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カテゴリ:東宮~永遠の記憶に眠る愛~全55話
![]() 东宫 Goodbye my princess 第50話「決別の時」 顧剣(コケン)は義父であり師匠でもある柴牧(サイボク)と袂を別つと決め、手合わせに挑んだ。 しかしそこに李承鄞(リショウギン)が剣を持って現れ、いきなり顧剣に襲いかかる。 「何を企んでいる…なぜ朱雀門へ?!」 「小楓(ショウフウ)が私と帰ると望んだからだ」 一方、傷心の小楓はひとり、中庭で鬱々としていた。 アドゥは心配で駆け寄ろうとしたが、永娘(エイジョウ)に止められてしまう。 「1人にしてあげましょう」 李承鄞と顧剣は剣を交えながら中庭に飛び出した。 血族同士の争いを見かねた柴牧は李承鄞を止め、顧剣を見逃して欲しいと訴える。 しかし顧剣が小楓を渡さないと挑発した。 李承鄞は烈火の如く怒ったが、その時、顧剣が意外な真実を突き付ける。 「お前が憎いのさ…」 「小楓がか?」 「覚えておけ、必ずや私が小楓を連れて行く」 「やれるものならやってみろ!」 李承鄞は立ち去る顧剣に怒号を響かせたが、なぜ自分が憎まれるのか分からなかった。 その夜、李承鄞は承恩殿に駆けつけた。 小楓はまだ庭でぼんやりしていたが、李承鄞の姿に気づいて慌てて逃げようとする。 しかし李承鄞は咄嗟に小楓の腕をつかんで引き留めた。 「シァォフォン、一体どうしたというのだ?…なぜそんな目で私を見るんだ?どうしてだ?」 小楓は黙ったまま寝殿に戻ろうとしたが、李承鄞は納得できずに小楓を押さえつける。 「最初から顧剣が刺客だと知っていたのか?!なぜ戻らなかった?!…答えろっ!」 李承鄞は苛立ちを隠せず、思わず怒鳴りつけた。 ![]() 「…あなたのもとから離れたかった」 「なぜだっ!なぜなんだ!」 「あなたが憎いの…」 小楓の言葉はまさに顧剣から聞いた言葉と同じだった。 李承鄞は激しい嫉妬に駆られ、いきなり小楓を担ぎ上げると、無理やり寝所へ連れて行ってしまう。 「離して!リーチョンイン!離してーっ!」 翌朝、李承鄞は隣でまだ眠っている小楓の寝顔を眺めていた。 その時、小楓が寝言で″グゥシャオウー″と口走る。 「…グゥシャオウー!(はっ!)」 小楓が目を覚ますと、李承鄞が眉をひそめて自分を見つめていた。 「グゥシャオウーとは誰だ?…誰のことだ?!」 「この世で一番、私を愛してくれた人よ…」 「じゃあ、君も彼を愛していると?…答えてくれ」 「ええ、彼を愛してる、私が愛したのは彼ひとり…」 「グゥシャオウーは顧剣か?そうなんだな?」 「…(ふっ)少なくともあなたじゃない」 ![]() (# ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾そうだ!お前ではない!LCY! 李承鄞は寝所を飛び出し、竹林で顧剣に戦いを挑んだ。 2人は互角の戦いを続けたが、やがて剣を下ろして対峙する。 「顧小五だと?…お前がその顧小五か?小楓が夢で呼んでいた! 言え、いつから恋仲だった?!西州にいた時か?それとも拉致していた間か?!」 「よく聞け、小楓にとってお前と一緒にいることは災難でしかない」 「平穏を乱したのはお前の方だ!彼女は私の妻だ、お前が私から奪ったんだ! …ふっ、小楓は私を哀れんでいた、あははは~滑稽だろう?!」 「ふははは~私が奪った?馬鹿を言うな!教えてやろう 私と小楓は西州で共に育った幼なじみだ、和睦の話が来た時、駆け落ちの約束をしていた お前さえ現れなければ今頃、私たちは夫婦だったんだ!奪ったのはどちらだろうな?」 「信じぬ!小楓は私を想っていた!私を命がけで救おうとしたんだからな! その事実をお前の嘘などで消せるものかっ!」 「…そうやって己を欺き続ける気か?小楓は記憶を失っていた 一時は私を忘れてお前に心を寄せたが、今や私が唯一の想い人だと思い出した だから連れて帰る、西州へ…」 「できるものか!」 「いいか?私は必ず彼女を連れて西州へ戻る」 顧剣は李承鄞を挑発し、去って行った。 その頃、小楓の寝所にアドゥが駆けつけた。 房間の乱雑な様子で李承鄞との間に何があったのか察するアドゥ、思わず力が抜けたように寝台に腰掛け、そっと小楓の腕に手を置いた。 すると小楓はようやく重い身体を起こす。 