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カテゴリ:東宮~永遠の記憶に眠る愛~全55話
东宫 Goodbye my princess 第23話「濡れ衣」 皇太子妃に決まっている西州の九公主・曲小風(キョクショウフウ)が毒を盛られて倒れた。 これを重く見た皇帝はすぐ捜査を開始、料理を運んだ李承鄞(リショウギン)の侍女・嬋児(ゼンジ)が引っ立てられる。 実は嬋児はこっそり小袋を池に投げ捨てようとしていたところを捕まった。 早速、太医はその場で袋の中を確かめてみると、銀針の色が黒く変化し、毒だと判明する。 皇帝は侍女に動機を問いただしたが、その時、離宮の内侍長が思いがけない証言をした。 「恐れながら九公主が口にした汁物は本来、太子の物でした 太子は九公主が汁物を気に入ったので、ご自分の分もお与えになったのです」 李釅(リゲン)はさも今、気づいたように、ならば皇太子を狙っての所業なのかと驚いた。 そこで嬋児に皇太子の毒殺を命じたのは翊(ヨク)王なのかと迫る。 すると李承鄴(リショウギョウ)は弟想いの兄を演じ、五弟が毒殺など企てるはずがないと訴えた。 しかし皇帝は李承鄞の関与を疑って直ちに翊王府の封鎖を決め、一切の出入りを禁じるよう命じる。 一報を聞いた皇后は動揺を隠せず、侍女・容霜(ヨウソウ)にすぐ叔父の高于明(コウウメイ)に知らせるよう指示した。 大理寺では収監された嬋児が全て自分の一存でやったことだと訴えていた。 「太子に罰せられたのを恨んでしたこと…命令など受けていません」 実は皇太子は嬋児の好意を利用し、間者として都合よく利用していた。 『一度、大理寺に入れば拷問は免れぬ、だたすぐさま自白しても疑いを招くだけだろう しかし拷問は過酷で屈強な者でも3日と持たぬ』 『3日、耐えて信用を得られるなら、自白は3日後に…』 『苦労をかけるな…』 …李承鄴は優しく嬋児の頰をなでた 『殿下のために働けて光栄です、殿下の恩情を決して忘れません』 『お前の家族のことは心配するな…』 その夜、翊王の一大事を知った趙瑟瑟(チョウシツシツ)はいても立っていられず、李承鄞に会いに行こうと決めた。 しかし兄・趙士玄(チョウシゲン)が現れ、捕まってしまう。 「一歩、間違えれば趙家も終わりなのだぞ!行かせるわけにはいかぬ!」 趙士玄は妹を部屋に閉じ込め、私兵に見張りを命じた。 小楓が倒れて3日目、太医の診断では今夜までに解毒しなければ命が危ないという。 思いつめたアドゥはあれほど頑なに拒んでいた宮中の服に着替え、東宮を訪ねた。 皇太子と李釅は中庭の騒ぎに気付いて様子を見に行くと、九公主の侍女がひざまずき、手のひらを差し出している。 見れば手のひらには″解薬″と書いてあった。 実はアドゥは偶然、皇太子と嬋児が密会しているところを目撃していた。 皇太子の策略だと見抜き、アドゥは皇太子が解毒薬を持っていると確信する。 しかし李承鄴は毒を盛ったのは翊王だと追い返した。 アドゥは殿内に戻ろうとした皇太子にすがりついたが、憤慨した李釅に突き飛ばされてしまう。 アドゥはしばらく嘆願を続けていたが、いよいよ日が暮れて来た。 これ以上待っていては時間がない。 アドゥは皇太子から解毒薬をもらうことをあきらめ、顧剣(コケン)を頼ることにした。 アドゥは顧剣を連れて攬月(ランゲツ)閣に戻った。 顧剣は付き添っていた永娘(エイジョウ)を点穴して気を失わせ、小楓の容体を診る。 「これは血荊(チイバラ)の毒だ…薬の調合は間に合わぬ」 そこで顧剣は自分の気を使って小楓の身体から毒を抜くことにした。 顧剣は無事に小楓の毒を抜き切った。 アドゥは宮道まで見送りに出たが、顧剣が激しく咳き込み、急に喀血する。 「グージィェン!(Ŏ艸Ŏ)あ!」 「アドゥ…声が出るのか?」 実はアドゥは口が利けた。 しかし誰かに命じられたわけではなく、小楓の秘密を伏せ、そばで守るために口を閉ざす決意をしたという。 「今や私にとって公主は唯一の身内、公主が笑顔でいることこそ、私の生きる意味なのです」 「アドゥ、苦労したのだな…話し相手が欲しくなった時には訪ねて来い」 「(*゚▽゚)*。_。)ウン」 アドゥは顧剣へのわだかまりが解け、小楓の元へ戻った。 顧剣はアドゥに少し休めば平気だと言って別れたが、1人になると再び激しく血を吐いた。 崖から転落しながら命拾いした顧剣、しかし恩人の老人から完治させることは不可能だと言われてしまう。 …心の臓を刺された上、崖から落ちて五臓六腑が傷ついておる …命を保たせるだけで精一杯だ 十分、休養を取って気力を温存すれば多少は長生きできる。 しかし老人は無理をして気を損なえば保証はできないと釘を刺していた。 嬋児が毒の一件を自白、翊王に命じられて皇太子の毒殺を試みたと証言した。 しかし手違いで九公主が倒れてしまったという。 翊王府からも書斎で毒物が発見され証拠が揃い、皇帝に裁きが委ねられた。 皇帝は朝議で翊王を大理寺に捕らえるよう命じ、自ら尋問すると告げる。 すると右相・高于明が侍女の証言で翊王を有罪とするには不十分だと上奏した。 その時、息子の高坤(コウコン)が真っ先に立ち上がり再考を嘆願すると、多くの朝臣が賛同する。 