2022/03/11(金)14:14
上陽賦~運命の王妃~#54 あらすじ
上阳赋 The Rebel Princess
第54話「新たな皇帝」
目を覚ました王儇(オウケン)は再び賀蘭箴(ガランシン)の手に落ちていた。
「私のそばにいた者は?!パンダとヂンRは?!」
「パンダは死んだ、蘇錦児(ソキンジ)のことは…気にするな」
王儇は錦児がくれた水に薬が入っていたと気づき、実は長いこと自分を裏切って賀蘭箴と通じていたと知る。
すると賀蘭箴が今や大成の至る所に貼られた豫章王妃の手配書を見せた。
「誤解するな…今のそなたには忽蘭(クラン)しか安全な地はない、行こう、私がかくまう」
一方、朝廷では依然、皇子の行方がつかめず、大臣たちは空となった帝位に頭を悩ませていた。
丞相・温宗慎(オンシュウシン)は諸王たちの皇位争いを懸念、もはや別の皇帝を立てるしかないと決意する。
それはつまり安平王・馬子澹(バシタン)を新帝に立てることを意味した。
中書・顧閔汶(コビンムン)は思わず謝(シャ)氏の血を引いていると口を滑らせたが、今の朝廷に王氏だ謝氏だと争っている余裕はない。
すると城門の守衛から報告が届いた。
安平王が勅命なしに帰京したという。
子澹はわざと城門の前で待機していた。
もし新帝として受け入れられなければ、謀反と糾弾される恐れがある。
すると大臣たちが駆けつけ、温丞相が″安平王″の帰京を出迎えた。
しかし子澹は無視する。
その時、突然、衛(エイ)侯がひざまずいて拝礼した。
「次期皇帝のご帰還をお喜び申し上げます!」
( ̄ー ̄)ニヤリ
子澹は永安宮の寝所を訪ねた。
病床の皇太后は侍女が戻って来たと思ったが、水を飲ませてくれたのが憎き謝氏の息子・子澹だと気づいて悲鳴を上げる。
回廊に控えていた侍女たちは気が気でないが、許可なく入ることなどできなかった。
「…長年、知恵を働かせましたね?
父上に毒を盛り、母上に濡れ衣を着せ、謝氏を没落させた
そして私と阿嫵(アーウォ)を引き裂きました
皇帝とご自分の兄を殺し、息子を皇位に就かせた…で、このような末路にご満足ですか?」
子澹は当時、神を恨んだ。
悪事を働き、道理に背いた皇太后がなぜ宮殿に居座れるのか。
いつか必ず両親の敵を討とうと考えて来たが、こうして哀れな皇太后を目の前にすると、やはり神は平等なのだと納得した。
「楝羽(レンウ)山の変はあなたが仕組んだことだ…
まさか私に利用されるとは想像もしなかったでしょう?
真実を教えましょう、あなたの息子・子隆(シリュウ)の死は…」
温丞相が永安宮にやって来た。
凌春(リョウシュン)と元宵(ゲンショウ)は太平王が中にいると止めたが、その時、皇太后の断末魔のような叫びが聞こえてくる。
驚いた温宗慎は寝所へ乗り込み、嫡母である皇太后への忠誠と孝行を欠けば民心が離れると諌めた。
しかし子澹は深読みするなと言って皇太后の頭を優しくなでる。
「孝行したくて会いに来ただけだ、焦ることはない…日を改めて見舞いに参ります」
子澹が永安宮を出る頃にはすっかり日が暮れていた。
凌春は道中に助けた娘が目を覚ましたと報告し、身元を調べたところ寧朔(ネイサク)軍の胡瑶(コヨウ)だったという。
しかし肝心の豫章(ヨショウ)王妃の行方が分からなかった。
実は蘇錦児が約束を違え、目印を残さなかったという。
すると子澹は独りで鳳池(ホウチ)宮を訪ね、人質となって過ごした阿嫵との時間を懐かしんだ。
…承康(ショウコウ)2年8月、太極殿で安平王・馬子澹の即位の儀が行われた
…そして生母の謝貴妃は香純昱寧(イグネイ)皇太后に追封される
…こうして大成の朝廷では2年の内に3度も皇帝が変わり、国中が不安に陥っていた
江南は今日も激しい雨だった。
安平王の即位を知った王藺(オウリン)はみすみす好機を逃したと苛立ち、王夙(オウシュク)に八つ当たりする。
豫章王が謀反を企て皇帝暗殺に失敗して死んだなど誰が信じるものか。
恐らく温宗慎ら古参は子澹の企みだと気づいているのだろう。
「もはや江南に隠れる意味はない…」
賀蘭箴の一行が忽蘭の幕営に帰って来た。
忽蘭王は豫章王と寧朔軍を滅ぼした息子の帰還を手放しで喜び、カル族の使者として来訪していたコンプ王を紹介する。
実はこれを機に賀蘭箴に王の座を譲り、カル族の王女・ミアとの婚姻を決めていた。
しかし賀蘭箴は自ら婚姻を断り、コンプ王を怒らせてしまう。
思いがけず忽蘭とカル族の和親は破断となった。
賀蘭箴は婚姻するくらいなら王の座を放棄すると言い出し、忽蘭王は激怒して刀を突きつける。
しかし息子はもはや賀蘭箴だけだった。
「…なぜ私しかおらぬかは父上がよくご存知のはず
私にとって大切な2人、母上と妹はこの世を去った、助けられる機会はあったのに…
あなたがその機会をふいにしたのです、だから二度と愛する人を失いたくありません
忽蘭に連れて来た女人と婚姻するつもりです」
忽蘭王は原因が女だと知って失笑し、剣を収めた。
賀蘭箴は王儇の幕舎を訪ね、世話係のアリマを紹介した。
アリマは草原では珍しく大成の言葉に長けているという。
しかし機嫌が悪い王儇は視線を落としたまま、アリマの顔をろくに見ようともしなかった。
すると賀蘭箴は王儇の顔がよごれていると気づき、アリマにお湯を運んでくるよう命じる。
「さあ…草原特製のお茶だ」
「出て行って」
賀蘭箴はこの茶を飲めば身体が温まると伝え、今日のところはおとなしく出て行った。
一方、深手を負ってさまよっていた胡瑶はいつの間にか倒れ、気がつけば宮殿にいた。
すると助けられたのは自分独り、一緒にいたはずの大王がいなかったと知って安堵する。
慣れない衣に身を包んで皇帝に謁見した胡瑶、そこで豫章王と寧朔軍は無実だと訴え、潔白を証明して欲しいと嘆願した。
しかし子澹は興味がなさそうに朝廷が調査しているとあしらい、寧朔軍にも大赦が適用されるという。
「そなたが宮殿を出ようと誰も止めまい」
忽蘭王は息子が特別に準備したという王妃の天幕を訪ねた。
すると豫章王妃は賀蘭箴に拉致されて草原に来ただけで、息子に何の感情もないどころか嫌っていると知る。
安堵した忽蘭王は和親のために王妃を解放すると持ちかけた。
「本当ですか?」
「使いの者に送らせよう、今夜だ、二度と戻って来ないでくれ」
|ω・`).oO(あの毛皮…私のより大きいかしら?
その頃、蕭綦(ショウキ)は恩人が留守の間に無理をして旅立っていた。
…必ずや恩を返しに戻る…
壁には蕭綦が残した言葉が刻まれていた。
つづく
(  ̄꒳ ̄)今回の見どころは…
子澹のキラキラ衣装とアウォとおじいちゃんのモフモフ対決!←どこ見てんだw