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カテゴリ:麗姫と始皇帝~月下の誓い~全48話
丽姬传(秦时丽人明月心)The King's Woman 第22話「接近」 麗姫(レイキ)を自分の幕舎に引き止めることに成功した秦(シン)王・嬴政(エイセイ)。 しかし麗姫は同じ寝台を使おうとせず、簡易の寝台を準備した。 「気になって眠れないだろう?ここで見ているぞ?」 「…ご自由に」 寝床を整えた麗姫は嬴政を無視、さっさと横になって寝てしまう。 一方、洞窟に落ちた荊軻(ケイカ)と蓋蘭(コウラン)は出口を探してさまよっていた。 やがて石門を見つけて入ってみると、勝手に扉がしまって閉じ込められてしまう。 すると急に仕掛けのロウソクが一斉に灯り、明るくなった。 「墨(ボク)家の長明灯(チョウメイトウ)よ、父と見たことがあるの」 蘭児の話ではこの灯りは一度ついたら消えないという。 荊軻は確かに師匠が墨家の剣客と親しかったことを思い出した。 仕方なく2人は部屋の奥へ進んで行くと、4柱の位牌が安置されている。 「曹沫(ソウバツ)…専諸(センショ)…豫譲(ヨジョウ)…聶政(ジョウセイ)…聞いたことがある名だ 聶政…師父が話していた」 聶政とは100年前、単身で韓王を暗殺した伝説の刺客だった。 聶政は韓王を殺した後、王宮から脱出できずに自身の顔を削って自害したと言われている。 しかし荊軻が師匠から聞いた話では、その顔のない遺体は実は聶政が自分の身代わりとして殺した敵兵で、本人は密かに韓王宮を脱出したという。 「その後、世を捨てたとか… 師父がなぜそんな昔話に詳しいのか不思議だったが、鵠落(コクラク)剣法と関わりがあったからか…」 荊軻は位牌の前にある箱を開けてみた。 上蓋の裏には魚腸(ギョチョウ)剣とある。 そこで蘭児が剣を取り出してみると、突然、後ろの門が開いて別の部屋が現れた。 さらに突き当たりにも文字が掘られた石門が出現する。 …鵠落を究めし時、石門は開かれる… どうやら外へ出るためには、ここで剣法を習得するしか方法がないらしい。 川があるため水には困らないが、食料には限界があった。 荊軻はそれまでに鵠落剣法を覚えるため、足をくじいた蘭児を休ませてすぐ稽古を始める。 しかしそう簡単に奥義を究めることはできなかった。 麗姫は祖父の敵を討てなかった後悔から、悪夢を見て飛び起きた。 すると本当に嬴政が見守っている。 「早く寝ろ、余がそばにいる」 一方、後宮では景(ケイ)良人の懐妊が発覚していた。 先を越された楚(ソ)夫人は嫉妬から怒りを爆発させ、早速、景良人を呼び出し、祖太后からもらった茶を飲むよう強要する。 景良人は懐妊していないとごまかしたが、結局、断り切れずに茶を飲んで流産した。 敏(ビン)夫人は景良人が後宮の恐ろしさを知らなかったのだと同情した。 景良人は懐妊の嬉しさで後先を考えず、宮女たちに話してしまったらしい。 後宮では慎重に行動しなければ、すぐ足をすくわれるものだ。 その頃、嬴政は蒙武(モウブ)と酒を飲んでいた。 すると蒙武は韓非(カンピ)を得るためだけに10万もの大軍を韓に差し向ける必要があるのかと困惑する。 しかし嬴政は自分が礼を尽くせばかえって出し惜しみして手放さないと分かっていた。 「愚鈍で臆病な韓王のことだ、大軍で脅せば震え上がって韓非を差し出すだろう」 嬴政の読み通り、秦の大軍を見た韓王は慌てふためいた。 「余が一体、何をしたのか?よりによって秦王の怒りを買うとは…」 すると蒙武将軍と女将軍が城門へやって来るのが見える。 韓王は講和かもしれないと期待し、急いで新鄭(シンテイ)の城門を開けた。 そこで麗姫は恐れずとも韓非を差し出せば撤兵すると告げる。 こうしてあっさり、嬴政は韓非を手に入れた。 嬴政は正式に韓非を客卿(カッケイ)として迎えると決め、歓迎の宴を開いた。 すると韓非は大王に天下統一の真意を知りたいと訴える。 確かに天下統一が大王の大望だと誰もが知っていたが、その理由を問う者はいなかった。 嬴政はその率直な質問に感心し、ここで改めて天下統一の必要性を説く。 「周の分裂以来、周王室は衰え、諸侯が覇を競っておる、戦が続き民の苦しみは増すばかりだ 余は幼くして即位し、太平の世を築く方法を考えた、それは各国の差を埋めることだ つまり文字、貨幣、度量衡を同じくする こうして天下統一が果たされ各国がひとつになれば、この乱世は終わりを告げる 民は穏やかに暮らせるだろう」 宴が散会すると、廷尉(テイイ)・李斯(リシ)は韓非を部屋まで送り届けた。 そこへなぜか大王の妃である韓長使(カンチョウシ)が現れる。 実は嬴政は同じ韓人である妃を韓非に下賜していた。 自分の地位を脅かす韓非を表面上は歓迎する李斯、一方、敏夫人も韓非を警戒している。 秦に仕官するとは言えしょせんは韓人、いつか祖国のために他国を犠牲にするかもしれない。 麗姫と嬴政は昭徳(ショウトク)宮まで鬼ごっこで戻った。 ε=┏( ^ꇴ^)┛<待て~! ε=┏( ๑≧ꇴ≦)┛キャアー!(←何だこれ? 嬴政は逃げ回る麗姫を捕まえると、疲れたと言って正殿の階段に腰掛けてしまう。 そこで麗姫は清児(セイジ)に大王を見送るよう頼んだが、嬴政はここで寝ると言い出した。 「では寝床を…」 「いらぬ、ここでいい」 麗姫は枕と掛け物を準備すると、清児たちを下げた。 すると嬴政は麗姫の腕をつかんで一緒に寝ようという。 嬴政に対する警戒が薄れて来たのか、麗姫はそのまま向かい合って横になった。 つづく 工エエェェ(;╹⌓╹)ェェエエ工 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021.08.25 07:09:19
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