「アドゥ…胸が痛い…苦しくてたまらないの…ウッ…」 アドゥは小楓の震える肩を抱きしめながら、黙ってその悲しみに寄り添うことしかできなかった。 李承鄞は夜更けになってから柴牧を訪ねた。 「顧剣を生かしておくことはできぬ」 「太子殿下…あなた様と顧剣は同じ顧家の血脈ではありませんか?」 「柴牧、何か勘違いしているようだ…私の身体に流れているのは李家の血だ」(((;゚Д゚)))ヒィィィ~! 柴牧は呆然となり、自分が知っている李承鄞は情に厚かったと訴える。 しかしその情が恋情だけに、李承鄞は断じて捨て置けなかった。 「今夜そなたに伝えに来たのは、顧剣への最後の情けだ」 「太子殿下…あなた様は皇位に就くお方、顧剣なぞ相手にする必要はありません」 「帝王の玉座は氷の如く冷たきもの、さらに冷然とあらねば就くことはできぬ」 李承鄞は冷たく突き放して帰って行った。 すると柴牧の屋敷を見張っていた男が急いで相府へ報告に向かう。 「太子が柴牧の居所に…」 明月(メイゲツ)は最近、吐き気に悩まされていた。 そんなある日、唯品閣から皇帝の指示で頼まれていたという秘蔵の楽譜が届く。 その夜、政務に追われていた皇帝が数日ぶりに拾翠(シュウスイ)殿を訪ねると、ちょうど明月が琵琶を奏でていた。 皇帝は疲れも吹き飛ぶようだと喜んだが、明月は急にいとまを願い出る。 「皇上、明月は平凡な民にすぎません、皇上のご恩情は明月、生涯この胸に刻みます …すでに一番の贈り物を頂きました」 実は明月は懐妊していた。 皇帝はたいそう喜んだが、明月は子供が宮中の争いに巻き込まれるのが嫌で出て行きたいという。 しかし皇帝は笑って受け流し、相応の身分を与えるので安心して産めばいいとなだめた。 李承鄞は自分が顧小五だとも知らず、顧剣への恨みを募らせた。 そこで裴照(ハイショウ)に今から3000兵を東宮に配備するよう命じ、各殿の内外に潜ませるよう指示する。 「よいか、侵入者があれば決して外に逃がすな…蝿一匹たりともな」 貴妃・高如意(コウニョイ)は拾翠殿に忍ばせていた手先の宮女から明月の懐妊を知った。 何でも皇帝は明月のためなら宮中の掟も破ると言ったという。 その意味を悟った如意は焦った。 まさか明月がたった数日で身ごもるとは…。 如意はようやく懐妊できた自分と比べ、幸運に恵まれた明月を羨んだ。 子供さえいれば皇帝が大切にしてくれる、高家を重んじてくれると信じて来たのに…。 明月が承恩殿にやって来た。 すると抜け殻のようだった小楓はようやく明月となら話がしたいという。 「皇宮はつらい所よ?明月姐姐のように聡明な人まで飲み込まれるなんて… 皇室の人は薄情で、自分の目的のためなら何でも犠牲にする 明月姐姐も私のようになりそうで怖いの…」 「小楓…人を愛するには手放すことも必要よ? もし守るべき一線を越えてしまえば、2人の愛は修復しようがなくなる 心は思い通りにならない、太子殿下は普通の方ではないわ 太子の座を守るにはあなたが思うより、ずっと多くを耐えねばならないの、理解してあげて」 「もし皇上に家族を殺されても許せる?」 明月は復讐が目的で入内したと明かすこともできず、何も言えなかった。 顧剣が屋敷に戻ると柴牧が中庭で待っていた。 すると柴牧は自分から顧剣と決別する。 「今日を最後にこの家の敷居をまたぐことは許さぬ、できるだけ遠くへ去り、2度と都へ戻るな… もうお前は必要ない、使命を汚した以上、信頼できぬ」 そして器に入った水を飲めと命じた。 「忘川の水だと思って飲み干せ、そして忘れろ、以前、お前に聞かせた話も、私が教えた剣術も、 復讐という2文字も、そして私、柴牧のこともだ!」 顧剣は李承鄞が自分を消すつもりだと分かったが、それでも拒んだ。 「夢を見るな!小楓は手に入らぬ! 李承鄞は未来の君主、君主が死を命じれば臣下は従うしかないのだ!」 「…義父、親不孝をお許しください、かつて固く信じて来たことは鴻毛(コウモウ)のように軽かった 今は命より大事なことがあるのです」 顧剣は叩頭して別れの挨拶とすると、器の水を捨てた。 「小楓は忘川に飛び込んでも未だに覚えている…忘れるなど不可能です」 「自ら死を選ぶ気かっ!」 柴牧は必死に引き止めようとしたが、顧剣が振り返ることはなかった。 (´-ω-。`)師父… 裴照は配備を終えて皇太子に報告したが、戸惑いを隠せなかった。 すると李承鄞は言いたいことがあっても口に出さない方が良いと釘を刺す。 