と素素は林の中にいた。 夜華は素素が山菜を採っている間に狩りをしていたが、連宗からの合図に気づく。 夜華は矢を放った瞬間に煙となって姿を消した。 素素は矢が木に刺さった音に驚いて振り返ると、なぜか弓だけが落ちている…。 「太子殿下?」 仙娥が紫宸殿の扉に手をかけたまさにその時、急に扉が開いて夜華が現れた。 夜華はわずかに呼吸が乱れていたが、連宗はほっと胸を撫で下ろす。 しかしその頃、素素は夜華の弓矢を抱きしめ、林の中で途方に暮れていた。 夜華は鮫人族の件で寝食を忘れていたため、疲れてしまったと取り繕った。 すると天君は夜華と青丘白浅の縁談の相談に来たと話す。 夜華は時間稼ぎのため、今はまだ望まれる名君となるため専念する時、よって結婚は時期尚早ではないかと訴えた。 「どうかこの孫に2万年の修練の時間をお与えください」 東華帝君は一理あると納得したが、天君は初めて自分の意に反した夜華をいぶかしんだ。 何より寵愛していた次子・桑籍(ソウセキ)に裏切られた辛い経験がある。 しかし東華帝君も縁談を焦り過ぎてはかえって狐帝が驚くと加勢した。 「我らの皇太子が人に言えない病気でも持っているのかと疑い、かえって破談にされるやも」 夜華は天君をうまく懐柔してひと安心した。 しかし見送りに出たところで、今度はなぜ人間界で龍神の姿になったのか突っ込まれてしまう。 そこで夜華は咄嗟に袂(タモト)から玉清崑崙扇を出した。 人間界で偶然、出会った翼君がなぜかこの崑崙の法器を持っていたと説明、扇子を取り戻すためにあえて龍の姿を見せたという。 夜華はこの法器が墨淵(ボクエン)の仙体を探す手がかりになると進言した。 結局、天君は夜華の話に納得し、宴の後に素錦の先祖の参拝に同行するよう命じる。 祭祀と言ってもそれは建前、夜華には次の天の主人として分支の首領たちと良好な関係を築いて欲しいという。 「素錦が一緒ならうまく事が運ぶ、首領たちは忠臣の遺児である素錦を大事にしておるからな」 夜華は連宋と一緒に寝殿に戻った。 肝を冷やした連宗は天君が人間の娘を娶ることなど絶対に認めないと話し、よく考えるよう諭す。 天上の1日は人間界の1年、2ヶ月もあれば夜華は添い遂げることができるが、もはや素素との関係は時間だけの問題ではなかった。 しかし桑籍と同じ轍を踏むことだけは避けなくてはならない。 連宋は今さらながら、兄を助けるために青丘との縁談を夜華に押しつけたことを悔やんだ。 少辛(ショウシン)は幸いにも殺されずに済んだが、もし天君がこのことを知れば、夜華の愛する娘は酷い目に遭わされることは目に見えている。 夜華はまだ心の整理がつかず、ともかく今は俊疾山に戻らねばならないと言った。 連宗は咄嗟に引き止め、素錦と参拝に行かなければならないと反対する。 その時、2人は誰かが来たことに気づき、話をやめた。 紫宸殿に素錦がやって来た。 祝宴が終わったのでこれから祭祀に出かけるという。 すると連宗は夜華の恋路を助けるため、自分も参拝に同行することになったと教えた。 素錦は思わぬ邪魔者の登場に戸惑ったが、断るわけにもいかない。 仕方なく素錦は道のりが長いため、行宮で1泊すると伝えた。 ( ತ _ತ) <一泊だと?! 白鳳九が居所に戻ると、急に先輩仙娥たちの態度が変わっていた。 実は今日、帝君から白鳳九が身分を隠して修練のために太晨宮に来ていると伝達があったという。 すると先輩は白鳳九のために部屋を用意したと教えた。 驚いた鳳九はここでいいと言ったが、帝姫が奴婢と同じ部屋で暮らすことはできないという。 (๑ŏ _ ŏ)<ここで皆と暮らすことが修練なの!いいわ、自分で帝君に話して来るから 東華帝君は書房で茶を飲んでいた。 白鳳九はわざと足首に巻いてある帝君の鈴を鳴らすが、何も言ってくれない。 仕方なく鳳九は恩返しに来た以上は身分を忘れたいと切り出し、仙娥たちと一緒に住む許可を求めた。 帝君は止めるつもりはないと認め、太晨宮に入ったのは本当に恩返しのためなのか尋ねる。 白鳳九はその通りだと答え、何か望みがないか聞いた。 そこで帝君は鳳九に誘導尋問しながら墨淵と白浅の関係を探ってみる。 しかしこう見えて鳳九は口が堅かった。 するとこれ以上、恩人を騙すことに気が引けたのか、鳳九は咄嗟に茶碗を洗ってくると断って出て行ってしまう。 白鳳九は慌てて門を出ると、ようやく一息ついた。 (˘•ε•˘)oO(おかしいわ、なぜ帝君は姑姑と墨淵のことばかり聞いて来るのかしら? すると織越が後ろから急に声を掛けたせいで、鳳九は茶碗を落して割ってしまう。 「ああ___大変だわ…驚かせないで!」 鳳九は帝君が墨淵からもらった大事な茶碗のことで頭がいっぱい、織越は無視されてガミガミ文句を言っている。 「ああ___うるさくて頭が痛い___」 その声は帝君だった。 帝君に会えた織越は喜んで挨拶したが、用がなければ下がれと追い返されてしまう。 「ふぉんじぅ?墨淵上神がくれた茶碗を割ったな? また新たな借りを作ったが、恩返しに追加するか?」 「そうやって数えるものなのですか?」 すると帝君は黙って戻って行ってしまう。 (๑ŏ _ ŏ)oO(姑姑~墨淵師父に早く戻ってもらわないと… 鳳九はこのままでは永遠に恩返しが終わらなくなると焦った。 つづく ※一滴の水の恩を涌き出る泉をもって報いる→小さな恩も忘れず何倍にもして返すこと、″滴水之恩 当涌泉相報″ (^ꇴ^)帝君vs天君、おじいちゃん同士プライドの戦いw お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2019.09.04 21:15:40
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