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2020.02.11
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那年花开月正圆 Nothing Gold Can Stay
第24話「欲望の対価」

アヘン館を見回っていた知府・趙白石(チョウハクセキ)は洋務運動の推進には賛成したものの、ケシ栽培の推進には断固反対した。
今や大臣から貴族に軍人、下級役人から庶民まで、それも女子までがアヘンを吸っている。
国の行く末を懸念した趙白石は微力ならアヘン根絶に尽力しようと決意、まずはケシ栽培をやめさせようと考えた。

一方、東院再建の足掛かりを求めて街の商売を一通り見て回った周瑩(シュウエイ)。
しかしお茶や革製品の商いは老舗が多く勝ち目はない。
水たばこの販売は実績がなく知識がなかった。
料理店を開くにしても腕のいい料理人がいない。
残るは北仲(ホクチュウ)山にある田畑だが…。

役所は″関中(カンチュウ)におけるアヘン根絶の提唱″を公布した。
大部分の民は賛同していたが、中にはこの時期になってわざわざ麦畑をケシ畑に変える不届き者もいるという。
憤慨した趙白石は早速、その畑がある北仲山へ駆けつけたが、驚いたことに栽培していたのは公布を知らない周瑩たちだった。
趙白石はアヘンの害を痛感したと話し、一年かけて民を指導して関中からアヘンを締め出すと伝える。
しかし周瑩は朝廷の命令でないなら、どうするかは本人次第のはずだと言い返した。
「そうとも言える、だが私の希望としては種まきをやめて欲しい」
「趙大人、この畑は私たち東院数十人が生きていく糧なんです!
 種をまかなければ私たちは飢え死にするわ」
周瑩はケシ畑なら他にもたくさんあるが家はたった50畝(ホ)、まずは他の畑から取り締まったらどうかと非難した。

弱い者いじめと誤解された趙白石は嫌がらせではないと訴え、関中を健全な土地にするためにアヘンを根絶する必要があると釈明する。
すると周瑩は、ならばアヘンを吸いつつその税で私服を肥やす役人やアヘン館を先に潰せと迫った。
趙白石は周瑩の正論に言い返せず、強制できなくなってしまう。

一方、巡撫(ジュンブ)・王(オウ)大人に父の釈放を頼んだ胡咏梅(コエイバイ)。
しかし約束の半年を過ぎてもなしのつぶて、そこで巡撫署まで出向いたが、胡家職の話ではただ無事だという返事だけだったという。
苛立ちを隠せない咏梅、するとその時、巡撫署の前に馬車が横付けされ、王大人たちが誰かの見送りに出て来た。
「杜老板、失礼いたします」

隆昇和(リュウショウワ)に突然、胡咏梅が訪ねて来た。
杜明礼(トメイレイ)は思いがけない再会に言葉を失うが、丁重に招き入れる。
すると咏梅はいきなり家職と一緒にひざまずき、父・胡志存(コシソン)を助けて欲しいと訴えた。
驚いた杜明礼はなぜ自分を訪ねたのかいぶかしむと、咏梅は役所の前で見かけたと告げる。
「二品の官服を着た巡撫大人が礼を尽くしていました、お力のある方だと存じまして…」
そこで家職は箱に入った金子を差し出したが、杜明礼は不要だと言った。
咏梅は断られたと思ったが、杜明礼は力を尽くすと約束する。
感激した咏梅は父が無事に戻った暁には恩を返すために何でもすると誓った。
杜明礼は咏梅を立たせると、輿まで見送ることにする。
そこで別れ際、実は以前にも会ったことがあると伝えたが、やはり胡咏梅は覚えていなかった。

呉蔚双(ゴイソウ)は柳婉児(リュウエンジ)をかばって棒打ちの刑を受けた。
静養中の夫の様子を恐る恐る見に来た柳婉児、しかし、やはり夫は自分が首謀者だと気づいて怒っている。
今回ばかりは嘘泣きも効果がなく、開き直って暇を出してくれと言った。
「当然、考えた」
「(ぇっ?)らぉいぇ~!」
しかし呉蔚双は柳婉児を追い出せば家が成り立たないと誰よりも分かっている。
これも惚れた因果か、呉蔚双は結局、柳婉児を許した。

一方、王世均から硯(スズリ)の話を聞いた周瑩は西院の二叔・呉蔚武(ゴイブ)を頼った。
懐が深く、何事にも穏やかな男だった呉聘(ゴヘイ)、そんな呉聘に毒を盛るとすれば可能性はひとつしかない。
「呉聘の存在が己の利益の邪魔になる者です」
周瑩は呉聘が生前、三原質店を探っていたと教えた。
近くに来たからと急に寄ってみたり、店の様子を見張ったり、例の硯も実は呉聘の指示だったという。
それで何が分かったのか周瑩も知らないが、分かった後に呉聘が殺されたのは事実だ。
しかもその後、周瑩が三原質店を返せと言った途端、南院は宝来(ホウライ)を利用して自分を陥れ、流産させて池に沈めている。
「東院は三原質店の株7割を持っていました、でも毎年の利益は多くて2千両だったとか
 持ち株2割の南院の利益は些少です
 でも涇陽や西安にある同規模の質店の利益は毎年1万両以上はあるんですよ?」
呉蔚武は周瑩が自分たち兄弟を仲たがいさせるつもりかと疑った。
しかし周瑩はこのままでは西院が東院の二の舞になると指摘する。
そこで呉蔚武は半信半疑ながら三原質店の様子を見に行くことにした。