これがかえって皇帝を意固地にさせた。 そこですかさず李釅は証拠なら揃っていると反発、先太子と西域へ赴いた時も翊王が1人だけ生還したと訴え、暗に皇太子暗殺の黒幕だと匂わせる。 皇太子は李釅を叱責すると、五弟が長兄を手にかけるなどあり得ないとかばった。 結局、皇帝は李釅に罰として3ヶ月の減俸と1ヶ月の謹慎を命じ、そこで朝議は終わってしまう。 小楓がようやく目を覚ました。 そばではアドゥが手を握りしめ、涙を流している。 一方、皇帝は大理寺に赴き、李承鄞を審問した。 李承鄞は濡れ衣だと否定し、そもそも皇太子を毒殺するなら、自分の侍女を使ったりしないという。 「全ての証拠が私を指している、妙だと思いませんか?!」 「太子の毒殺が成功していれば不自然ではない」 「証拠を信じるなら何も申しません」 「ふん!なら聞こう、承稷(ショウショク)の死はどう釈明を?…なぜお前1人だけ生きて戻ったのだ?」 李承鄞は父が長兄の死に自分が関わっていると疑っていることに愕然となった。 すると皇帝は言葉を失った李承鄞を見て審問を終わらせてしまう。 「父皇!この件で得する者が誰か、本当に分からぬのですか?!」 しかし皇帝はそのまま帰って行った。 …なるほど、大哥(ダ-グァ)、こういうことでしたか@東宮の闇( ー̀ωー́ ) 皇帝は九公主の意識が戻ったと聞いて攬月閣に駆けつけた。 太医の話では、まるで霊薬でも飲んだかのように急に解毒されたという。 しかし皇帝は無事なら良いと安堵して寿仁宮を出た。 その時、太監・曹芨(ソウキュウ)が思わぬ噂を耳に入れる。 「聞くところによれば九公主の侍女が昨晩、東宮でひざまずき、今朝、九公主が目覚めたとか…」 すると皇后が追いかけて来た。 皇帝は皇后が翊王の養母であるため、公正を期すために距離を置いている。 「案ずるな、今朝、大臣たちにも再考を請われた、何より朕の大切な息子だ、悪いようにはせぬ」 「感謝したします」 一方、柴牧(サイボク)はついに私鋳銭(シチュウセン)の鋳造場所を突き止めていた。 胡嘯(コショウ)の報告では同昌(ドウショウ)宿衛軍の練習場近くだという。 同昌宿衛軍と言えば忠(チュウ)王の軍、なるほどいくら探しても見つからないわけだ。 そこで街に噂を広め、皇帝の耳に入れようと企む。 すると予想通り、妙な噂を聞いた大理寺の汪束(オウソク)が皇帝に上奏した。 「最近、多くの銅銭が同昌宿衛軍の練習場近くで掘り出されたとか 官吏に調べさせた結果、これらの銅銭が国で発行される官銭とはわずかに相違が…」 皇帝は忠王の軍だと気づき、他言無用だと命じた。 床を離れた小楓は収監された翊王との面会を求めたが、皇帝の命により断られた。 その夜、考えた末に小楓は顧剣からもらった鳴り矢を放ってみる。 すると本当に顧剣がすぐ現れた。 「私が頼めば必ず助けてくれると言ったわよね?実は牢に忍び込みたいの」 「翊王のためか?君に毒を盛ったのに…」 「彼が盛るはずない、だから会ってどういうことか確かめたいの」 仕方なく顧剣は大理寺の番人をあっさり眠らせ、小楓が面会している間、見張ることにした。 李承鄞がうなだれていると、突然、九公主が現れた。 「リーチョンイン?」 「なぜここに?身体は大丈夫か?!」 「日頃の行いがいいから数日で治ったわ」 小楓は袂から袋を出し、柵の間から菓子を差し入れた。 「私を信じてくれるのか?」 「もちろん無実に決まってる、太子と李釅を探っていた矢先だもの、少し考えれば変だと気づくわ」 「…だが父皇は疑っている」 「私から話してみる!」 「いいんだ、回復したばかりだし今は身体を休めろ」 李承鄞は自分が軽率だったせいで小楓を巻き込んでしまったと反省した。 皇太子の弱みを握ろうと焦り過ぎたせいだろう。 すると李承鄞は小楓を利用して私鋳銭の件を進言したと認め、謝罪した。 しかし小楓はもともと悪事を見過ごせない質(タチ)だと許し、自分の方が浅はかだったという。 「あなたの言う通りにすべきだったわ」 「はっ!いいか?太子はまた君の命を狙うかも…私も守ってやれぬし用心してくれ、いいかい?」 「あなたは?このまま冤罪を受け入れるの?」 「うぉ?!はぁ~皇族の宿命だ、負ければ賊…」 李承鄞はそろそろ帰るよう促した。 そこで小楓は自分の外套を脱いで李承鄞に渡す。 「寒いからこれを使って(ギュウギュウ)身体を大切に、行くわね」 「うん、君も…」 皇帝が東宮に現れた。 思えば今回の毒の件で皇太子の意見を聞いていなかったという。 「太子、翊王が狙ったのは外でもないお前なのに、なぜかばうのだ?」 「父皇、たとえ五弟の仕業でも咎められません、兄としての配慮が足りず、私を恨むのも当然です どうか寛大なご処置を…」 「実に心の広いやつだ、お前の懐の深さを知って朕も一安心だ」 皇太子の応対は隙がなかった。 つづく (´•̥̥̥ω•̥̥̥`)アドゥ… お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020.12.19 14:06:47
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