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カテゴリ:月に咲く花の如く 全74話
那年花开月正圆 Nothing Gold Can Stay 第4話「殺人事件の謎」 沈月生(シンゲッセイ)は商いのため呉聘(ゴヘイ)に侍女を譲ると約束した。 しかし周瑩(シュウエイ)をあきらめ切れない沈星移(シンセイイ)は一足先に段(ダン)媽の部屋に忍び込み、周瑩の身売り証文を盗んでしまう。 一方、沈月生は父に呉聘との盟約を報告していた。 沈家の当主・沈四海(シンシカイ)は陰謀ではないかと心配したが、月生は呉聘から誠意を感じたという。 何より沈家の屋号が戸部に認知されれば次の入札に期待ができる。 沈四海は確かに侍女ひとりと引き換えなら割に合うと考え、息子を信じることにした。 呉家東院の仁寿(ジンジュ)堂に取引先の胡志存(コシソン)がやって来た。 胡志存は呉家が受注した新たな軍需品が金創膏(キンソウコウ)だと聞きつけ、質の良い血竭(ケッケツ)を仕入れたばかりだと持ちかける。 すると呉蔚文(ゴイブン)は二つ返事で胡志存に血竭に頼むと決めた。 実は2人は旧知の仲、先日は胡志存の娘・胡咏梅(コエイバイ)が久しぶりに呉家東院を訪ねたが、妻の鄭(テイ)氏が咏梅をとても気に入ったという。 そこで呉蔚文はそろそろ日取りを決めて呉聘と咏梅の式を挙げてはどうかと提案した。 胡志存も賛同し、婚礼は半年後の秋頃と決まる。 そしていよいよ呉家東院に沈家の膏薬(コウヤク)、胡家の薬剤が搬入された。 周瑩が学徒房から戻ると、少爺房は何やら大騒ぎだった。 実は呉聘が式を挙げることになり、その準備で忙しいという。 春杏(シュンキョウ)は相手の名が咏梅だと教え、古月(コゲツ)薬剤店の令嬢で美人な上に見識が高く、聡明、字も上手いと言った。 「あれがそうよ」 壁には咏梅が呉聘に贈った掛け軸が掛かっている。 そこへちょうど呉聘がやって来た。 呉聘は思わずこの字をどう思うか聞いたが、周瑩は書道に疎いと断る。 「遠慮せずに言ってくれ」 「ウム…普通ですね、乱雑すぎてめまいがします」 呉聘は失笑すると、春杏は呆れて仕事に戻って行った。 周瑩は呉聘から半年後に式を挙げると聞いて残念がった。 3ヶ月後には学業を終え出て行くため、見届けられないという。 呉聘は咄嗟に優秀な周瑩ならここで見習いをすれば番頭になれるかもしれないと言った。 しかし無意識のうちに周瑩を引き止めている自分に気づき、思い直す。 「出て行くのか…それもいい 身売り証文がまだ沈家にあるが、沈月生が譲ると約束してくれた だから行きたいところへ行ける」 周瑩は呉聘の寛大な計らいに心から感謝し、改めて拝礼した。 その夜、呉聘はふと掛け軸に目を留め、周瑩の評価を思い出した。 そこで春杏に咏梅の書を外してくれと頼む。 「あんなに咏梅さんの字を褒めてらしたのに…気に入りませんか?」 「…(クスッ)外してくれ」 そこへ父の使いがやって来た。 すぐに仁寿堂へ来いという。 何者かの密告により膏薬偽造の疑いで呉家東院を調査をするよう勅命が下った。 呉家東院は総出で調べたが、膏薬の原料に問題はない。 すると呉蔚文は原料はもちろん、軍需品に関する帳簿や書類も全て封をして保管するよう命じた。 まさかの事態に揺れる呉家東院、当然ながら疑いの目は膏薬の半分を製造した沈家に向けられる。 「沈家の値は原価より低かった、それに沈四海はカネに貪欲な男だ…」 一方、沈家にも動揺が広がっていた。 沈家の品には問題がなく、疑心暗鬼になった沈四海は呉蔚文が始めから自分たちを陥れるつもりだったと決めつける。 恐らく例の侍女も呉家の人間だったのだ。 軍需品偽造の罪が軽くて流刑、重ければ死罪となって財産没収…。 