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カテゴリ:麗姫と始皇帝~月下の誓い~全48話
丽姬传(秦时丽人明月心)The King's Woman 第5話「秘計」 秦(シン)王・嬴政(エイセイ)は捕縛令を布告、衛(エイ)の娘・公孫麗(コウソンレイ)の捜索が始まった。 偶然、街に買い物に来ていた麗児は自分の人相書きを見て呆然、急いで魯勾践(ロコウセン)の山荘へ戻ることにする。 ↓( ゚д゚)似てねぇぇぇぇ…ボソッ その頃、師妹たちを探している大師兄・韓申(カンシン)も麗児の捕縛令を見つけていた。 公孫麗の人相書きは秦だけでなく魏(ギ)にまで張り出された。 衛尉(エイイ)・李仲(リチュウ)は軍総出で捜索、見つかるのも時間の問題だと大王を安心させる。 しかし嬴政はもうひとつ麗児に罠を仕掛けていた。 麗児と荊軻(ケイカ)は秦の追っ手から逃れるため、早々に魯勾践の山荘を離れることにした。 すると魯勾践は文を持たせ、何かの時には友人の田光(デンコウ)を訪ねるよう勧める。 田光は燕(エン)人で義侠心に厚く、深い見識を持ち、必ずや二人の力になってくれるだろう。 蓋聶(コウジョウ)は出かけたまま未だ戻らず、二人と意気投合した蓋蘭(コウラン)は離れがたかったが、再会を誓って見送った。 嬴政は相国府に呂不韋(リョフイ)を訪ねた。 対応したのは食客の李斯(リシ)、実は呂不韋は風邪で高熱を出し、寝込んでいるという。 嬴政は仮病だと疑ったが、李斯が楚の荀子(ジュンシ)に師事したと聞いて興味を持った。 「荀子?性悪説のか」 孟子や孔子と言った儒家は好まないという嬴政、すると李斯は大王の志がはるかに遠大なため飽き足らないのだろうという。 「恐れながら、大王の志とは天下統一かと」 李斯はもはや衰退の一途をたどる六国は恐るるに足らず、第一に考えるべきは国内の安定、古来より王が全権を有すればこそ国は安寧を得られると説いた。 「大王、決断せねば禍根を残します」 その時、家職が慌てて駆けつけ、呂不韋が身支度を整え次第すぐ来ると報告する。 しかし嬴政はその必要はないと言った。 「得るべきものは得た…用はない」 嬴政は生母の太后・趙姫(チョウキ)を咸陽(カンヨウ)へ呼び戻した。 民の間では大王の孝行心が評判となったが、実は嬴政は秦王宮に戻った母から幼い弟を取り上げてしまう。 「たとえ母上が産んだ子でも余の兄弟ではない!逆臣の子だ!」 一方、太監の趙高(チョウコウ)は権勢が衰えた呂不韋に巻き込まれぬよう、大王の歓心を買っていた。 趙高は趙人のため、嬴政が人質として辛酸を嘗めて来たことを心得ている。 「実権を握った相国は謀略を巡らせ、大王を陥れています 嫪毐(ロウアイ)、長安君の謀反、大王の出自についての流言まで…断じて許せません 太后は王宮に戻られました、これからどうなさいますか? …王宮も秦も大王のものです!一切の処遇は大王のお心次第かと」 嬴政はその時ふと李斯の進言を思い出した。 その夜、逃亡中の麗児と荊軻は山間で見つけた廃家で一夜を過ごすことにした。 秦軍が麗児を追っている狙いは一体、何なのか。 荊軻は剣譜の在りかさえ分かれば鵠落(コクラク)剣法を習得して麗児を守れると焦った。 すると麗児は正直なところ、祖父の敵討ちも剣譜もどうでもいいと明かす。 「誰にも脅かされない場所で師兄と一緒に静かに暮らしたい…(〃ω〃)テレ」 しかし荊軻は否定も肯定もできなかった。 …亡国の屈辱を忘れてのうのうと暮らせば、あの世で師父が悲しむことだろう …俺だって君と静かに暮らせたらどんなにいいか 嬴政は呂不韋と趙姫を招いて宴を開いた。 すると嬴政は歌姫を呼び、不実な男に嫁いだ女の詩を歌わせる。 居たたまれなくなった趙姫は疲れたので休むと断ったが、嬴政は所望するなら若い男を向かわせると言った。 趙姫は息子の辛辣な言葉に呆然となり、自分を帰京させたのはいたぶるためだったのかと泣き崩れてしまう。 慌てた呂不韋は全て自分のせいだと趙姫をかばったが、嬴政はならば相国の位を廃すると命じた。 その代わり左右丞相を置くと決めて兵権を嬴政ひとりが持つこととし、さらに太后は南宮に幽閉、面会も一切、禁じられてしまう。 翌朝、再び出発した麗児と荊軻だったが、山中で風林火山の二人と出くわした。 風林火山は大王から公孫麗を秦王宮に連れて来るよう命じられたと教え、二人に襲いかかる。 しかし荊軻が麗児をかばって胸を刺され、深手を負った。 そこで麗児は自ら剣を首に当てて自害すると脅し、荊軻を連れて逃げ出すことに成功する。 風林火山は大王の命で公孫麗に手荒な真似はできず、あっさり二人を見逃した。 どちらにせよ公孫麗は秦王宮へ出向くしかない。 実は荊軻は剣先に塗られた毒にあたっていた。 この毒は7日以内に解毒しなければ死を待つだけとなる。 こうして公孫麗を捕らえるための包囲網は嬴政の計画通りに進んだ。 麗児は山小屋で荊軻を休ませた。 しかし荊軻は急激に具合が悪くなり、やがて意識を失ってしまう。 麗児は原因も分からず独り涙に暮れたが、翌朝、魯勾践から紹介された安邑(アンユウ)の田光を頼ることにした。 荊軻を荷車に乗せて山道を行く麗児、すると偶然にも田光が現れる。 若い娘の難儀な様子が気になって声をかけてきたのだ。 そこで麗児は魯勾践の文を渡した。 田光はその娘が公孫羽(コウソンウ)の孫だと聞いて喜んだが、戦で公孫羽が命を落としたと知るや顔を曇らせる。 「…秦め、姑娘、私についてきなさい!」 今は一刻も早く荊軻を助けることが先決だった。 田光は山荘に荊軻を連れ帰った。 刺し傷は急所を外れており致命傷ではなかったが、荊軻が毒にあたっていると分かる。 毒はすでに全身を回り、解毒薬がなければ恐らく長くても7日の命だった。 すると麗児は怪我を負わせた者が秦の四大名手・風林火山だと教える。 田光は風林火山が秦の妖術師・姚賈(ヨウカ)の手下で、秦王の腹心である姚賈と言えば卑劣な手段を用いて標的を闇に葬ると話した。 どうやら秦王は是が非でも公孫麗を手に入れたいらしい。 「なぜ私のようなただの娘に秦王は執着するのかしら…」 「公孫姑娘の美貌には男なら誰しも魅了されるだろう、秦王とて例外ではない あるいは秦王に取り入ろうとする者が献上品代わりにするつもりやも…」 麗児の頬を涙が伝った。 どんな理由にせよ自分が原因で荊軻は死の淵をさまっている。 「先生、考えがあるので馬を貸してください 留守の間、師兄をよろしくお願いします、ご恩は忘れません」 つづく お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021.07.21 14:06:09
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