三原質店に入った呉蔚武は店番に声をかけたが、呉家の二爺と知らない店番は横柄な態度を取った。
しかもこれに怒った呉蔚武を店番はただの面倒な客だと思い込み、使用人に放り出せと命じてしまう。
拘束された呉蔚武は憤怒、すると騒ぎに気付いた孫永泉(ソンエイセン)が奥から現れ、店番はついにそのうるさい客が西院の二爺だと知った。


孫番頭は必死に謝罪したが、呉蔚武は怒りが収まらなかった。
すると知らせを受けた呉蔚双が慌てて店にやって来る。
そこで呉蔚武は帳簿を調べるべきだと話し、店番の態度だけを怒っているわけではないと言った。
「店の掟は守られず、秩序も乱れていると気づいた、これで商売が成り立つと思うか?!
 …改めるならます帳簿からだ、正確な帳簿は商売の基本だからな」
まさか妻と番頭が横領しているなど夢にも思わない呉蔚双は兄をなだめるためあっさり了承する。
慌てた孫番頭は繁忙期で人手がないと言い訳したが、呉蔚武は西院の帳場の者を手伝いに寄こすと言った。

呉蔚武は周瑩に早速、報告した。
店でわざとかんしゃくを起こし、強引に帳簿の調査に同意させたという。
「明日、朝一番で店に行き、西院の帳場の者を使って帳簿を調べてくる」
ただし呉蔚双はどうやら店の実情を把握していないようだった。
すると孫番頭がひとりで不正を行ったのだろうか。
そこで周瑩は趙鴻伍(チョウコウゴ)に見張りを頼んだ。

孫永泉はいつもの密会場所に柳婉児を呼び出した。
実は西院が明日、帳簿を調べに来ると教え、一緒に逃げようという。
柳婉児は呉蔚双に頼んでやめさせると言ったが、孫永泉は説得するより逃げた方が楽になると迫った。
「20年前、君は″親には逆らえない″と駆け落ちを拒んだ
 嫁いでからは″呉遇(ゴグウ)が大きくなったら″と言い続けて来た
 銀子は十分だろう?これまでにくすねた銀子は2万両以上になる
 2人で十分、暮らしていけるはずだ」
しかし柳婉児はどんなに説得しても一緒に行けないと突っぱねる。
孫永泉はさすがに柳婉児の心変わりに気づいた。
「20年前、奴は銀子で私から君を奪った、今となっても私は奴の銀子に勝てないのか…」
思いつめた孫永泉は自暴自棄になり、呉蔚双を殺しに行こうとした。
慌てた柳婉児は咄嗟に孫永泉を引っ叩き、冷静になれと止める。
「愛しているなら私の立場も考えて、今、逃げたら2度と呉遇に会えない
 私の実家も世間に顔向けできなくなるわ」
「私の気持ちは考えてくれないのか?」
孫永泉は限界だった。
本来なら番頭として40まで務めたら、今頃は余生の不安もなく安穏な日々を送れたはず…。
しかし呉聘が死んでからは夜もろくに眠れないという。
そこで孫永泉は最後にもう一度、一緒に逃げて欲しいと懇願した。
するとついに柳婉児がついて行くと了承、ただし、まず孫永泉だけ先に逃げ、支度をしたら後を追うという。
孫永泉は喜び、柳婉児を強く抱きしめてひとまず別れた。

孫番頭を見張っていた趙鴻伍は東院に戻り、周瑩に南院の女と会っていたと報告した。
「遠くて顔は良く見えませんでした」
「なぜ南院の女だと?」
「女の後をつけたんです、孫番頭は店に戻ったと思います」
すると周瑩は当分、孫番頭の見張るよう頼んだ。

南院に戻った柳婉児は追い詰められていた。
そこへ呉蔚双と呉遇がようやく帰ってくる。
すると呉遇が宝飾店からかんざしが届いたと話し、ひとつは緑の翡翠、もうひとつは紅玉だと言って化粧箱から出して見せた。
「母上は翡翠が好きなのに、父上が紅玉だと言うから賭けたんです
 母上、どちらか選んでください」
「かんざしなら沢山あるのに…」
「紅玉はないだろう?王家の夫人のかんざしを欲しそうに見ていた」
「…気がついてたのね」

柳婉児は結局、紅玉のかんざしを選んだ。
驚いた呉遇は翡翠が好きなはずだと訴えたが、柳婉児は価値がある物なら何のかんざしでも好きだと笑う。
妻の悪事を知らない優しい夫と、母の裏の顔を知らない無邪気な息子…。
柳婉児はやはり幸せな家族との生活を手放すことができなかった。

孫永泉は三原質店の前で身を潜めて待っていた。
すると林(リン)媽が駆けつけ、柳婉児からの荷物を渡す。
「″張橋(チョウキョウ)で待つように″と、3日以内に向かわれます
 それからもう1つ、″逃げる前に証拠は全て始末していくように″と…」

柳婉児の荷物には五百両の銀票と文が入っていた。
…この綿入れと西鳳(シーフォン)酒で身体を温めてね
…今度こそあなたと

西院では呉蔚武が明日の帳簿の調査について番頭に指示を出していた。
その時、突然、火事だと知らせる声がする。
「老爺!三原質店から火が出ました!」

つづく


( ๑≧ꇴ≦)<三原質店ってそんなに近いんかーいっ!





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最終更新日  2020.02.11 19:42:38
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