責任を感じた沈月生はすぐ仁寿堂へ乗り込むつもりだったが、沈四海は自制するよう釘を刺した。 これが本当に陰謀なら証拠など残っているわけもなく、捕まってしまう可能性もあるという。 父の手前、沈月生はおとなしく引き下がったかに見えたが…。 沈月生はこっそり仁寿堂へ出かけ、1人で忍び込んだ。 外で待っていた従者は2時(トキ)経っても戻らない主を心配し、当主へ報告に帰る。 驚いた沈四海はすぐ捜索に向かわせたが、結局、朝になっても沈月生は見つからなかった。 その日は膏薬偽造の件で欽差(キンサ)大臣が仁寿堂に来ることになっていた。 呉聘と家職・楊之渙(ヨウシカン)たちは朝から準備に向かったが、蔵の鍵が壊れている。 驚いた呉聘は慌てて中に入ると、そこには血を流して倒れている沈月生の姿が…。 沈月生は死んでいた。 事件を聞いた呉蔚文が慌てて屋敷から駆けつけたが、役所の趙白石(チョウハクセキ)が現場を調査しているため入れてもらえない。 するとちょうど知らせを聞いた沈四海が現れた。 呉蔚文は取り乱す沈四海をなだめ、下手人の逮捕に全力を尽くすと約束する。 しかし沈四海は呉家が息子を殺したと反発、野次馬に向かって呉家の仕業だと訴えた。 その時、ちょうど現場検証が終わり、立ち会っていた呉聘たちが出てくる。 呉聘はそのまま役所へ向かい、人だかりも散ったが、沈四海の怒りは治らなかった。 「死をもって罪を償ってもらう」 沈四海は呉蔚文に捨て台詞を吐いて帰って行く。 それにしても沈月生は夜中に蔵で何をしていたのだろうか。 呉蔚文はともかく欽差大臣が到着するまでに蔵の中を調べてみることにした。 趙白石が沈月生の遺体の検分の様子を見に来た。 すると検視人は致命傷である胸の傷を示し、初めて見る傷跡だと報告する。 「…仁寿堂で何かを見落としたとでも?」 そこで趙白石はもう一度ひとりで仁寿堂へ行ってみることにした。 一方、蔵に入った呉蔚文と楊之渙は、何か異常がないか見回っていた。 すると楊之渙が誰かが触った痕跡がある袋を発見する。 昨夜、全ての品に封をしておいたが、血竭の袋のひとつだけ口の閉じ口が変わっていた。 中を開けて確認してみると、驚いたことに血竭ではなく松脂(マツヤニ)を染めた物だと分かる。 楊之渙は確かに数日前まで血竭だったと首を傾げた。 中身がすり替わった袋はひとつだけだった。 呉蔚文はこの袋が沈月生の死と関係あると考え、ひとまず欽差大臣が到着する前にこの袋を隠すことにする。 ちょうどその頃、趙白石は仁寿堂の周辺を調べていた。 すると建物に沿って石のような物を引きずった跡がある。 その跡を追って行くとやがて行き止まりになり、確かに重そうな石が立てかけてあった。 近くには数枚の瓦が落ちている。 趙白石は誰かがここから塀に登り、瓦を踏んで落としたのではないかと推察した。 そこで実際に塀に手をかけ登ってみたが、蔵の戸が開いたので慌てて顔を引っ込める。 蔵から出て来たのは呉蔚文と楊之渙だった。 呉蔚文と楊之渙が蔵をあとにすると、ちょうど欽差大臣が到着したと前触れが聞こえた。 慌てた呉蔚文は楊之渙に裏門から出るよう指示する。 2人の様子を見ていた趙白石は楊之渙のあとをつけたが、途中で見失った。 仕方なく仁寿堂へ戻って見張っていると、帰って来た楊之渙が正門から入って行く。 しかしその時には何も持っていなかった。 呉聘は無事に釈放され屋敷に戻った。 すると父から欽差大臣の到着前に偽物に気づいて難を逃れたと聞く。 呉蔚文はその偽物をある場所に保管していると教え、欽差大臣が去ってから調べようと言った。 憶測でしかないが、沈月生が偽物にすり替えたのだろうか。 しかしそうなると誰が沈月生を殺したのか。 下手人は分からないが、誰かが呉家東院を陥れようとしていることだけははっきりしていた。 