一方、柴牧の屋敷を密かに探りに来た高于明(コウウメイ)は偶然、門から出て来た柴牧の姿を見かけた。 「あれは陳征(チンセイ)…」 うかつだった。 皇太子は始めから柴牧が陳征だと知っていたのだろう。 高于明はなぜ今まで気づかなかったのかと憤った。 「対処を急がねばならぬ…」 その夜、宮中は静かだったが、東宮内だけは厳戒態勢だった。 小楓は相変わらず承恩殿にこもり、李承鄞と会おうとしない。 この日もアドゥが立ちふさがり、皇太子を阻止していた。 「シァォフォン!いつまですねている気だ!」 「すねてなんかいない、ただあなたが憎いだけ」 「憎い?なぜ私を憎むんだ?!」 「あなたが李承鄞で顧小五ではないからよ!」 「また顧小五か…私たちの間には顧小五のこと以外、話すことがないって言うのか?!」 「他に何か話すことがあるの?」 「…シァォフォン、顧小五だけでなく私のことも考えてくれ…な?君の虚ろな顔を見ているのは辛い 君は私の妻だ、大切に思っている、共に過ごした幸せな日々は全て偽りだったと言うのか?」 「ええ、偽りよ、だからあなたももう忘れて」 小楓の冷酷な言葉に李承鄞は堪忍袋の尾が切れ、アドゥを突き飛ばして部屋に乗り込んだ。 「どうやって忘れろと?教えてくれ」 「私に殺されたら忘れられるわ」 「ふっ…それは無理だ、私は君と一緒に生きて行きたい、かわりに顧小五が死ぬ様を見せてやろう」 すると李承鄞は鳴り矢を取り出した。 「なぜあなたがこれを?!」 「これが君と奴の連絡手段だと知っているぞ… 今夜は私が君に代わってこの鳴り矢を放ち、奴が来るか見てみよう もしノコノコやって来たら、私の羽林軍が一万の矢で奴の胸を貫く!」 「死ぬと分かっていて来るはずないわ」 「たいした自信だな?なぜそう言い切れる?」 「あの人には私より大事なことがあるもの」( ;∀;)ああああ〜 「そうか、では来なければ奴を忘れるんだ、だがもし来たらこの手で殺す!」 小楓はまさかと思ったが、ふと不安に駆られた。 「顧剣…リーチョンイン!やめてっ!」 小楓は慌てて部屋を飛び出したが、その時、李承鄞が目の前で鳴り矢を放ってしまう。 ![]() (# ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾<バンバン!LCY! 顧剣は危険を承知で承恩殿の中庭に降り立った。 駆けつけた小楓とアドゥは早く逃げろと追い返すが、顧剣は今度こそ小楓を連れて行くという。 「そんなの無理よ…死んでしまう…」 「やってみよう」 こうして顧剣は小楓とアドゥを連れて承恩殿から逃げ出した。 しかし各所に潜んでいた羽林軍が一斉に飛び出し、回廊で追い詰められてしまう。 そこで顧剣は小楓とアドゥを先に逃し、羽林軍を足止めした。 アドゥは小楓を連れて屋根伝いに逃げた。 しかしその途中、羽林軍の矢が胸に命中する。 驚いた小楓はアドゥをかばって矢面に出たが、流れ矢が腕をかすめ、その衝撃で屋根から落下した。 アドゥは危機一髪のところで小楓の手をかろうじてつかんだが、胸に突き刺さった矢を伝って血が滴り落ちる。 「アドゥ!手を離して!あなたも落ちてしまう!離して!」 するとアドゥが最後の力を振り絞って小楓を屋根に引き上げ、代わりに自ら落下して行った。 「(ドスン!)アドゥーッ!」 小楓は何とか屋根の縁につかまったが、いよいよ持ちこたえられず、瓦から手が離れてしまう。 その時、駆けつけた顧剣が小楓を抱きとめ、無事に地面に降り立った。 「顧剣、私はいいから早くアドゥを助けて!」 顧剣は小楓を物陰に残し、倒れていたアドゥを助けに向かった。 しかし戻ってみると小楓の姿はなく、裴照が現れる。 「ここまでだ、行け!」 裴照は顧剣を見逃そうとしたが、顧剣は盟友と剣を交えることも厭わなかった。 ![]() 「主の命には背けぬのだ」 「承知だ」 「顧剣!」 「達者で!」 顧剣は裴照を退け、アドゥを連れて小楓の元へ向かう。 つづく (  ̄꒳ ̄)<私の身体に流れているのは李家の血だ そうなのよね~これが全てなのよ( ;∀;)ぁぁぁ~ 何だか色々話がおかしいけど、細かいことはもうどうでもいいわ(笑 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021.02.10 11:55:10
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