そこで呉聘は自分たちで下手人を探したいと訴える。 確かに趙大人(ダーレン)は沈月生の死と自分が無関係だと判断したが、現場が呉家東院の蔵である以上、世間の疑いの目から逃れられない。 呉聘は呉家東院の潔白を証明するため、まずは情報を集めることにした。 呉聘が釈放されたと知った沈四海は趙白石に直談判に来た。 しかし逆に趙白石からなぜ沈月生があの蔵にいたのかと追及されてしまう。 沈四海は息子が不正の証拠を見つけたため、口封じに殺されたのだと訴えた。 すると趙白石は血が乾いていたので沈月生が死んだのは恐らく深夜、呉家東院は沈月生を賊と間違えて誤殺したと言い逃れすることもできたはずだという。 そもそも呉家が殺したのなら遺体を隠すはず、朝まで蔵に放置するはずがない。 趙大人の正論に追い詰められた沈四海は思わず、呉蔚文の倍、払うので公正な裁きをと口を滑らせた。 侮辱された趙白石は激怒、自分の判決が不満なら知府にでも上訴しろと声を荒げる。 「私はカネで動く人間ではない、位は高くないが、私の名誉を汚せばただではおかぬ!」 呉聘が部屋に戻ると、騒動を心配して周瑩が待っていた。 春杏は疲れて戻った主のため茶を入れることにするが、呉聘はならばと頂き物の茶を差し出す。 「貢(コウ)天(テン)…朝(チョウ)瑞(ズイ)?銘茶ですね!」 周瑩ならではの発想がこんな時でも呉聘をふと笑顔にした。 「読み間違えました?」 「瑞貢天朝(ズイコウテンチョウ)だ」 春杏が出て行くと、呉聘は自分も呉家東院も大丈夫だと安心させた。 しかし周瑩に今すぐここを去るよう促す。 実は呉聘はまだ沈家から身売り証文を渡されていなかった。 沈月生の死で両家に溝ができたことから、侍女を返せと騒ぎ立てる可能性がある。 すると呉聘は明朝の馬車を手配し、さらに自分の書きつけを持って帳場で110両を受け取れと言った。 「10両は旅の費用に、残りの100両は商いの元金にすればいい そうだ、呉家東院の薬剤や茯茶(フーチャ)も準備させよう、故郷にへ持って帰り親戚にでも配るといい」 周瑩は部屋に戻ることにしたが、やはり思い直して引き返した。 そこで呉聘に身の上話が全て嘘で、本当は義父しかいないただの大道芸人だと明かす。 あの当たり屋の男は兄でも何でもない、ただ騙されかけた呉聘を見て小銭を巻き上げようと思いついただけだと…。 周瑩は幼い頃から義父と旅をしてきたと話し、騙さなければお金は稼げないと言った。 「全ては生きるためです」 「人の道に背いたと?!」 「違います違います!それはない!ただ食事や宿代をかすめ取っただけです!」 周瑩は呉聘をだまし続けている自分が許せなくなり、正直に話したという。 そこで呉聘や呉家東院から借りたお金はこれから稼いで少しずつ返すと約束した。 「いいか?周瑩…騙した銭は微々たるもの、正直者の方が大金を稼げる」 呉聘は呉家東院が繁栄したのは″誠″と″信″のおかげだと諭した。 「もう騙さないと約束してくれ」 「…″誰も騙さない″とですか?」 しかし周瑩は腑に落ちず、呉聘の揚げ足を取った。 ∮*ತ _ತ)<でも相手が悪人だったら?じゃあ〜殺されそうな時も嘘を言ってはいけませんか?善人を救うための嘘でもダメ? 呉聘は慌てて確かに仕方がない時もあると認め、改めて″銭が目的″で人を騙すなと言った。 「分かりました、約束します」 つづく ( ̄▽ ̄;)沈家の巻き込まれ率が高過ぎw お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020.01.15 00:09:12
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